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あの皇女のせいで、
リアと話せなくなってからどれくらい経っただろうか。
リアにドレスをあげてからももう何ヶ月か経ってしまった。
リアに何かをあげたい気持ちもあるが、
あの日以来、リアは王宮にも来ていない。
それも、あの女が王宮に居座っているからだ。
リアの親もあの女がいる間はリアに被害が来るのを防ぐためにもとそれらしきことを言って、リアを僕から遠ざける。

それがあながち間違いじゃないから
僕もリアに会いに行けないのだ。
「リアス様が居なければ、こんなことにはならなかったのに」
こんなこと言ったらいけないことだとは分かっている。
それでも、そう思わずにはいられない。

リアが大好きな庭に出てきたはいいが、
リアがいないと思うだけでリアが大好きな庭の奥にある温室には行きたいと思えない。
リアが好きなお花を植えた僕にとっても大好きな温室には
リアと僕の、出会いのきっかけになった花、
すずらんが、年中咲いている。
この花は本当に僕にとって、リアのような花でずっと咲いてて欲しいからといって、庭師にうまく年中咲けるように温度調節をしてもらってる。
この花を見ることすら、今は辛い。
少し前までなら、スズランを見て、リアを思い出していた。
それを糧にしていたが、
こんなにリアに会えないなんて、
スズランを見ても辛くなってしまうだけで、
温室にも足を運ぶ回数がどんどん減っていった。

そろそろ、庭に行くのすら、辛くなってくる
それくらいリアと会っていない。
それでも、
半年もすれば、リアと結婚出来る。
そう思えば、耐えれる。


そう思ってた僕の元に届いたのは隣の帝国からの
「リアス皇女アレクシス王太子殿下婚約届」だった。

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