【待合室書店】のオーナーきゅうりさんの履歴書とアクアマリンのカード

愛澤凛音

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第17章

新事実?どちらかというと…

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山科桔梗さんとお会いする日時は、

実花さんが素早く、段取りを進めてくれました。

三条結花さんの事故死の件について、

桔梗さんとお話しすることに関しては、

実花さんも、私も、きゅうりさんには、何も話していませんでした。

そのため、きゅうりさんには黙って、桔梗さんにお会いするので、

私の【待合室書店】の営業終了後に時間を合わせていただいて、

山科さんのご自宅の近くの喫茶店で、お会いする約束になりました。

また、桔梗さんから、きゅうりさんがその場にいない方が、

話しやすい…という意味深なことをいっていた…

と…連絡を取り合っていた実花さんが話すので、

私は、そのことに妙に引っかかりながら…

待ち合わせの場所に向かいました。

私の仕事の終わりの時間に合わせていただいているので、

二人は既に待ち合わせ場所の喫茶店【ジゲン】で、

私の到着を待たれていました。

喫茶店の中に入ると、店内には、まばらに、お客さんがいましたが、

奥の座席の方に実花さんがいて、

向かい合わせに桔梗さんがいらっしゃいました。

私は手を振る実花さんに、寄っていき、

「遅くなり申し訳ありません」

と…謝罪し、実花さんの横に座ったのです。

実花さんが「コーヒーでいい?」

と聞くので、私は頷き、実花さんが注文をしてくれました。

「桔梗さん、今日はわざわざおよび立てして、

申し訳ありませんでした」

と…私は、桔梗さんに謝罪しました。

「いいえ、大丈夫ですよ。そんなにご心配なさらずに…

先日は、弟の件で大変お世話になったので…

あの後、少しずつ、引きこもりの弟との距離を縮めていき、

落ち着いて話ができるまでになりました。

ありがとうございました」

「こちらこそ、お役に立てたのならば、なによりです」

と…二人の会話に割って入るように…実花さんが、

「本題なんだけど、桔梗さんの担任が、結花姉さんだったのよね?」

と質問をしました。

「はい。それで、弟の担任は、新堂先生でした」

と桔梗さんが答えると実花さんと私は、

思わず目を合わせてしまいました。

続けて、桔梗さんは、

「弟は、国語の授業を担当されていた三条先生に、

何か相談しているようでした。

弟は、昔から本を読むことが大好きで、

小説家になる夢を持っていたようでしたから…

あと、はっきりは分からないんですけど…

いじめられていたのでは…?

と…引きこもりになった後に、両親と話したことがありました」

桔梗さんが、弟さんの昴さんの当時のことを、

ひと通り説明すると、

「そう、大変だったのね…弟さんも…

で、当時、他に気になったことは、何かあったのかな?」

実花さんが、身を乗り出して、桔梗さんに質問していました。

「私は、結花先生がお亡くなりになって、

後から、柊野先生とご婚約されていた…

ときいて、当時、びっくりした記憶があります。

どちらかというと…

三条先生は、新堂先生とお付き合いされているじゃないか?

と…生徒の間でも噂でしたので…

高校生だとちょうど、多感な時期でそのような噂には、敏感でしたので…」

と、少し困惑気味に桔梗さんが話しました。

「そのことが気になるから、潤矢さんがいないところで話をしたいと、

いうことだったのね」

と、実花さんが確認すると…

「ごめんなさい。そうですね。

弟は、担任の新堂先生と三条先生の二人に相談している…

って…当時は、きいていましたので、

その後、少し経過してから、

結花先生の事故がありましたから…

それから、しばらくしてから、弟は引きこもりましたので…

引きこもった後は、

柊野先生が、三条先生の代わりに、

親身になっていただいていたみたいです。

私たち家族が知らないうちに、

弟と連絡を取り合ってたり、

自宅まで足を運んでいただいたみたいです。

それで、弟も何とか、

学園を卒業することができたのです…

なので、書店にお伺いしたとき、

弟のことを、柊野先生が憶えていない…

といわれたことに、私は疑問を感じていたんです」

と…不思議そうな顔で桔梗さんが話しました。

「なるほどね~

もしかしたら、詳しいことを弟さんと潤矢さんは、

知っていたかもしれない…ということになるわよね」

実花さんが、探偵ように推理した内容を話しました。

「私は、はっきりしたことはわかりませんが…

弟は何か知っているかもしれませんね」

と、また困惑気味の顔で答えました。

「そう、弟さんと直接、お話ができたら嬉しんだけどね…」

と、直球で桔梗さんにきいてみました。

「弟とも、だいぶん話せるようになったので、聞いてみますね」

「無理をいってごめんなさいね。お願いね」

と…私は、二人の会話をほとんど聞いているだけでしたが、

桔梗さんが、私の方を向いて、

「美咲さん、占い…結構、当たっていたんですよ。

弟は引きこもって、小説を書いていたみたいです。

WEB小説に投稿して、優秀賞を受賞して、

その小説が書籍化されているみたいです。

結構人気があるらしくて、

今度、アニメ化されるみたいなんですよ!

びっくりですよね。

美咲さんが、

鑑定で、弟は、部屋に籠り、何かを探していた?

と…そして、何かの実力を手に入れようと頑張っていた…

と…

過去の出来事から模索し始めて、今は心が落ち着いているようだ…

と…

その通りだ…と思って、美咲さんにもびっくりです!」

と、笑顔で話してくれました。

「あの、弟さんの小説ってもしかして、

【ウインドメッセンジ~風の使者】という小説ですか?」

「えっ?はい、よくご存じでしたね!」

「先日、お客様からご注文をいただいたんですよ」

「そうなのですね~」

と…桔梗さんと私は勝手に盛り上がっていました。

その後、もし、弟さんの昴さんと直接お話ができるならば、

実花さんに連絡します…という桔梗さんの回答で、

その喫茶店を3人で出ました。

その帰り道でした。

【待合室書店】の2階にある私の部屋に帰ろうとしたときに、

笠山倫太郎先生がいたのです。

「美咲さん、突然、ごめんなさい。

決して、ストーカーとかではないので、怪しまないでください。

柊野さんの件で気になっていて、閉店後、様子をみに行ってみたのです。

先ほど、柊野さん、顔色を拝見したのですが、

気のせいかもしれませんが…

もしかしたら、よく眠れてないのではないかな~と思いまして…

柊野さんに、美咲さんのことをお尋ねしたら、

お出かけされたと、お聞きしたので、すみません。

お帰りになるのを…お待ちしていました。

もし、よろしければ、近くの公園でお話しさせいただけませんか?」

「そうでしたか~お待たせしていたのならば…

こちらこそ申し訳ないです。私は、大丈夫ですけど…」

「では、行きましょうか?」

と、途中で、倫太郎先生に自動販売機で、

飲み物を買っていただきました。

倫太郎先生は、缶コーヒー、私はお茶を・・・

それぞれ手に持って…

誰もいない公園の、街灯の下のベンチに座りました。

倫太郎先生には、先ほど、三条実花さんと山科桔梗さんと

お話しした内容を説明しました。

倫太郎先生は、「なるほど~」と…腕組みをして、

星がまばらに輝く、夜空をしばらく、見上げていました。

「柊野さんは、もしかしたら、全部ご存じだったのかも、

しれませんね。お優しい方ですから…

あえて何も言わないで…

ご自身の中で、消化していくような…

それが柊野さん、ご自身には、

よくないことだったりするんですけどね…

長所でもあり、欠点でもあるような気がしますね~

まあ、人間は、神様ではないですからね~

ある意味、いろいろな矛盾の中で生きているのだと…

と思います。

美咲さんも、ご心配ですよね!

美咲さん、失礼な言い方でしたら、ごめんなさいね。

ある意味、美咲さんは、

柊野さんのために、今のこの世界にいるような感じですよね?

表現はあんまりよくないかもしれませんが、

言い換えれば【やどかり】みたいな…

私も、同じようなものなので…」

私は、何と答えていいのか、困ってしまい

しばらく黙ってしまいました。

「私には難し過ぎて、よくわかりません」

私は、言葉を探しながら…いいました。

「ごめんなさい。わかりにくかったですよね。

表現しづらいのですが…

僕たち人間は、人の姿をしていますが、

実は中身は、誰だかわからない…自分自身で…

僕は、人はそれぞれが宇宙みたいな存在である…

と思っているんです。

更に、わからなくなりましたよね。

僕の独り言だと、思って聞き流してくださいね。

それと、今後、柊野さんの様子に変化があったら、

ご連絡くださいね」

と、いって微笑みました。

そのあと、倫太郎先生に書店の近くまで、送ってもらいました。

夜空には、無限に広がる宇宙への入り口が、

あるような気がしていました。
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