咲かない桜

御伽 白

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3章

Part 180 『拉致』

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 突然の事だった。俺が隠れて鬼達の戦いを眺めていると別方向から妖怪が現れた。その妖怪は蛇に似ていて、まるで俺の姿が見えているようだった。

 自分の体を確認しても明らかに透明になっている。そこで気づいた。蛇には、熱を見るピット器官というものがあるらしい。つまるところ、姿は見えなくとも存在は知覚できるのだ。

 そして、俺は声を上げる間もなく蛇の妖怪に捕まり頭から噛み付かれた。牙の刺さるような鋭い痛みが走るが、死にそうなほどではない。このまま、丸呑みされてしまうのではないかという恐怖が訪れるよりも早く意識が朦朧としてきて気を失ってしまった。

 そして、気がつけば俺はどこかの牢屋に入れられていた。鉄製の格子は、人間では明らかに破壊する事は出来ない。手には手錠ではなく、紙で作られた輪が俺の両手首を包んでいた。

 しかし、破ろうと思うのだがどうしてか破る事ができない。とても硬いとかそういう訳ではないのだが、その紙を破る事が俺には出来なかった。

 「つまり、俺は拉致されてここに閉じ込められてるって事だよな。」

 噛まれた首の付け根が少しヒリヒリとする。もしかしたら、何かしらの毒で眠らされていたのかもしれない。

 鉄格子の奥をのぞいて見ると他にもいくつか鉄格子のつけられた部屋はあるが、そのどれも空で自分のいる場所に誰もいないのだと分かった。

 部屋の端には、木でできた扉があり奥へと通じているようだ。

 こういう場所には看守の様なものがいるものだと思っていたがどうやら、そういう人物も不在である。

 「・・・・・・戦力にならないどころか足手まといでしかなかったな。」

 自分の境遇を再認識してため息をこぼす。今ぐらい独り言を言ってもいいだろう。

 思考を巡らせて現状を打開する方法を思案する。自分の力ではこの場所からの脱出は無理だ。

 つまり、俺がするべき事は助けが来るまで生き延びる事だ。

 幸運な事に荷物の類は盗まれていない。最悪の場合は、リューからもらった緊急脱出装置を使うしかないだろうが、まだ使うのは早いと思う。

 殺されそうなら使う事にためらう必要はないが、こうして生かされているのだ。何かしらの理由があるはずあだ。

 おそらく、あの蛇の妖怪と襲撃してきた奴らは仲間のはずだ。タイミングよくあの場に妖怪が通りがかるわけがない。そして、わざわざ、鬼と敵対して俺を拉致するという事は、俺にそれだけの価値が何故かあるという事だ。

 「俺に出来る事をしよう。」

 力がないなら考えるしかない。自分の目的を達成させる最善の策を
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