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4章
Part 314『失念』
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「十分・・・・・・本当に信じていいんだろうな・・・・・・おやっさん」
そう呟きつつも乱丸は、自身の指を少しだけ小刀で切りつける。そして、その血で体に文字を綴った。
「残業はしねぇぞ・・・・・・だから、十分は絶対に保たせてやる。」
その呪字は俺が教わったものとは少し違っていたが、見るだけでなんとなくその呪術の基本が見えてくる。
血を代償とする身体強化呪術。
長時間、戦うことを想定していない短期決戦用の呪術だろう。
乱丸は怪我を感じさせない動きで百足に近づいていく。そして、拳を振るった。
その瞬間、肉は水面に雫が落ちたように弛み、百足の重たい体を一瞬浮かせた。
「ああ、本当に人間ってのは弱小種族だよな。鬼なら吹っ飛ばせるもんな。このぐらいは!」
鬼と比べることが間違いだ。あそこは、妖怪の中でも規格外過ぎるのだから勝負しようとするのがそもそもおかしい。
止まることなく何度も拳を振るい続ける。相手に休息を与えない
魔法には集中力を必要とする。そのため、精神を落ち着けなければならない。つまりは、ダメージを与え続けている限りは魔法は使えない。
身体能力に関しては、たしかに巨体であるためかなりのものだが、先ほどの魔法に比べれば身体強化している乱丸にとってそれほど脅威ではない。
先ほどよりも活発に動いているように見えるが先ほどの呪術はたしかに効力を発揮している。
動きの鈍い相手の一撃など当たるはずもない。ならば、十分間、攻撃を続けていれば、足止めとしては十分だ。
通常の戦闘であればそうだろう。しかし、それは相手が痛みを感じている前提の話である。
攻撃を受けながらも百足は、乱丸に魔法を行使した。
先ほどとは違う一方向に凝縮された閃光が乱丸を狙った。間一髪で乱丸はその攻撃を回避する。
閃光は、地面を焦がし、木々を抉った。一方向に限定された光は先ほどとは比べ物にならない熱量を秘めていた。
「・・・・・・そういや、呪術かけたっけか・・・・・・痛覚無視、感覚鈍化、集中しやすそうな呪術をかけたもんだな。俺」
乱丸は忌々しげにそう呟くと一度距離をとった。
乱発される魔法ほど厄介な代物はない。思い出を消費するという代物でなければ、呪術よりも戦闘向きで効率が良い。
逆に言えば、魔法さえどうにかしてしまえば、10分間時間を稼ぐことも可能だ。
そこまで考えて俺は、自分の持ち物にうってつけの物があったと思い出す。
清浄石。魔力の活動を抑える力のある石。つまりは、魔法に対して非常に強固な盾になる。
俺は、急いで篝さんの家に清浄石を取りに向かった。
そう呟きつつも乱丸は、自身の指を少しだけ小刀で切りつける。そして、その血で体に文字を綴った。
「残業はしねぇぞ・・・・・・だから、十分は絶対に保たせてやる。」
その呪字は俺が教わったものとは少し違っていたが、見るだけでなんとなくその呪術の基本が見えてくる。
血を代償とする身体強化呪術。
長時間、戦うことを想定していない短期決戦用の呪術だろう。
乱丸は怪我を感じさせない動きで百足に近づいていく。そして、拳を振るった。
その瞬間、肉は水面に雫が落ちたように弛み、百足の重たい体を一瞬浮かせた。
「ああ、本当に人間ってのは弱小種族だよな。鬼なら吹っ飛ばせるもんな。このぐらいは!」
鬼と比べることが間違いだ。あそこは、妖怪の中でも規格外過ぎるのだから勝負しようとするのがそもそもおかしい。
止まることなく何度も拳を振るい続ける。相手に休息を与えない
魔法には集中力を必要とする。そのため、精神を落ち着けなければならない。つまりは、ダメージを与え続けている限りは魔法は使えない。
身体能力に関しては、たしかに巨体であるためかなりのものだが、先ほどの魔法に比べれば身体強化している乱丸にとってそれほど脅威ではない。
先ほどよりも活発に動いているように見えるが先ほどの呪術はたしかに効力を発揮している。
動きの鈍い相手の一撃など当たるはずもない。ならば、十分間、攻撃を続けていれば、足止めとしては十分だ。
通常の戦闘であればそうだろう。しかし、それは相手が痛みを感じている前提の話である。
攻撃を受けながらも百足は、乱丸に魔法を行使した。
先ほどとは違う一方向に凝縮された閃光が乱丸を狙った。間一髪で乱丸はその攻撃を回避する。
閃光は、地面を焦がし、木々を抉った。一方向に限定された光は先ほどとは比べ物にならない熱量を秘めていた。
「・・・・・・そういや、呪術かけたっけか・・・・・・痛覚無視、感覚鈍化、集中しやすそうな呪術をかけたもんだな。俺」
乱丸は忌々しげにそう呟くと一度距離をとった。
乱発される魔法ほど厄介な代物はない。思い出を消費するという代物でなければ、呪術よりも戦闘向きで効率が良い。
逆に言えば、魔法さえどうにかしてしまえば、10分間時間を稼ぐことも可能だ。
そこまで考えて俺は、自分の持ち物にうってつけの物があったと思い出す。
清浄石。魔力の活動を抑える力のある石。つまりは、魔法に対して非常に強固な盾になる。
俺は、急いで篝さんの家に清浄石を取りに向かった。
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