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セプテンバーモーン
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まだ…帰りたくないな。
そう思ったのは帰路の途中だった。
家の近くの駅に降りたあたりだろうか。
まぁまぁ自宅近くの駅からは遠い仕事場は家族と離れるのには丁度いい。
出た頃には5時過ぎでも帰る頃には6時手前だ。
そこから家まで歩けばさらに15分くらいだろうか。
どちらにせよすぐつく距離ではある。
騒がしい都内はまだ明かりが煌々と輝いている。
駅近くは居酒屋ばかりでどこもかしこも騒がしい。
朝まで飲む…なんてのはやだな。
でも家にも帰りたくない。
そんなことがずっと、頭の中を回り続ける。
夕飯だって、今は一緒に食べたくない。
毛嫌いしたって、仕方ない。
でも許せる事じゃなくて。
自分のことですら、分からなくなる。
昨日無理に帰ったせいで棗にも声をかけにくい。
賑やかさが、上手く笑えない自分を追い詰める。
1日というのはここまで疲れるものだっただろうか。
そういえば疲れた時にはよく甘えてたっけ。
それすらももう、花として咲くことは無い。
知らない方が幸せだっただろうかと、自分にもう一度問う。
何故か…いつかは知る未来だった気がして。
聞こえた一言の絶望感が、今になってもう一度襲いかかる。
このままだと泣きそうで、そのまま歩き出した。
結局帰ることにした足は重い。
もう、帰って休みたい。
でも忘れたい事だらけで。
バスにも乗らずに歩いた。
夕方の街は街灯以外光るものなんかない。
苦しくなる気持ちを抑え、歩く。
何が違ったのだろうか。
何を間違えたのだろうか。
自分にも非があることはいくらでも思いつく。
仕事上休みも不定期で何かと迷惑かけたしドタキャンだって多かった。
それは確かに私の悪い所だった。
仕方ないを言い訳にしすぎただろうか。
そうだとするならばそれは私のせいだ。
それでも妹の方へ行くなんて。
急激に落ちていく気持ちにどうすればいいのか分からなくなる。
スマホを開いてしまうと、つい連絡しそうになるから怖い。
いっそ連絡して、どうにかなってしまった方がいいだろうか。
私は悲しくも慣れた連絡先へと電話をかけた。
3コール、4コール、続いていく無機質な音は切れることなく続いた。
諦めてその音をこっちから切る。
信じてたのにな、なんて言う軽い言葉を心に浮かべる。
それは泥舟のように脆くて端から少しづつ欠けていく。
帰り道の月が、手の届かないところにあるように。
もう私には取れるようなものでは無いとわかったからだ。
家に着けば明かりはもちろんついていた。
それがどれだけ嫌なことか。
夕食は自分で作ればいいや。
どうせ作ってくれてるわけが無い。
「…ただいま。」
リビングまで響かない声でそう言った。
「おかえりなさい。早かったのね。言ってくれれば夕飯も作ったのに。」
「いいよ。自分で作るから。」
自分の心をそっと撫でるように抱きしめるようにそう言った。
~セプテンバーモーン~
・ホワイトラム
・グレナデンシロップ
・ライムジュース
・卵白
卵白が入りゆっくりと飲めるカクテル。
ラムもホワイトラムなのでクセもそこまでなく、口当たりはまろやか。
ライムジュースとグレナデンシロップで爽やかにまとめられている。
色味もグレナデンシロップが入っているため鮮やかで目でも楽しめる。
そう思ったのは帰路の途中だった。
家の近くの駅に降りたあたりだろうか。
まぁまぁ自宅近くの駅からは遠い仕事場は家族と離れるのには丁度いい。
出た頃には5時過ぎでも帰る頃には6時手前だ。
そこから家まで歩けばさらに15分くらいだろうか。
どちらにせよすぐつく距離ではある。
騒がしい都内はまだ明かりが煌々と輝いている。
駅近くは居酒屋ばかりでどこもかしこも騒がしい。
朝まで飲む…なんてのはやだな。
でも家にも帰りたくない。
そんなことがずっと、頭の中を回り続ける。
夕飯だって、今は一緒に食べたくない。
毛嫌いしたって、仕方ない。
でも許せる事じゃなくて。
自分のことですら、分からなくなる。
昨日無理に帰ったせいで棗にも声をかけにくい。
賑やかさが、上手く笑えない自分を追い詰める。
1日というのはここまで疲れるものだっただろうか。
そういえば疲れた時にはよく甘えてたっけ。
それすらももう、花として咲くことは無い。
知らない方が幸せだっただろうかと、自分にもう一度問う。
何故か…いつかは知る未来だった気がして。
聞こえた一言の絶望感が、今になってもう一度襲いかかる。
このままだと泣きそうで、そのまま歩き出した。
結局帰ることにした足は重い。
もう、帰って休みたい。
でも忘れたい事だらけで。
バスにも乗らずに歩いた。
夕方の街は街灯以外光るものなんかない。
苦しくなる気持ちを抑え、歩く。
何が違ったのだろうか。
何を間違えたのだろうか。
自分にも非があることはいくらでも思いつく。
仕事上休みも不定期で何かと迷惑かけたしドタキャンだって多かった。
それは確かに私の悪い所だった。
仕方ないを言い訳にしすぎただろうか。
そうだとするならばそれは私のせいだ。
それでも妹の方へ行くなんて。
急激に落ちていく気持ちにどうすればいいのか分からなくなる。
スマホを開いてしまうと、つい連絡しそうになるから怖い。
いっそ連絡して、どうにかなってしまった方がいいだろうか。
私は悲しくも慣れた連絡先へと電話をかけた。
3コール、4コール、続いていく無機質な音は切れることなく続いた。
諦めてその音をこっちから切る。
信じてたのにな、なんて言う軽い言葉を心に浮かべる。
それは泥舟のように脆くて端から少しづつ欠けていく。
帰り道の月が、手の届かないところにあるように。
もう私には取れるようなものでは無いとわかったからだ。
家に着けば明かりはもちろんついていた。
それがどれだけ嫌なことか。
夕食は自分で作ればいいや。
どうせ作ってくれてるわけが無い。
「…ただいま。」
リビングまで響かない声でそう言った。
「おかえりなさい。早かったのね。言ってくれれば夕飯も作ったのに。」
「いいよ。自分で作るから。」
自分の心をそっと撫でるように抱きしめるようにそう言った。
~セプテンバーモーン~
・ホワイトラム
・グレナデンシロップ
・ライムジュース
・卵白
卵白が入りゆっくりと飲めるカクテル。
ラムもホワイトラムなのでクセもそこまでなく、口当たりはまろやか。
ライムジュースとグレナデンシロップで爽やかにまとめられている。
色味もグレナデンシロップが入っているため鮮やかで目でも楽しめる。
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