ラッキースケベの贖罪

松井すき焼き

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「ふざけんなよ、・・・・あいつ」
怒りをあらわにしている桜田を横目で見て、黒星は考える。
今この状況を、白崎のように証拠写真にとっておいたほうが、物事を有利に運べるのではないか?
桜田も、黒星に逆らうこともなくなるだろうし。
しかし黒星は今残念なことに、スマフォをもっていない。
白崎を何とか丸め込んで、あの桜田との写真を押収できればいい。ホモとなんか口もききたくないが・・・。

そんなことを黒星が考えていると、桜田が黒星の肩をつかんでくる。

「おい。・・・・余計なことを言うなよ。このホモ。まぁ、お前の言うことなんて、誰も信じないけどもな」
言葉とは裏腹に、桜田が焦った様子で言う。
そんな桜田のことを、心の中で小心者と黒星は馬鹿にして笑う。

「人の尻に勝手に入れておいてよく言うよな。お前のほうこそ、ホモ野郎。お前こそ気色悪いんだよ」
黒星はそう言って、せせら笑ってやった。

そこで桜田は急に無表情になった。
急に押し倒されて、黒星は天井を見上げる。

「そんなに×××が欲しいならくれてやるよ、くそ野郎」
桜田の本気のマジ切れの顔である。

口は禍の元。
黒星から血の気が引いた。

「や、やめろよ!ふざけんな」

じたばた暴れるが、桜田に足首を掴まれていて、起き上がれない。
必死で黒星は抵抗するが、黒星の方が体勢が不利だ。

「お前男相手にたつのかよ!!」
そう黒星が叫んだ。
「さぁな?だってホモ野郎なんだろう?俺は。試してやるよ。」
ぺろりと桜田が舌を出した瞬間、ベッドのカーテンが開いて、保健室の先生の稲田芙美先生が現れた。

「あ、あなた達、何しているの?まさか男同士で・・!?」
驚愕した顔の稲田。
桜田と黒星は項垂れるしかなかった。

それから稲田先生に保健室は病人が来るところで、そういうことをするところではないと、散々怒られた。
黒星は稲田先生の巨乳が遠のいた気がして、涙した。

稲田芙美先生サイドの話。

最近彼氏に稲田は振られた。次の彼氏を見つけなければと思いつつ、稲田は今日も高校で保険医をしている。
若くて保険医というだけで、高校の男子はもれなく、稲田の胸を見てくる。うんざりである。
内心そんな高校生男子を馬鹿にしていたのだが、ある日なんと高校生男子同士が、保健室のベッドでことに及ぼうとしていたのである。
同性愛の存在が遠いものだと思っていた、稲田は驚愕した。
そして、どきどきしていた。
女の胸をガン見してくるのは、ただのくそやろうだが、ちらりと見て妄想するのは人の自由だと稲垣は思いながら、あの高校生男子二人で妄想することにした。
日々のうるおいであった。
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