咲かない桜

御伽 白

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2章

Part 72 『一難去ってまた一難』

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 色々なことがいっぺんに起きたせいで疲労がたまっていたのだろう。家に帰るなり、自分の部屋に戻って眠ってしまっていたようだった。

 「お久しゅう。日向はん、ええ夢見れました? いや、ええ夢見てはなさそうやなぁ。」

 目を覚ますとベッドの横にクロがちょこんと座っていた。いつからいたのだろうか。

 「クロか・・・」

 「なんや夢みてたみたいやけど、怖い夢でも見たんですかい?」

 「夢・・・」

 夢を見ていた。一人の妖怪と一人の人間の思い出のような暖かい夢であったが、最期は締め付けられるような寂しさのある夢

 そして、おそらく、あれは醜穢の記憶だ。

 「醜穢の夢を見た。でも、なんで・・・」

 「醜穢の夢・・・確か、日向はんは、醜穢の最期の瞬間に立ち会ったんやったなぁ、魔力に当てられたんかもしれんなぁ・・・」

 「魔力に当てられるってどういう事だ?」

 「日向はんも知っての通り魔力は思い出の塊や。醜穢は自分自身の溜め込んだ魔力を放出し続ける化物やさかい、死に間際の魔力を通じて記憶を見たんやないかな思ったんですわ。」

 「なるほど・・・あ、ていうか、もう醜穢が倒された話は、クロ達の間に広まってるのか?」

 「もうとっくに周知の事実ですわ。まさか、鬼女が処理してくれるとは思っとりませんでしたわ。それでどんな夢やったんです?」

 流石に情報が早い。という事はすでにクロ達の仲間や他の妖怪達は街に戻ったと考えてもいいのだろう。

 俺は、クロにさっき見た夢の話をする。クロは俺の話を聞きながら「なるほど・・・」と何かに納得したような反応をする。

 「何か知っているのか?」

 「いやいや、個人的な疑問やったんですわ。なんで、あの妖怪は、大量の魔力を残したまんま死んだんかと、人間に深く入れ込んでたんやなぁ・・・」

 「うん、思い返して見たら、醜穢の事が見える存在に対しては結構過剰に反応してた気がするし・・・」

 人間の体に体を変えようとしていたのもそんな潜在的な意識が働いてのことだったのかもしれない。

 死んでもなお寂しいなんてとても救われない。

 醜穢は、多くの存在に迷惑をかけたけれど、醜穢の事を責められるだろうか。大切な記憶を手放したくないと思うことは、当然の考えだ。

 「そうや。危うく本題を忘れるところやったわ。調べてた情報を伝えに来たんですわ。」

 クロは思い出したようにそういった。確か魔女についての情報を調べるように依頼をしておいたのだ。

 「仲間が見つけて跡をつけとります。そんで、今さっき入った情報やねんけど・・・」

 クロは淡々とした様子で俺に情報の報告をする。

 「魔女と日向はんのお友達の金髪の女の子が接触したらしいで」
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