【R18】婚約破棄されたらおっとり系アラフォーを攻めることになりまして

20

　ニアンナは慎重に腰を浮かせてから、相手の屹立の先端を刺激するふうに、一気に腰を落とした。
　突然の大きな快感に驚いたのか、ナミアが目を見張る。

「ふぁァッ！」

　従順な反応は、ニアンナの気分を率直に良くした。
　再び腰を持ち上げ、次いで一息におろす。

「ひ、っん！」

　眉尻をさげたナミアが、びくりと震えて嬌声をあげた。

　ニアンナは、自然と上がっていく口角を止めることが出来ない。己よりもずっと年上の相手を法悦で苛めることは、どうしようもないくらいに気持ちがよかった。優越感と言っても良いのかもしれない。

　ニアンナは律動を、徐々に速めていく。腰を動かすたびに、結合部からはぐちゅぐちゅと淫猥な音が響いた。

「ンぁ、あっ、ァッ……いっぱい擦れて――ぁああッ！」

　ニアンナが意識的に内壁にチカラを込めて陰茎を締めつけると、大きくなった刺激にナミアは仰け反って喘ぐ。

　濡れた双眸と、とろけた面持ちが、もはや彼に理性がほとんど残っていない事実を伝えていた。

「どうですか？　は、ぁ……気持ちいい、ですか……？」
「ひぁ、あぁッ……！　感じちゃう……だめなのに、感じちゃうよぉ……っ」

　譫言のように返すナミアの声は、すっかり泣いている。

　きっと、本来は理性的で、天然でありながらも真面目な人物なのだろう。こんなふうに快楽に翻弄される機会は、多くないのに相違ない。

　そんな予想が出来るだけに、愉悦でとろけている相手の姿は、ニアンナを満足させた。ここまで乱れた彼を見たことのある人間は、どれほどいるのか。おそらく、多くはないだろう。

　内部で昂りを締めつけるたびに、ナミアは眉根を寄せて切なげな表情をした。
　ニアンナは手を伸ばして、相手の耳朶を愛撫してみる。

「ゃうぅッ……」

　耳を撫でられると、彼は肩を竦めてさらに呼吸を乱した。
　相手に顔を寄せ、ニアンナはナミアに口付ける。抵抗されることは、なかった。

　彼はとろけた瞳で、ニアンナからのキスを受け入れている。

　最初に唇をひらき、舌を伸ばしたのはどちらからだったのか。気付けばふたりの舌は絡み合い、深いところで体温を共有していた。

　唾液に濡れそぼったナミアの舌は、ほんの少しの摩擦でさえ快楽として享受する。

　ニアンナは自身の両手で、相手の両方の耳を塞いだ。こうすることで、唾液と舌の絡まる水音がナミアの耳の奥で反響するはずだった。

　案の定、彼はますます反応を良くする。その姿は、音にすら犯されているようだった。