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22.秘密のキス
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うすっらと意識が覚醒していく。
唇に柔らかく温かいものが触れるのを感じた。
目をそっと開けると江夏君の顔がすぐ側にある。
「いやっ」
私は思わず江夏君の体を押し返していた。
江夏君がしまったと言った顔をしながら、私を見つめ返してくる。
「今、私にキスしてた? ここはどこ?」
見渡したそこは知らない部屋だった。ベッドに寝かされて江夏君と2人きりの状況。
「俺の部屋。ごめん、俺、十年間ずっと桜田さんが好きだった。目の前にいると思うと我慢できなかった」
私は江夏爽太の家で彼にキスをされていたらしい。意識のない人間にどうして勝手にそういうことができるのだろう。好きだから我慢できなかったなんて言い訳だ。不快感を感じて自分の唇を手で擦る。私の仕草を見て江夏君が傷ついた顔をするが、好きでもない男にキスされた私は最悪の気分だ。彼はモテる男だが、私にモテたことは一度もない。
「もしかして、病院で私が寝ていた時もキスした?」
病院でも目を開けた瞬間、江夏君の顔が近くにあった。
「⋯⋯本当にごめん」
「最低!」
私は江夏君の家を飛び出すように出た。道に出ると地元の見慣れた光景だ。でも、いつもと違う違和感を感じた。すれ違う人間が皆、私に和かに頭を下げてくる。私は母とこの土地で村八分のような状態だったはずだ。
自分の家の前には見知らぬ人たちが立っていた。
私を見つけるなり、三人の女性が近づいてくる。
「桜田未来さんですね。私、城ヶ崎冬馬様の依頼により来ました医師の森永梨花です」
白衣を着た女医さんを皮切りに、お手伝いさんとパンツスーツ姿のSPが自己紹介を始める。私が驚く間もなく、実家に沢山の荷物が運び込まれた。
「あの、これは一体」
私は部屋に運び入れられた、荷物を開ける。ブランド物の服とジュエリーの数々に固まってしまう。
「城ヶ崎冬馬様からのプレゼントです」
私の質問に答えてくれたお手伝いの斉藤さんが微笑む。
私は慌てて冬馬さんに連絡をかけた。
「こんなことしてもらう理由はない」と彼に伝えるつもりだった。ワンコール鳴らない間に電話の先に出た冬馬さんの声は弱々しく、私は彼の事が心配になった。
「未来? 電話くれてありがとう。声が聞けて凄く嬉しい⋯⋯」
私は彼の傷ついた顔が沢山蘇り、胸が苦しくなる。
「あ、あの冬馬さん。私、千葉の地元に戻りました。色々お気遣いして頂きありがとうございます」
早口で彼にお礼を言うと、スマホの電源ごと電話を切った。冬馬さんの声を聞くとドキドキしながら彼にキスをねだるように目を瞑った自分を思い出す。
彼が自分を騙したのが、江夏爽太のように好意が理由だったらどんなに良いかと考えてしまう。そして、なぜか彼に江夏君にキスをされた事がバレたくないと思っていた。
唇に柔らかく温かいものが触れるのを感じた。
目をそっと開けると江夏君の顔がすぐ側にある。
「いやっ」
私は思わず江夏君の体を押し返していた。
江夏君がしまったと言った顔をしながら、私を見つめ返してくる。
「今、私にキスしてた? ここはどこ?」
見渡したそこは知らない部屋だった。ベッドに寝かされて江夏君と2人きりの状況。
「俺の部屋。ごめん、俺、十年間ずっと桜田さんが好きだった。目の前にいると思うと我慢できなかった」
私は江夏爽太の家で彼にキスをされていたらしい。意識のない人間にどうして勝手にそういうことができるのだろう。好きだから我慢できなかったなんて言い訳だ。不快感を感じて自分の唇を手で擦る。私の仕草を見て江夏君が傷ついた顔をするが、好きでもない男にキスされた私は最悪の気分だ。彼はモテる男だが、私にモテたことは一度もない。
「もしかして、病院で私が寝ていた時もキスした?」
病院でも目を開けた瞬間、江夏君の顔が近くにあった。
「⋯⋯本当にごめん」
「最低!」
私は江夏君の家を飛び出すように出た。道に出ると地元の見慣れた光景だ。でも、いつもと違う違和感を感じた。すれ違う人間が皆、私に和かに頭を下げてくる。私は母とこの土地で村八分のような状態だったはずだ。
自分の家の前には見知らぬ人たちが立っていた。
私を見つけるなり、三人の女性が近づいてくる。
「桜田未来さんですね。私、城ヶ崎冬馬様の依頼により来ました医師の森永梨花です」
白衣を着た女医さんを皮切りに、お手伝いさんとパンツスーツ姿のSPが自己紹介を始める。私が驚く間もなく、実家に沢山の荷物が運び込まれた。
「あの、これは一体」
私は部屋に運び入れられた、荷物を開ける。ブランド物の服とジュエリーの数々に固まってしまう。
「城ヶ崎冬馬様からのプレゼントです」
私の質問に答えてくれたお手伝いの斉藤さんが微笑む。
私は慌てて冬馬さんに連絡をかけた。
「こんなことしてもらう理由はない」と彼に伝えるつもりだった。ワンコール鳴らない間に電話の先に出た冬馬さんの声は弱々しく、私は彼の事が心配になった。
「未来? 電話くれてありがとう。声が聞けて凄く嬉しい⋯⋯」
私は彼の傷ついた顔が沢山蘇り、胸が苦しくなる。
「あ、あの冬馬さん。私、千葉の地元に戻りました。色々お気遣いして頂きありがとうございます」
早口で彼にお礼を言うと、スマホの電源ごと電話を切った。冬馬さんの声を聞くとドキドキしながら彼にキスをねだるように目を瞑った自分を思い出す。
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