咲かない桜

御伽 白

文字の大きさ
63 / 352
2章

Part 63 『犯罪を気にする大学生の話』

しおりを挟む
 今のご時世、子供への対応は非常に神経質な問題である。大人が子供に声をかけたら不審者扱いされたなんて話をよく耳にするぐらいだ。

 しかし、例えば、子供が魔女の力を使って不意打ち気味にキスしてきたら俺が悪いのか? いや、悪くない。もし悪いのだとしたら、俺は常にガスマスクをつけて行動しろとでも言うのか・・・

 要するに受動的か能動的かと言う観点を大事にしてほしい。

 むしろ俺は被害者であの魔女から被害を受けただけだって・・・

 そう、あれはキスなんかじゃない。言ってみればただ、唇と唇がぶつかっただけ、キスじゃない。

 「キスなんだよなぁ・・・」

 ため息混じりにつぶやく。なんの解決もしていない。誰かに見られていれば確実に通報案件だ。路地裏でよかった。いや、よくはないけど・・・

 しかも、俺が今から何をしようとしているかを考えれば、余計に心が重い。

 設問1 . 大学生が中学生に会うために中学生の家を訪ねるのは周囲からどう思われるでしょうか?

 答えは、冷たい視線とロリコン疑惑の浮上だろう。

 いや、下心なんかないんだからさっさと会って確かめて仕舞えばいいんだ。むしろ、こうして、家の前でうんうん唸っている方が通報されかねない。

 でも、お母さんとか出て来たらどうしよう。なんて説明するんだよ・・・

 そんな事を考えると正直、どうやっても家を訪ねれる気がしなかった。

 そんな時、奇跡が起こった。ガチャリと扉が開いて「お兄さん?」と確かめるような小さな声が聞こえた。

 「あ、ユキ・・・元気?」

 こう言うところで適切な会話の入りというのは非常に難しいと思った。なんとなく、家の前をうろうろしていた気まずさもあって違和感しかない反応をしてしまった。

 「はい。元気です。外からお兄さんが見えたので・・・」

 「ああ、そうなんだ。」

 「どうしたんですか? 遊びにきてくれたんですか?」

 「ああ、うん。そんな感じ・・・」

 そういうとユキは、少し嬉しそうに「ちょっと待っててください!」とそういうと家の中に入っていった。なんというか、少し罪悪感を覚える。

 なんというか、確認のために会いにきたって感じだし・・・。ああやって、素直に喜んでくれると対応に困るというか・・・

 しばらく待っているとドアを開けてユキが出てきた。

 「今は親いないので自由にくつろいでください。」と俺を家に招こうとする。

 いや、完全にまずいでしょ。親の不在中に大学生が中学生の家に入るの、完全に事件だよ・・・

 俺は、少し困惑しながら「いや、あの・・・ごめん。外で遊ばない?」と言うのが精一杯だった。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

【完結】年収三百万円台のアラサー社畜と総資産三億円以上の仮想通貨「億り人」JKが湾岸タワーマンションで同棲したら

瀬々良木 清
ライト文芸
主人公・宮本剛は、都内で働くごく普通の営業系サラリーマン。いわゆる社畜。  タワーマンションの聖地・豊洲にあるオフィスへ通勤しながらも、自分の給料では絶対に買えない高級マンションたちを見上げながら、夢のない毎日を送っていた。  しかしある日、会社の近所で苦しそうにうずくまる女子高生・常磐理瀬と出会う。理瀬は女子高生ながら仮想通貨への投資で『億り人』となった天才少女だった。  剛の何百倍もの資産を持ち、しかし心はまだ未完成な女子高生である理瀬と、日に日に心が枯れてゆくと感じるアラサー社畜剛が織りなす、ちぐはぐなラブコメディ。

視える僕らのシェアハウス

橘しづき
ホラー
 安藤花音は、ごく普通のOLだった。だが25歳の誕生日を境に、急におかしなものが見え始める。    電車に飛び込んでバラバラになる男性、やせ細った子供の姿、どれもこの世のものではない者たち。家の中にまで入ってくるそれらに、花音は仕事にも行けず追い詰められていた。    ある日、駅のホームで電車を待っていると、霊に引き込まれそうになってしまう。そこを、見知らぬ男性が間一髪で救ってくれる。彼は花音の話を聞いて名刺を一枚手渡す。 『月乃庭 管理人 竜崎奏多』      不思議なルームシェアが、始まる。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

ヤクザに医官はおりません

ユーリ(佐伯瑠璃)
ライト文芸
彼は私の知らない組織の人間でした 会社の飲み会の隣の席のグループが怪しい。 シャバだの、残弾なしだの、会話が物騒すぎる。刈り上げ、角刈り、丸刈り、眉毛シャキーン。 無駄にムキムキした体に、堅い言葉遣い。 反社会組織の集まりか! ヤ◯ザに見初められたら逃げられない? 勘違いから始まる異文化交流のお話です。 ※もちろんフィクションです。 小説家になろう、カクヨムに投稿しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。 カレンと晴人はその後、どうなる?

処理中です...