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しおりを挟む「ンぁ……はっ、ァ……」
それを見たメルウィンが、嬉しそうに笑った。
「おやおや、イケナイ子だねぇ。初めてなのに、そんなに乱れるなんて」
「だって、メルさんがしてくれないから……」
「しかも僕のせいにするときた。これは本当に悪い子だ」
ミサの足が、メルウィンに大きく開かれる。
直後、熱く脈動するものが下腹部に密着してくるのを感じた。
ミサがその正体を考えるよりも早く、メルウィンが意地悪げに両目を細める。
「そんな悪い子には、お仕置きが必要だよね」
「おしお、き――アッ!」
熱くて大きなものが、ミサの中に侵入してきた。
生まれて初めての感覚にミサは戸惑いと恐怖を覚えたが、同時に、欲していたなにかを与えられた充実感もある。
それらの感情がない交ぜになって、体の中で荒れ狂った。
複雑に絡み合う感情と、ミサのすべてを支配していく鮮烈な感覚に、己がめちゃくちゃにされていく実感がある。
これまで生きてきて、こんなにも自身を見失いそうになった経験が、果たしてあっただろうか。
自分を失いそうになりながら、それでも、不思議とそれが心地好い経験など。
メルウィンが軽く腰を打ちつけてくるのと同時に、体躯が奥から揺さぶられる感覚を覚えて、ミサは背を仰け反らせた。
「ンぁあああっ!」
まるで、剥き出しの神経に直に触れられているようである。
強すぎる刺激が、少しばかり恐ろしい。
なのに、もっとしてほしくてたまらなくなる。めちゃくちゃにしてほしくて、切なくなる。
初めてなのにどうしてこんな気持ちになるのか、ミサにもわからなかった。己の心と体が、自分のものではないようだ。
メルウィンが、小さく息を吐き出す。
「ふふ、あったかくてトロトロだぁ。魔力も良質だし……これ以上の回復方法はないねぇ」
その台詞で、そういえば彼の魔力を満たすための行為だったのだと思い出した。
もともとはラックを助けるために始めたことだというのに、すっかりそれを忘れていた己を、ミサは我ながら薄情に感じる。初めての快感に翻弄されていたとはいえ、ラックに申し訳ない思いがした。
「どうだい? ミサちゃん。痛かったりしない?」
「へいき、です……」
「じゃあ、動くね」
刹那、中を満たしていたものが僅かに身を引くと、すぐさま再び奥を突き上げてくる。
摩擦と最奥を突かれる刺激の連続に、ミサは声も出せずに仰け反った。
それは、間違いなく理性を奪う愉悦である。
頭が芯まで痺れて、思考回路が存在意義をなくしていった。
一度突き上げられただけでもそんな有様だというのに、メルウィンはその動きを何度も何度も繰り返す。
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