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4章
Part 315『敗走する異形』
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清浄石を取りに家の中に入るとその瞬間、異様な空気を感じた。
そこだけがまるで異界に変わってしまったような空間だった。
特に何がどうと言うわけではない。ただ、篝さんが作業をしているだけだ。
今までの篝さんも張り詰めた糸のような緊張感を持っていた。しかし、今回はその次元が違った。
異界と見紛うほどに清廉な雰囲気のこの空間は踏み入るのすら抵抗がある。
神憑り的な雰囲気を放つ篝さんは、明らかに別人だった。
その手の動きは細かく自分では理解できないほどの速さで作品を作り上げていく。
今までよりも明らかに速い。しかも、作業の緻密さは少し石細工を果実ている俺ですら何が起こっているのかわからない。
まるで手品でも見ている様に作品は毎秒ごとに姿を大きく変えていく。
その姿に目を奪われていると大きく百足の鳴き声が聞こえて我に返った。
完成を見届けたい激しい欲求は確かにあった。しかし、乱丸を助けるのが最重要事項だ。
俺は出来るだけ物音を立てない様にゆっくりと清浄石を回収する。
清浄石は少ないが全くないわけではない。清浄石は消耗品ではない。
ここで使ったからと言って使えなくわけではない。
そもそも、被害出れば作品作り自体が出来なくなってしまう。
俺が駆けつけた時には、森はいくつも線が引かれ、息を切らした乱丸がそこに立っていた。
しかし、致命傷を受けてはいないが、乱丸の体力の消耗は激しい様子だった。
「乱丸! これを使ってくれ!」
そう言って俺は乱丸に清浄石を投げ渡した。
「逃げたと思ったら、そういうことか・・・・・・気がきくじゃねえか・・・・・・」
乱丸は清浄石を握ると笑みを浮かべた。
百足は変わらず乱丸を複数の瞳で捉え、いくつも重なり合った鋭い牙を向けていた。
しかし、乱丸の余裕の表情は変わらなかった。
百足は大きく吠えながら乱丸に再び光線を放った。しかし、その光線は乱丸に届くことなく清浄石に当たると霧散した。
清浄石の効果は絶大だった。百足は何度も光線を放ち続けるがその全てを乱丸は避けることなく消滅させていく。
いくら知能の低い百足でもこれだけ繰り返し魔法が消滅させられれば無駄だと気づく様で魔法を打つことをやめた。
攻撃も通じない。唯一攻撃として効いていた光線すらも無効化された。武器を失った獣が取る行動は一つだった。
脅威からの逃走だ。
百足は、乱丸から背を向けて一目散に走り出した。
「いや、おい。そっちは・・・・・・」
乱丸は慌てた様子で百足を追いかけた。百足の進行方向には、篝さんの家があったからだ。
乱丸は百足を止めようと攻撃を仕掛ける。しかし、痛みも鈍くなり、生存本能に支配された百足は、乱丸の攻撃を受けても止まることはない。まっすぐに突き進むとそのまま、篝さんの家に突っ込んだ。
家は大きな音を立てて百足に破壊された。
「篝さん!」
そこだけがまるで異界に変わってしまったような空間だった。
特に何がどうと言うわけではない。ただ、篝さんが作業をしているだけだ。
今までの篝さんも張り詰めた糸のような緊張感を持っていた。しかし、今回はその次元が違った。
異界と見紛うほどに清廉な雰囲気のこの空間は踏み入るのすら抵抗がある。
神憑り的な雰囲気を放つ篝さんは、明らかに別人だった。
その手の動きは細かく自分では理解できないほどの速さで作品を作り上げていく。
今までよりも明らかに速い。しかも、作業の緻密さは少し石細工を果実ている俺ですら何が起こっているのかわからない。
まるで手品でも見ている様に作品は毎秒ごとに姿を大きく変えていく。
その姿に目を奪われていると大きく百足の鳴き声が聞こえて我に返った。
完成を見届けたい激しい欲求は確かにあった。しかし、乱丸を助けるのが最重要事項だ。
俺は出来るだけ物音を立てない様にゆっくりと清浄石を回収する。
清浄石は少ないが全くないわけではない。清浄石は消耗品ではない。
ここで使ったからと言って使えなくわけではない。
そもそも、被害出れば作品作り自体が出来なくなってしまう。
俺が駆けつけた時には、森はいくつも線が引かれ、息を切らした乱丸がそこに立っていた。
しかし、致命傷を受けてはいないが、乱丸の体力の消耗は激しい様子だった。
「乱丸! これを使ってくれ!」
そう言って俺は乱丸に清浄石を投げ渡した。
「逃げたと思ったら、そういうことか・・・・・・気がきくじゃねえか・・・・・・」
乱丸は清浄石を握ると笑みを浮かべた。
百足は変わらず乱丸を複数の瞳で捉え、いくつも重なり合った鋭い牙を向けていた。
しかし、乱丸の余裕の表情は変わらなかった。
百足は大きく吠えながら乱丸に再び光線を放った。しかし、その光線は乱丸に届くことなく清浄石に当たると霧散した。
清浄石の効果は絶大だった。百足は何度も光線を放ち続けるがその全てを乱丸は避けることなく消滅させていく。
いくら知能の低い百足でもこれだけ繰り返し魔法が消滅させられれば無駄だと気づく様で魔法を打つことをやめた。
攻撃も通じない。唯一攻撃として効いていた光線すらも無効化された。武器を失った獣が取る行動は一つだった。
脅威からの逃走だ。
百足は、乱丸から背を向けて一目散に走り出した。
「いや、おい。そっちは・・・・・・」
乱丸は慌てた様子で百足を追いかけた。百足の進行方向には、篝さんの家があったからだ。
乱丸は百足を止めようと攻撃を仕掛ける。しかし、痛みも鈍くなり、生存本能に支配された百足は、乱丸の攻撃を受けても止まることはない。まっすぐに突き進むとそのまま、篝さんの家に突っ込んだ。
家は大きな音を立てて百足に破壊された。
「篝さん!」
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