【待合室書店】のオーナーきゅうりさんの履歴書とアクアマリンのカード

愛澤凛音

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第6話

占いできますか?

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【待合室書店】は、午前10時に開店し、午後6時は閉店します。

私が、働き始めてからは、お客さんが出入りする時間帯は、まばらです。

1日で、お客さんが多いときは50人くらいです。

ただ、最近は、リピーターの方が多くなっている印象です。

「いらっしゃいませ」

60代前後の女性が店内に入り、

「本を注文していたんですけど…」

と…そのときにきゅうりさんが、

「あ、これですね。昨日、入荷していました」

「ありがとうございます」

「いえ、こちらこそ、いつも、ありがとうございます」

「最近、本屋さんも少なくて、私のような年寄りは、

なかなかパソコンとかスマートフォンとか使えなくて…

ここで注文したら、取りよせていただけるので助かるんですよ」

「また、何かありましたら、お申し付けください。

できるだけ対応させていただきますので…」

女性は、笑顔で会釈をすると書店から出ていかれました。

「いろんなお客様がおられますね?」

「そうなんだよね。何気なく生きてるだけど、

時代に流れは速いからね。

時代に流れになかなか上手く対応できない人もいるだよね

まあ、ボクたちが少しでもできることがあれば、

それだけ少しでも、社会に貢献できているんじゃないかな…と思うよ」

「それならいいんですけどね…」

「あ、そうそう、美咲さん、タロットカードのユーチューブ、

閲覧回数がまた、伸びているよ。

参考になりますっていうコメントも多いから…今後もよろしくね!」

「わかりました。お役に立てれるなら…」と私は、笑顔で答えました。

そのとき、ブルーのワンピースシャツにブラックのベストのコーディネートされた

見覚えのあるおしゃれな女性が入ってきました。

「いらっしゃいませ」

あ、そういえば、以前、占星術の本を購入されたお客さんだ…と思いました。

そのまま、店内を見回る雰囲気もなく、そのまま、きゅうりさんと私のいるレジに

まっすぐ歩いてこられました。

「あの~人違いでしたら…申し訳ありません。柊野先生ですよね?」

「え?はいそうですけど…」

きゅうりさんは、急に名前を呼ばれたので、驚いた様子でした。

それに小柄な方なのですが、服装も清楚で透明感のある、

育ちの良いお嬢様のように感じました。たぶん私よりも若いはずです。

「ご無沙汰しております。

山科桔梗やましなききょうです。西山学院高校せいざんがくいんこうこうで、

1年生のときに三条結花先生のクラスでした」

「えっ?山科さんですか?全くわからなかっです。

何度か当店にいらっしゃいましたよね?学生のときの面影がなかったので…

お綺麗になられましたね」

「きゅうりさん、それ、セクハラですよ!!!」

全く、きゅうりさんは、女心がわかってないな~と思いながら…

「きゅうりさん、そりゃ、高校を卒業したら、皆さん、変わりますよ」

「きゅうりさん?」

桔梗さんは、驚いた様子をみせたので…

「オーナーとか店長とか呼ばれることを嫌がったので、

この書店での呼び名を私がつけたんです。

きゅうりが嫌いと…いうことからですよね」

「そう」

きゅうりさんは、苦笑いを見せました。

「柊野先生、お元気そうで何よりです」

「ありがとう。山科さん、もう、ボクは教員ではないので、

先生ではなく、柊野さんでいいですよ。

それで、こちらは、ここで働いてもらっている美咲麻鈴さんです」

「ユーチューブでタロット占いをされている方ですよね…私、ファンです」

「え!!!ファンだなんて…趣味の範囲の占いですから…」

「何度か拝見しましたが、楽しませていただいています」

「楽しんでいただければ、嬉しいです。ありがとうございます。」

そばで話を聞いていたきゅうりさんが、相槌を打ちながら…

「山科さん、もう、社会人ですよね?」

「はい、大学を卒業して、実家の不動産業の手伝いをしています」

「そうでしたか」

「柊野さん、私には双子の弟がいるのですが、覚えておられますよね?

弟の名前は、昴といいますが…当時、お世話になってみたいなので…」

きゅうりさんは、腕組みをして、頭を傾げたまま…

「うーん?覚えているような…覚えていないような…

昴くんがどうかされたのですか?」

「実は、引きこもり…で、ほとんど部屋から出てこないのです。

両親も心配していて…」

「そうですか…生きていれば、いろいろとありますからね」

桔梗さんは、うつむき加減で…

「私には、何もできないんですけど…

運勢みたいなものが、あるのかな…と思って、

星占いの本とか読んでいるんです」

私は、あっ!それで占星術の本を購入していたのか…と納得した。

私は、少しでも参考になればと

「もし、よろしければ…弟さんをタロットカードで占ってみましょうか?」

「いいのですか?」

「はい、私は、大丈夫ですよ。きゅうりさん、いいですか?」

「大丈夫、大丈夫。ボクが、店番はしているから、

奥の撮影部屋で、ごゆっくりどうぞ…」

私は、桔梗さんを奥の部屋へと案内しました。

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