咲かない桜

御伽 白

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3章

Part 229『依頼達成』

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 その翌日、俺達は、帰ることになった。いくら代わりを置いているからといってそう長く滞在していいものなのか分からないし、目的のものが全て回収できた以上は、できるだけ早く帰るべきだろうというのが、俺たちの考えだった。

 一応、朝起きて、レンジに顔を出しに行くと、水仙やアジトに住んでいた妖怪達も、狐月と合流したようで子供達も狐月の用意した住まいにわらわらと集まっていた。

 まだまだ、どうなるか分からないが、妖怪達のほとんどは、サツキの死を受け入れている様であったので、レンジ達が上手くやるだろうと思う。

 結局、ハチは鬼島の捜索をかいくぐってどこかへ逃亡したらしい。

 実際、魔法具を大量に所持しているハチが本気で逃げれば、捕まえることは容易ではないので、スッキリはしないが、仕方のないことなのだろう。

 「さぁ、帰りましょうか。」

 真冬さんは、俺達に最後の確認をする。その手には、きちんと妖刀 真冬も握られている。

 俺達はリューから渡された人形を取り出す。人形を強く握りしめると周囲にいくつもの魔法陣が浮かび上がる。

 その魔法陣は、青、赤、紫、と一定の間隔で色を変えながら俺達の周囲を回り始める。

 次第に魔法陣は、魔法陣と認識できなくなり、最後には太く大きな光の輪になって俺達を囲んだ。

 「峰さん! サクヤさん、また来てください! ゲームしましょうね!」

 「ああ! また会おうな!」

 粉雪に別れを告げた瞬間、俺たちの視界は、大きな光に包まれた。眩しさで目を開けていられなくなり強く瞳を閉じる。

 「あ、帰ってきた。」

 しばらく、目絵を閉じているとツララの声が聞こえて、目を開けると俺達は、店に到着していた。

 店のカウンターで暇そうに紅茶を飲んでいたツララは、「お帰り、お兄さん達、全員無事でよかった。」と俺達を出迎えてくれる。

 窓の外を見て見るともう辺りは暗くなっている。リューの活動時間のはずなのだが、一向にリューやリドが現れる気配がない。

 「ああ、リューとリドはね。今、この街にいないから、今回のお出迎えは私だけ」

 「そうなのか。」

 「うん。ほら、リューの言ってた用事がまだ終わってないみたいだから」

 「そういえば、鏡を探しにいきたいけど、別の依頼があるって言ってたな。」

 リューならすぐに終わらせられると思っていたので意外ではあった。

 「とりあえず、おかえり、お兄さん」

 「ああ、ただいま。」

 俺達は、こうして無事に帰ってきた。全ての依頼が終わってサクヤの夢はもうすぐ叶うのだ。

 あのずっと咲かなかった桜が咲いたらどれだけ綺麗になるのだろう。

 俺はかなりその事が楽しみで仕方がなかった。
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