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怪盗のはじまり
図書館
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ジャンヌの言葉に、唖然とする。
図書館といえば、この国で一番守りのかたい場所だ。重要な魔法所の大半がその奥深くにあり、そこにはることができたらどのような魔法でも使えるといわれているほどだ。
しかし、それだけに誰かが怪盗に入れたという情報は聞いてことも見たこともない。絶対に落ちない宝物庫といっても大げさではないだろう。それだけに怪盗が狙うこともほとんどない。だが、それは決して図書館全体の話ではない。
図書館の中でも、最深部にある十体の悪霊によって強固な守りを持っている十大拷問魔法がおさめられている場所の話だ。
確かに、図書館から魔法所を盗み出すことは難しいが、不可能ではない。しかし、十大拷問魔法と三大魔法の二つだけは別だ。その二種類でも十大拷問魔法は絶対に盗み出すことができない。これはきっとそうだろう……とか、おそらくそうだ……なんていう生ぬるいことではない。何があっても無理なのだ。
この世界には二種類の大精霊がいる。大悪霊と大聖霊だ。聖霊三体、悪霊十体の十三体は存在が認められている。
その十三体が作った中でも最高の魔法が十大拷問魔法、三大魔法を合わせた十三極大魔法だ。
つまり、十三体中十体によって守られている魔法を盗み出すのは不可能というのが結論である。
「まさか、十大拷問魔法を狙うというわけじゃないでしょう?」
いくら追い詰められているからといってそれは自殺行為でしかない。彼女はそこまで愚かではないだろう。だがしかし、ありえないというわけでもない。
もしかすると、彼女にはそのための手段があるのかもしれない。――いやだが、ありえないだろう。
「はい、そのまさかです。どうやら怪盗アルセーヌ……アルさんはその十大拷問魔法を狙っているみたいで、悪霊に感知されてしまいました。このままでは、おそらく彼女は捕まってしまうでしょう……どうしてそんな愚かな行為を……」
「ちょっと待って、それじゃあアルは……いや怪盗アルセーヌと呼ぶべきなのかな? ……とにかくそのアルセーヌには盗めるかもしれない思えるほどの力があるということなの?」
僕の問いにジャンヌは首を強く横に振る。
思った通りだが、彼女は自暴自棄になってしまったのかもしれない。それも僕の言葉によって。僕が傲慢にもあんなことをいったがために、彼女は危険を冒そうとしている。
誰が何と言おうと僕のせいだ。僕がもう少しだけ、冷静に考えていればこんなことにはならなかっただろう。
「後悔先に立たず。今からでも遅くはないでしょう……彼女の行く先に心当たりがあるのでしょう?」
「うん」
そうだ。ジャンヌの言うとおりで、後悔している暇などない。後悔ならすべてが終わった後にすればいいだろう。
今するべきことは彼女を止めること。そして、謝ることだけだ。
僕はジャンヌに一言だけ礼を言うと、急いで、アルの旧家に向かった。誰にも知られず、何かを企てるにはうってつけの場所だ。なによりも、あそこは彼女にとって思い出の場所であり、始まりの場所なのだから。
図書館といえば、この国で一番守りのかたい場所だ。重要な魔法所の大半がその奥深くにあり、そこにはることができたらどのような魔法でも使えるといわれているほどだ。
しかし、それだけに誰かが怪盗に入れたという情報は聞いてことも見たこともない。絶対に落ちない宝物庫といっても大げさではないだろう。それだけに怪盗が狙うこともほとんどない。だが、それは決して図書館全体の話ではない。
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確かに、図書館から魔法所を盗み出すことは難しいが、不可能ではない。しかし、十大拷問魔法と三大魔法の二つだけは別だ。その二種類でも十大拷問魔法は絶対に盗み出すことができない。これはきっとそうだろう……とか、おそらくそうだ……なんていう生ぬるいことではない。何があっても無理なのだ。
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「まさか、十大拷問魔法を狙うというわけじゃないでしょう?」
いくら追い詰められているからといってそれは自殺行為でしかない。彼女はそこまで愚かではないだろう。だがしかし、ありえないというわけでもない。
もしかすると、彼女にはそのための手段があるのかもしれない。――いやだが、ありえないだろう。
「はい、そのまさかです。どうやら怪盗アルセーヌ……アルさんはその十大拷問魔法を狙っているみたいで、悪霊に感知されてしまいました。このままでは、おそらく彼女は捕まってしまうでしょう……どうしてそんな愚かな行為を……」
「ちょっと待って、それじゃあアルは……いや怪盗アルセーヌと呼ぶべきなのかな? ……とにかくそのアルセーヌには盗めるかもしれない思えるほどの力があるということなの?」
僕の問いにジャンヌは首を強く横に振る。
思った通りだが、彼女は自暴自棄になってしまったのかもしれない。それも僕の言葉によって。僕が傲慢にもあんなことをいったがために、彼女は危険を冒そうとしている。
誰が何と言おうと僕のせいだ。僕がもう少しだけ、冷静に考えていればこんなことにはならなかっただろう。
「後悔先に立たず。今からでも遅くはないでしょう……彼女の行く先に心当たりがあるのでしょう?」
「うん」
そうだ。ジャンヌの言うとおりで、後悔している暇などない。後悔ならすべてが終わった後にすればいいだろう。
今するべきことは彼女を止めること。そして、謝ることだけだ。
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