118 / 352
3章
Part 118『そして、異世界へ』
しおりを挟む
俺とサクヤは夜に合流してリューのいる店へと来ていた。リューはもう完全に覚醒しているようで、「よく来たね。待ってたよ。」と俺達を出迎えた。
店の中には、真冬さんとツララ、リドの姿、そして、姿形のそっくりな俺がそこにはあった。
「は?」と思わず声が出る。というか、出ない訳がなかった。
まるで鏡を見ているようにそっくりな自分の姿である。なんというか気味が悪い。
「ふふん、驚いたようだね。そう、これが僕の魔法具の1つ、『ドッペルゲンガー』だよ。効果はシンプルで人形に対象の関わりのあるものを入れて人柄を設定する事で自律行動する。 とある秘境に眠っていたスーパーアイテムだよ。」
リューは俺の反応に満足したのか自慢げに胸を張る。つまりは、俺の異世界でいない間の対策はつまりは、これの事らしい。
「ツララ・・・アイシテル・・・」
「明らかに俺じゃないぞ、こいつ!?」
片言で呟くドッペルゲンガーは明らかに俺の言動とは違う。俺は、リューを軽く睨むと不思議そうな表情を浮かべるリューは「ふむ、ツララに性格はインプットをお願いしていたはずなんだけどね。」と答えた。
ツララの方は「あれ? お兄ちゃん、こんな感じじゃなかった?」と笑って誤魔化していた。
「どこに俺、要素があるんだ? 言わないよ。ツララ、アイシテルとか!」
「えー! 冷たい!」
「とにかく! 直しといてくれよ?」
「えー、せっかく、超理想お兄ちゃんを作ったのにー」
「直しておけよ?」
俺が念を押すと流石に納得したようで「ちぇー、分かったよ。」と不満げではあったが頷いた。
「サクヤの方の対策も万全だ。サクヤが1日以上、桜の木から離れられない。これは、精霊の加護がない植物は、基本的に朽ちてしまうからだ。なのでこちらも簡易の精霊を用意しておいた。」
そう言ってリューは右腕を前に出して手を広げる。するとそこから小さな光が現れた。
「サクヤから少しだけ魔力をもらって作り出したんだ。ああ、勿論、大した量じゃないから安心していい。意思もないただの維持装置の役割しかないものだけど、こちらはこれで十分のはずだ。」
「魔女ってとんでもないのな。精霊を自分で作り出すなんて・・・」
「あくまで、機能を模しただけの代物だよ。僕ぐらいになれば、このぐらいは大した手間じゃない。というわけで、これで心置きなく君達も異世界へ行けるって訳さ。後、真冬、君に渡したその刀、大事にしておくれよ。」
そう言ってリューは真冬さんに声をかける。よく見ると真冬さんの手元には、ウチガネさんの最期に打った日本刀『真冬』が握られていた。
どうやら、真冬さんに護衛をお願いすることを考えて日本刀を渡しているのだろう。という事は、真冬さんは、日本刀が扱えるのだろうか。
「私が、好きな人の生涯最高の一振りをぞんざいに扱うと思いますか?」
「いや、一応だよ。一応、おっかない女だよ。君は・・・」
リューは少し冷たい声を放つ真冬に対して呆れたような表情を浮かべる。
「とりあえず、君達には、この人形を渡しておくよ。僕のお手製だ。無くさないでおくれよ。」
そう言ってリューは、俺達、3人にリューの姿を模した人形を渡してくる。
「それは、異世界での帰りの切符だよ。強く握れば、どこにいてもこの店に転移出来る。1回限りのアイテムだからね。あと、峰はこれを持って行って、地図とかその他諸々ね。」
「分かった。」
俺は小さな巾着袋を受け取る。受け取って見ると想像以上の重さを感じる。他にも色々と入れてくれているらしい。
「じゃあ、送るからね。気をつけて盗んできておくれ! こっちでの処理は全て済ませておくからさ!」
そういうと俺達の足元に魔法陣が出現する。そして、次の瞬間、床が抜けた。
「なっ!?」
突然、足場を失った俺は重力に吸い込まれる様に下へと落ちていく。
リューが思い出した様に「あ、地面抜けるから気をつけて」と俺に向かってそう言った。
「遅いんだよおおおおおおお!」
落下しながら俺は誓った。必ず、報いを受けさせてやると・・・
店の中には、真冬さんとツララ、リドの姿、そして、姿形のそっくりな俺がそこにはあった。
「は?」と思わず声が出る。というか、出ない訳がなかった。
まるで鏡を見ているようにそっくりな自分の姿である。なんというか気味が悪い。
「ふふん、驚いたようだね。そう、これが僕の魔法具の1つ、『ドッペルゲンガー』だよ。効果はシンプルで人形に対象の関わりのあるものを入れて人柄を設定する事で自律行動する。 とある秘境に眠っていたスーパーアイテムだよ。」
リューは俺の反応に満足したのか自慢げに胸を張る。つまりは、俺の異世界でいない間の対策はつまりは、これの事らしい。
「ツララ・・・アイシテル・・・」
「明らかに俺じゃないぞ、こいつ!?」
片言で呟くドッペルゲンガーは明らかに俺の言動とは違う。俺は、リューを軽く睨むと不思議そうな表情を浮かべるリューは「ふむ、ツララに性格はインプットをお願いしていたはずなんだけどね。」と答えた。
ツララの方は「あれ? お兄ちゃん、こんな感じじゃなかった?」と笑って誤魔化していた。
「どこに俺、要素があるんだ? 言わないよ。ツララ、アイシテルとか!」
「えー! 冷たい!」
「とにかく! 直しといてくれよ?」
「えー、せっかく、超理想お兄ちゃんを作ったのにー」
「直しておけよ?」
俺が念を押すと流石に納得したようで「ちぇー、分かったよ。」と不満げではあったが頷いた。
「サクヤの方の対策も万全だ。サクヤが1日以上、桜の木から離れられない。これは、精霊の加護がない植物は、基本的に朽ちてしまうからだ。なのでこちらも簡易の精霊を用意しておいた。」
そう言ってリューは右腕を前に出して手を広げる。するとそこから小さな光が現れた。
「サクヤから少しだけ魔力をもらって作り出したんだ。ああ、勿論、大した量じゃないから安心していい。意思もないただの維持装置の役割しかないものだけど、こちらはこれで十分のはずだ。」
「魔女ってとんでもないのな。精霊を自分で作り出すなんて・・・」
「あくまで、機能を模しただけの代物だよ。僕ぐらいになれば、このぐらいは大した手間じゃない。というわけで、これで心置きなく君達も異世界へ行けるって訳さ。後、真冬、君に渡したその刀、大事にしておくれよ。」
そう言ってリューは真冬さんに声をかける。よく見ると真冬さんの手元には、ウチガネさんの最期に打った日本刀『真冬』が握られていた。
どうやら、真冬さんに護衛をお願いすることを考えて日本刀を渡しているのだろう。という事は、真冬さんは、日本刀が扱えるのだろうか。
「私が、好きな人の生涯最高の一振りをぞんざいに扱うと思いますか?」
「いや、一応だよ。一応、おっかない女だよ。君は・・・」
リューは少し冷たい声を放つ真冬に対して呆れたような表情を浮かべる。
「とりあえず、君達には、この人形を渡しておくよ。僕のお手製だ。無くさないでおくれよ。」
そう言ってリューは、俺達、3人にリューの姿を模した人形を渡してくる。
「それは、異世界での帰りの切符だよ。強く握れば、どこにいてもこの店に転移出来る。1回限りのアイテムだからね。あと、峰はこれを持って行って、地図とかその他諸々ね。」
「分かった。」
俺は小さな巾着袋を受け取る。受け取って見ると想像以上の重さを感じる。他にも色々と入れてくれているらしい。
「じゃあ、送るからね。気をつけて盗んできておくれ! こっちでの処理は全て済ませておくからさ!」
そういうと俺達の足元に魔法陣が出現する。そして、次の瞬間、床が抜けた。
「なっ!?」
突然、足場を失った俺は重力に吸い込まれる様に下へと落ちていく。
リューが思い出した様に「あ、地面抜けるから気をつけて」と俺に向かってそう言った。
「遅いんだよおおおおおおお!」
落下しながら俺は誓った。必ず、報いを受けさせてやると・・・
0
あなたにおすすめの小説
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
【完結】年収三百万円台のアラサー社畜と総資産三億円以上の仮想通貨「億り人」JKが湾岸タワーマンションで同棲したら
瀬々良木 清
ライト文芸
主人公・宮本剛は、都内で働くごく普通の営業系サラリーマン。いわゆる社畜。
タワーマンションの聖地・豊洲にあるオフィスへ通勤しながらも、自分の給料では絶対に買えない高級マンションたちを見上げながら、夢のない毎日を送っていた。
しかしある日、会社の近所で苦しそうにうずくまる女子高生・常磐理瀬と出会う。理瀬は女子高生ながら仮想通貨への投資で『億り人』となった天才少女だった。
剛の何百倍もの資産を持ち、しかし心はまだ未完成な女子高生である理瀬と、日に日に心が枯れてゆくと感じるアラサー社畜剛が織りなす、ちぐはぐなラブコメディ。
視える僕らのシェアハウス
橘しづき
ホラー
安藤花音は、ごく普通のOLだった。だが25歳の誕生日を境に、急におかしなものが見え始める。
電車に飛び込んでバラバラになる男性、やせ細った子供の姿、どれもこの世のものではない者たち。家の中にまで入ってくるそれらに、花音は仕事にも行けず追い詰められていた。
ある日、駅のホームで電車を待っていると、霊に引き込まれそうになってしまう。そこを、見知らぬ男性が間一髪で救ってくれる。彼は花音の話を聞いて名刺を一枚手渡す。
『月乃庭 管理人 竜崎奏多』
不思議なルームシェアが、始まる。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ヤクザに医官はおりません
ユーリ(佐伯瑠璃)
ライト文芸
彼は私の知らない組織の人間でした
会社の飲み会の隣の席のグループが怪しい。
シャバだの、残弾なしだの、会話が物騒すぎる。刈り上げ、角刈り、丸刈り、眉毛シャキーン。
無駄にムキムキした体に、堅い言葉遣い。
反社会組織の集まりか!
ヤ◯ザに見初められたら逃げられない?
勘違いから始まる異文化交流のお話です。
※もちろんフィクションです。
小説家になろう、カクヨムに投稿しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる