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3章
Part 181『協力』
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自分自身が何故、拉致されたのか。それに関しては、考えてもよく分からなかった。最初は、人間が珍しいから売り飛ばされるのかもしれないと思ったが、この世界で人間自体は、存在しない訳ではない。
この辺りを統治する鬼島を相手にするのはどう考えてもデメリットの方が大きい。
結局の所、情報がなさすぎるのだ。拉致した奴らは、餓狼衆の構成員である事はほぼ間違いない。餓狼衆は、義賊の様な存在であるらしい。殺しも平気で行う奴らの良心を信じるのは馬鹿馬鹿しいが、それでも、そう名乗るからにはそれだけの行動をしているはずだ。
つまるところ、彼らなりの正義の形があってそれに沿って行動している。
ハチの働く店の店主を殺したのも彼が悪人だったからだ。
彼らのルールがあるのであれば、それを利用して生き延びる事も出来るはずだ。
そんな事を考えていると、部屋の奥にある扉が開いた。
そこから、現れたのは、見たことのある妖怪だった。
「よぉ、無理矢理連れてきて悪いな。」
「あんたは、襲撃してきた・・・・・・」
そこにいたのは、狼の顔をした妖怪だった。確か鬼島を襲撃した時のメンバーの一人だったはずだ。
「そう睨むなよ。別にとって喰ったりしねぇよ。俺は、グルメなんでな。」
「俺を拉致してどうするつもりなんだ。」
「まあ、気になるよなぁ。なんで自分がここに連れてこられたのか。俺達はただ協力して欲しいだけだ。お前が協力的なら、この檻から出してやっても良い。無理矢理に相手を従わせるのは、実は好きじゃないんだ。」
どうするべきだろうか。俺は思案する。相手の言葉を信じるのなら、ここはいう事をきいておいた方が身のためだ。
けれど、悪事に加担するのは、絶対にダメだ。そうなってしまえば、俺も鬼島の敵になってしまう。
「素直に降伏するべきだ。鬼島を完全に敵に回したんだ。平穏無事でいられる訳がない。」
「知ってるよ。だが、それでもお前を手に入れる必要があった。交渉は得意じゃないんだ。俺が知りたいのは、お前に協力する意思があるのか、どうなのかだ。だが、この質問に対しては結果は変わらない。結果的にお前がなんと言ったところで俺はお前に無理矢理にでも協力させる。そういう状況だ。分かるか?」
「・・・・・・悪事の加担なんて俺はやらない。」
「俺達が悪だというか。まあ、今更、正義の味方なんて気取るつもりはないが・・・・・・」
「魔女を殺しただろう。」
「ああ。殺した。けれど、それがなんだ? あいつは、直接手をつけないだけで間接的に見れば大量殺人犯だ。争いの中に武器を流して激しくし、病人には、一時的に治す薬を売る。根っからの外道だ。魔女の中でも自己利益の事しか頭にない奴だ。殺されて喜ぶ奴はいても、殺されて泣く奴はいない。」
「・・・・・・」
「正しいだけで本当に助けたい奴を救えない正義なんて、純粋な悪よりもタチが悪い。」
常に議論されている事だ。どこの世界であっても、変わらないのだと思った。
悪人を殺していいのか。
答えのない問題である。優等生ならば、悪人でも殺すべきではないという人もいるだろう。けれど、俺は、そうとは思えない。
人を殺して捕まってもまた、殺人をするような人がいる。
それは、当人の価値観の中に人を殺すという選択肢が出てきてしまうようになったという事だ。
普通の人間であれば、恨みや憎しみがあったとしても殺害という行動を実際に取る選択肢はない。
けれど、一度でも意図的に殺人をしてしまった人は違う。そう言ったストレスの対処方法の中に相手を殺す選択肢を平然と入れてしまう。
更生しないとは言わない。けれど、犯罪を繰り返す人間は必ず存在する。
それ被害を受けるのは、犯罪者ではない。なんの罪もない一般人だ。
「安心しろ。あんたにやってもらうのは、命を奪うものじゃない。むしろ、命を救う仕事だ。」
妖怪はそう言った。はっきりと。その瞳は、俺には嘘をついているようには見えなかった。
正しいか正しくないかなんてのは、分からない。
だけど、誰かの命を助ける事は、間違いなくいい事だ。
「・・・・・・その言葉、本当だな?」
俺がそう言うと狼の妖怪は、大きな口を開けて笑って鉄格子を開けた。
「よろしくな。俺は、エンジだ。仲良くしようぜ」
そう言って俺に手を差し伸べた。
この辺りを統治する鬼島を相手にするのはどう考えてもデメリットの方が大きい。
結局の所、情報がなさすぎるのだ。拉致した奴らは、餓狼衆の構成員である事はほぼ間違いない。餓狼衆は、義賊の様な存在であるらしい。殺しも平気で行う奴らの良心を信じるのは馬鹿馬鹿しいが、それでも、そう名乗るからにはそれだけの行動をしているはずだ。
つまるところ、彼らなりの正義の形があってそれに沿って行動している。
ハチの働く店の店主を殺したのも彼が悪人だったからだ。
彼らのルールがあるのであれば、それを利用して生き延びる事も出来るはずだ。
そんな事を考えていると、部屋の奥にある扉が開いた。
そこから、現れたのは、見たことのある妖怪だった。
「よぉ、無理矢理連れてきて悪いな。」
「あんたは、襲撃してきた・・・・・・」
そこにいたのは、狼の顔をした妖怪だった。確か鬼島を襲撃した時のメンバーの一人だったはずだ。
「そう睨むなよ。別にとって喰ったりしねぇよ。俺は、グルメなんでな。」
「俺を拉致してどうするつもりなんだ。」
「まあ、気になるよなぁ。なんで自分がここに連れてこられたのか。俺達はただ協力して欲しいだけだ。お前が協力的なら、この檻から出してやっても良い。無理矢理に相手を従わせるのは、実は好きじゃないんだ。」
どうするべきだろうか。俺は思案する。相手の言葉を信じるのなら、ここはいう事をきいておいた方が身のためだ。
けれど、悪事に加担するのは、絶対にダメだ。そうなってしまえば、俺も鬼島の敵になってしまう。
「素直に降伏するべきだ。鬼島を完全に敵に回したんだ。平穏無事でいられる訳がない。」
「知ってるよ。だが、それでもお前を手に入れる必要があった。交渉は得意じゃないんだ。俺が知りたいのは、お前に協力する意思があるのか、どうなのかだ。だが、この質問に対しては結果は変わらない。結果的にお前がなんと言ったところで俺はお前に無理矢理にでも協力させる。そういう状況だ。分かるか?」
「・・・・・・悪事の加担なんて俺はやらない。」
「俺達が悪だというか。まあ、今更、正義の味方なんて気取るつもりはないが・・・・・・」
「魔女を殺しただろう。」
「ああ。殺した。けれど、それがなんだ? あいつは、直接手をつけないだけで間接的に見れば大量殺人犯だ。争いの中に武器を流して激しくし、病人には、一時的に治す薬を売る。根っからの外道だ。魔女の中でも自己利益の事しか頭にない奴だ。殺されて喜ぶ奴はいても、殺されて泣く奴はいない。」
「・・・・・・」
「正しいだけで本当に助けたい奴を救えない正義なんて、純粋な悪よりもタチが悪い。」
常に議論されている事だ。どこの世界であっても、変わらないのだと思った。
悪人を殺していいのか。
答えのない問題である。優等生ならば、悪人でも殺すべきではないという人もいるだろう。けれど、俺は、そうとは思えない。
人を殺して捕まってもまた、殺人をするような人がいる。
それは、当人の価値観の中に人を殺すという選択肢が出てきてしまうようになったという事だ。
普通の人間であれば、恨みや憎しみがあったとしても殺害という行動を実際に取る選択肢はない。
けれど、一度でも意図的に殺人をしてしまった人は違う。そう言ったストレスの対処方法の中に相手を殺す選択肢を平然と入れてしまう。
更生しないとは言わない。けれど、犯罪を繰り返す人間は必ず存在する。
それ被害を受けるのは、犯罪者ではない。なんの罪もない一般人だ。
「安心しろ。あんたにやってもらうのは、命を奪うものじゃない。むしろ、命を救う仕事だ。」
妖怪はそう言った。はっきりと。その瞳は、俺には嘘をついているようには見えなかった。
正しいか正しくないかなんてのは、分からない。
だけど、誰かの命を助ける事は、間違いなくいい事だ。
「・・・・・・その言葉、本当だな?」
俺がそう言うと狼の妖怪は、大きな口を開けて笑って鉄格子を開けた。
「よろしくな。俺は、エンジだ。仲良くしようぜ」
そう言って俺に手を差し伸べた。
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