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お前ら百合営業じゃなかったのかよ
しおりを挟むいや、うん。確かに何かあれば頼れって言ったわよ。言ったけどさ。
「魔王ちゃん! この人が先生だよ!」
「どうも、はじめまして」
「私たちに常識を教えてくれるんだって!」
「嬉しいです。よろしくお願いします」
目の前には両手を手を繋いで微笑みあっている二人組。
おい、初手で魔王巻き込んでんじゃねぇよ勇者。
私を呼びに来たジークの顔が死にそうになってたぞ。
いや、朝一で王城に呼ばれたから何事かと思ってたら、なんか魔王城の謁見の間に通された訳で。
何事かと思ったらフレアさんが魔王らしき子とイチャイチャしてるのを見せつけられたわ。
昨日の今日で呼び出されたことにも驚いたけど……そもそもなんで魔王に紹介されてんだ私。
フレアさんに常識を教えるって約束はしたけど、魔王は知らんぞ。
ていうかまさか。魔王も同じくらい常識知らずなのか?
「朝早くから申し訳ありません。勇者ちゃんがご迷惑をおかけしました」
あ、頭下げられた。こっちはまともなのか。
いやでも、二人揃うと厄介だって聞いた気がするんだけど。
「勇者ちゃんは世界一可愛いんですけど、たまに暴走するんです」
「世界一可愛いのは魔王ちゃんだよ!」
「勇者ちゃんったら……そういうのは二人の時にね」
「じゃあさっそく部屋に行こうか!」
「……うん。優しくしてね」
「人を呼びつけて置いて良い度胸だなお前ら」
あ、やべ。素で突っ込んじゃったわ。
でも朝っぱらから濃厚な百合を見せ付けられている私の身にもなってほしい。
いや、二人とも美少女だから絵にはなってるんだけどさ。
なるほどね。二人揃うと厄介ってこういう事か。
赤い髪で勝気な感じのフレアさんと、金髪で病的に肌が白い人形みたいな魔王様。
うん。確かにお似合いだとは思うよ。
だが私のいるところで百合百合しはじめるんじゃない。他所でやれ。
「あ、すみません。先生もご一緒にどうですか?」
「魔王ちゃんそれいいね! 楽しそう!」
「おいやめろ、私を巻き込むんじゃない」
だからGLはいらねぇっつってんだろ。
いい加減BL寄越せや。
つーか断られて不思議そうな顔すんな。
なんでこの世界ってこんなに百合が多いんだよ。
「ご遠慮なさらず。三人でのプレイも興味がありますので」
「私にそっちの趣味は無いんで。てかそろそろ名乗っても良いですか?」
「わかりました ですが敬語は不要です。こちらが教えて頂く立場ですので」
「そですか。んじゃ改めて、リリィ・クラフテッドよ」
「アズラエル・ブライアー・デズデモーナです。魔王をやっています」
ようやく自己紹介が終わったな。
なんでたかが挨拶でこんなに疲れなくちゃなんねーのよ。
「魔王ちゃんって呼んであげてね!」
「はい。魔王ちゃんでお願いします」
一瞬で自己紹介の意味消えたなおい。
「あー。んじゃ勇者ちゃんと魔王ちゃんで良い?」
「おっけー! よろしくね先生!」
「……よろしくお願いします」
「はいはい。そんで、今日はいきなりどうしたの? 私を紹介したかっただけ?」
それなら速攻で帰って朝飯食べに行きたいんだけど。
つーか朝飯前に呼ぶとか常識が……いや、ないんだったな、うん。
「あ、えっとね! ずっと疑問だったことがあるんだよ!」
「そうなんです。誰に聞いても解けない謎があるんです」
「謎?」
「はい。大きな謎です」
魔王ちゃんはすっと一歩前に出ると、私の手を両手で握りしめて小首を傾げた。
うわ、可愛いなちくしょう。やっぱこっちの人って顔面偏差値高いわ。
なんだろう。迂闊に触れたら壊れちゃいそうな美しさっていうか、ちょっとライラに近いものを感じる。
いや、魔王ちゃんはどっちかっていうと綺麗ってよりは可愛い感じが強いか。
正に正統派な美少女って感じだな。
「あのですね。聞きたいことというのは」
「あ、うん。なに?」
「勇者ちゃんとたくさん濃厚えっちしてるのに子どもが出来ないのは何故なのでしょうか」
正統派とはなんだったのか。
え、てかあんたら百合営業じゃなかったの?
ナインから聞いた話と違うんだけど。
もしかしてあれか、見せかけのつもりがガチ恋に発展しちゃった感じか。
「愛情ということであれば誰にも負けない自信があるのですが」
「知らん。って言いたいところなんだけど……うーん」
アテナー?
(この場合は魔力相性に問題がありますねー。かなり子どもが出来にくい相性をしています)
魔力相性なんてもんがあるのか。じゃあ無理なの?
(いえいえ、ちゃんと解決策はありますよ。リリィさん限定ですけど)
ほう。嫌な予感しかしないんだけど、一応聞こうか。
(あらゆる物との結合を可能とする『愛』スキルを持つリリィさんの力を使うのです)
はぁ。つまり?
(リリィさん混ぜて3Pしたら解決します)
「大丈夫。魔力相性的に難しいだけで絶対できない訳じゃ無いみたいだから」
「そうなの!?」
「そうなんですか?」
「うん。生命の最高神アテナに聞いたから間違いないよ」
不要な情報は伏せておくが。
なんでこの世界は私にGLさせようとするんだよ。
この世界って言うか八割がアテナの仕業だけど。
(えー。美少女の濃厚3Pえっち見たいのにー。何なら私も混ざりたいのにー)
お前、後でグーパンな。
(すみませんでしたぁ! でもリリィさんとえっちなことはしたいです!)
正直者者め。グーパン二発な。
(本当に申し訳ありませんでした。以降、最大限に善処いたしますので何卒お許しください)
おぉ、反省できたのは偉いな。じゃあデコピンで許してあげる。
……いや、もっと精神的なお仕置きの方が良いんだろうか。
一週間敬語で話すとか、名前を様付けして呼ぶとか。
あ。そだ。
(え、ちょ、なんか酷い事考えてませんか?)
アテナ、今夜は私の入浴覗いてもいいよ。見たらしばらく口きかないけど。
(それは酷すぎませんか!? 何それ見たい! でも見たらお話できなくなる! でも見たい! うわあああ!)
ふはははは。苦しむがよい。
つーかほんと性欲に忠実だなこの駄女神。
「先生、ありがとうございました」
「これからも二人で頑張ってみるね!」
え、いや……そんなキラキラした目で見られても困るんだけど。
こっちはこっちでなんて言うか、うーん。
これはある意味性教育なんだろうか。
「あ、うん。でもそういうのはこっそりやろうね。人に見せるものじゃないから」
「分かりましたー!」
「やはり先生もご一緒にいかがですか? 色々と教えてください」
「いや、私はいいから。二人で頑張って愛を育んでね」
よし、適当に流してさっさと逃げるか。
「では代わりに朝食を御一緒しませんか?」
「あ、いいね! 一緒に食べよう!」
えぇ。正直もう帰りたいんだけど。
でも断る訳にもいかないしなー。
一応勇者と魔王だもんな、この子達。
「うーん。じゃあそうしましょうか。但し、あまりイチャつかないでくださいね」
「分かった!」
「分かりました」
なんか、そういうことになった。
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−−−−−−
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会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
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