極上御曹司の純愛〜幼馴染に再会したら身も心も囲い込まれました〜

吉生伊織

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⭐︎トラウマの代償

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 目を覚ますと、外はまだ暗く部屋の中も薄暗い。

 寝返りを打ってぼんやり天井を見上げると、自宅アパートの薄汚れた低い天井ではなく、小ぶりなシャンデリアが吊るされた真っ白な折り上げ天井が目に入った。

 ここは……

 確か、朝日くんと食事していたはず。どうしてベッドに?
 もっとよく見回そうと身じろぐと、こめかみが唸りだした。

「いたたたっ」

 飲み慣れないワインを飲みすぎたせいで、片頭痛が起こっているのはわかる。
 でも、いつの間にこんな場所に? いや、なんでこんなところで寝てるの?

 そう思っても、ズキズキと痛むのは片頭痛だけではなく、同時になぜか下半身まで痛む。

 起き上がった体はスースーと風通しがよく、シーツが肌にまとわりついて、明らかに裸のままでいることに気づいた。

「――えっ、なんで!?」

 動揺して気が付かなかったけれど、隣から生温かい温度を感じて恐る恐る左を向けば、上半身裸でスヤスヤと寝ている朝日くんが目に入った。

「ウ、ソ……」

 これはもしかして、ううん、もしかしなくても……ヤっちゃった!?

 だけどまったくなにも覚えていない――。

 キスをして気持ちよくなったところまでは記憶があるけれど、それ以降はなにひとつ記憶にない。

 本当に私、朝日くんと……?

 混乱する頭をフル回転させても何も思い出せず、とにかく家に帰らなきゃ今日も仕事なのに!

 と、こんな時でも朝日くんとベッドを共にしたことより、仕事を一番に思い出す私……。

 だって仕方がない。
 仕事=お金=借金返済、が現実なのだから。

 とにかく帰らなきゃ、とベッドを抜け出すことにした。

 衣擦れの音をさせないようにそっとベッドを降りようとしたところで、いきなり腕を掴まれた。

「――きゃっ」
「どこに行くの?」

 びっくりした。
 寝ているものとばかり思っていた朝日くんが目を覚ました。

 まだ眠そうな瞳をうっすら開け、眩しそうに見上げながら私の手首を掴んでいる。私は咄嗟に片手でシーツを手繰り寄せた。

「あ、の……帰ろうと思って」
「送ってあげるからもう少し寝てな」
「や……自分で帰れるから」

 今はもうすっかり覚醒して、酔いも醒めている。まだ日は明けていないけれど、ここからどうにかして帰ろうと思えば帰れる。

 それに、また朝まで朝日くんと同じベッドで寝て起きるなんて、絶対に無理だ。

 掴まれた手首を引くと彼はむくりと身を起こし、少し乱れた髪をかきあげた。薄暗い中でも彼の上半身はよく見える。

 筋肉が程よくついて、胸も腕も筋肉質で胸板も厚い。食事中はスーツを着ていて気が付かなかったけれど、着ているものを脱いだ朝日くんは誰がどう見ても妖艶な色気が溢れていて、本当にそのままモデルとして活躍できそうなほど格好いい。

「もう逃さないって言ったろ」

 朝日くんは片足の膝を立て、気怠そうに腕を置いてぼそりと呟きながら私を見つめた。

 その瞳が部屋のドアの向こうから入る光に反射して、まるで獰猛な虎のように獲物を逃さないという視線を向けてくる。

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