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第17話
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「……みろよ、あそこにいるの生徒会長だぞ?」
「ほんとだね……ああ、今日も綺麗だ」
「……今日も凛々しいお姿だ」
「ほんと、一緒の学校に通えてよかったなぁ……」
「あぁ……首輪をつけられたい……」
スタスタと背筋をピンと伸ばし、微笑を携えて歩いていく。それは幼い頃からそう教えられてきたからこそだった。
周囲の生徒たちは、そんな咲に見とれていた。
咲は彼らの視線の間を抜けるように、生徒会長の威厳を保ったまま廊下を歩いていく。
視線が集まっていたが、そんなこと気にもせず、握っていたカバンを持ち上げる。
時刻は十二時半、昼休みだった。
生徒会室へとたどり着いた咲は、私室のように使っているその部屋の鍵を開け、中へと入った。
会議のために置かれた長机にカバンを置き、咲はがさがさとビニール袋を取り出した。
そこから購入した10個のおにぎりを取り出し、一つずつ食べ始める。
この時間がまさに至福であり、表情も緩む。もぐもぐと口を動かしていると、扉が開け放たれた。
真由美だ。
「真由美、良かった来てくれましたね」
「そりゃあ、呼ばれたんだしね。それで、今日はどうしたの咲っち?」
中に入ってすぐ、真由美が笑みとともに咲の近くに腰かけた。
事前に昼休みに会えないかと真由美を呼び出していた咲は三つ目のおにぎりを飲み込んでから、くしゃりと顔をゆがめた。
「た、助けてください真由美」
「……え? ど、どうしたの? なんでそんな泣きそうなの!? 誰かに何か酷いことされたの!?」
「違います……で、でででででデートぉ……することになりました」
「ででででデート!? え!? まさか咲が誘ったの!?」
「さ、誘ったといいますか……まあ、似たようなもの、ですね……」
咲はぎゅっと顔を俯けた。デートとして、誘うつもりはなかった。ただ、治が困っているのなら力になってあげたい、そんな一心からの提案だったのだ。
しかし、結果的にはデートという形になったため、咲は昨日の夜ロクに寝付けなかった。
そんな咲の肩を真由美がとんと叩いた。
「ちょっと、詳しい話を聞いてもいい?」
こくりと頷き、昨日のやり取りを話し始めた。
「……昨日、真由美に言われた通りなんとか、メッセージを送ったんです」
「……なるほど、その時に誘ったと?」
「とても略して言いますとそうですね。それで明日の放課後に、島崎さんの服を買いに行くということになりまして」
「なるほど、放課後にお買い物デートってわけだ! 中々無難だね! 咲っちにしてはやるじゃん!」
「……いえ、そこからが問題なんです」
「そこから?」
「はい。島崎さん、あまり服に拘る人ではないそうです。実は私は初め休日に出かけようと提案したのですが、出かけられるような服を持っていないからということで放課後になりまして」
「へー、そうなんだ。それを聞いてちょっと安心したかも」
「え? 安心ですか?」
話の流れに合わない真由美の言葉だった。咲が小首をかしげると、真由美はニヤリと笑う。
「遊び慣れている人だったら咲っちが遊ばれちゃうかもってちょっと心配してたんだよね。けど、それなら大丈夫かな? って」
「……それは別に大丈夫です。私はそんな誰かに遊ばれるような女ではありませんから」
「いや、咲っち抜けてるし、ポンコツだし、平気で騙されそうだし……」
「抜けてはいませんし、ポンコツでもありません」
失礼な言葉を並べる真由美を睨むが、彼女の笑みは消えなかった。
「ほんとだね……ああ、今日も綺麗だ」
「……今日も凛々しいお姿だ」
「ほんと、一緒の学校に通えてよかったなぁ……」
「あぁ……首輪をつけられたい……」
スタスタと背筋をピンと伸ばし、微笑を携えて歩いていく。それは幼い頃からそう教えられてきたからこそだった。
周囲の生徒たちは、そんな咲に見とれていた。
咲は彼らの視線の間を抜けるように、生徒会長の威厳を保ったまま廊下を歩いていく。
視線が集まっていたが、そんなこと気にもせず、握っていたカバンを持ち上げる。
時刻は十二時半、昼休みだった。
生徒会室へとたどり着いた咲は、私室のように使っているその部屋の鍵を開け、中へと入った。
会議のために置かれた長机にカバンを置き、咲はがさがさとビニール袋を取り出した。
そこから購入した10個のおにぎりを取り出し、一つずつ食べ始める。
この時間がまさに至福であり、表情も緩む。もぐもぐと口を動かしていると、扉が開け放たれた。
真由美だ。
「真由美、良かった来てくれましたね」
「そりゃあ、呼ばれたんだしね。それで、今日はどうしたの咲っち?」
中に入ってすぐ、真由美が笑みとともに咲の近くに腰かけた。
事前に昼休みに会えないかと真由美を呼び出していた咲は三つ目のおにぎりを飲み込んでから、くしゃりと顔をゆがめた。
「た、助けてください真由美」
「……え? ど、どうしたの? なんでそんな泣きそうなの!? 誰かに何か酷いことされたの!?」
「違います……で、でででででデートぉ……することになりました」
「ででででデート!? え!? まさか咲が誘ったの!?」
「さ、誘ったといいますか……まあ、似たようなもの、ですね……」
咲はぎゅっと顔を俯けた。デートとして、誘うつもりはなかった。ただ、治が困っているのなら力になってあげたい、そんな一心からの提案だったのだ。
しかし、結果的にはデートという形になったため、咲は昨日の夜ロクに寝付けなかった。
そんな咲の肩を真由美がとんと叩いた。
「ちょっと、詳しい話を聞いてもいい?」
こくりと頷き、昨日のやり取りを話し始めた。
「……昨日、真由美に言われた通りなんとか、メッセージを送ったんです」
「……なるほど、その時に誘ったと?」
「とても略して言いますとそうですね。それで明日の放課後に、島崎さんの服を買いに行くということになりまして」
「なるほど、放課後にお買い物デートってわけだ! 中々無難だね! 咲っちにしてはやるじゃん!」
「……いえ、そこからが問題なんです」
「そこから?」
「はい。島崎さん、あまり服に拘る人ではないそうです。実は私は初め休日に出かけようと提案したのですが、出かけられるような服を持っていないからということで放課後になりまして」
「へー、そうなんだ。それを聞いてちょっと安心したかも」
「え? 安心ですか?」
話の流れに合わない真由美の言葉だった。咲が小首をかしげると、真由美はニヤリと笑う。
「遊び慣れている人だったら咲っちが遊ばれちゃうかもってちょっと心配してたんだよね。けど、それなら大丈夫かな? って」
「……それは別に大丈夫です。私はそんな誰かに遊ばれるような女ではありませんから」
「いや、咲っち抜けてるし、ポンコツだし、平気で騙されそうだし……」
「抜けてはいませんし、ポンコツでもありません」
失礼な言葉を並べる真由美を睨むが、彼女の笑みは消えなかった。
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