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4章
Part 325『分析と勝機』
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「サクヤ逃げて、今のサクヤが被害を受けたら全てが無駄になる。」
致命傷を負えばサクヤは開花してしまう。まだ呪具も完成していないサクヤが開花するということは、その記憶の全てを失うということ。
そうなれば、今までの努力は全て無駄になってしまう。
「俺は大丈夫だ。触れても穢れを受けないならどうってことはない。」
正直に言えば強がりでしかない言葉だった。
物理的な攻撃が全く意味をなさないのならこちらも攻撃が通らない。
呪字を刻む必要がある今までのものでは、呪術をかけることは難しい。
こちらは有効打が存在しない状況である。
しかし、強がりでも言わなければ立ち向かえない。
「日向さん・・・・・・」
「助けを呼びに行ってくれ! リドやリューはいないけど、ツララは店にいるはずだ。」
ツララがリューと連絡を取ってくれれば、追加の願いでもなんでもきいて助けてもらえる。
「分かりました! 絶対に無事でいてくださいね!」
そういってサクヤは飛行して外へと向かっていく。これで一対一の勝負になった。
醜穢は影に溶け込むように姿を消した。
物音も気配もしない。このまま居なくなったのではと錯覚するほどだ。それが希望的観測であるのは間違いない。
出現したのは背後からだった。糸のように伸びた無数の影が自分に向かって突如襲いかかってくる。
力のないその糸は自分を拘束するために伸ばされたものだと容易に理解できた。
影を避けて距離を取る。そして、地面に落ちている石を拾いあげて血の滲む手で呪字を刻む。
速度倍加、耐久低下
血を代償にして呪術を起動させ、渾身の力を込めて醜穢に向けて石を投擲する。
石は放たれた瞬間に加速し銃弾よりも早く醜穢の体に衝突する。
石は砕け醜穢の体を少しだけ動かした。その後、少し体を揺らめかせるが大きなダメージを受けた様子はない。
「完全に物理攻撃が無効されてるわけじゃない。つまりは、打撃系に対しての耐性が強いのか?」
脳内で醜穢の特性を見極めながら思考する。
将来の自分の戦闘能力が低いわけではない。この上達ぶりからして、自分は、呪術をきちんと修行したのだろう。
でなければ、ここまで戦えるはずもない。
勝機はある。戦うほどに醜穢の動きや特性は分析されていく。
打撃系に対してダメージがないのならば、刃物など斬りつけることが出来ればもしかしたら有効打になるかもしれない。
俺は、近くに掲げられたのぼりに付いた棒を抜き取り呪字を書き込む。
切れ味強化、耐久性低下
「子供の頃を思い出すな。小さい頃は長いものは全部武器に見えてたっけか」
一般的な刀と同程度まで切れ味の強化されたプラスチック製の棒を握り、醜穢を探した。
そして、死角からの攻撃を予測し、棒を振るった。
影は切断され、今まで大したダメージを受けた反応を示さなかった醜穢が嫌がるように蠢いた。
「・・・・・・勝機が見えたぞ・・・・・・」
致命傷を負えばサクヤは開花してしまう。まだ呪具も完成していないサクヤが開花するということは、その記憶の全てを失うということ。
そうなれば、今までの努力は全て無駄になってしまう。
「俺は大丈夫だ。触れても穢れを受けないならどうってことはない。」
正直に言えば強がりでしかない言葉だった。
物理的な攻撃が全く意味をなさないのならこちらも攻撃が通らない。
呪字を刻む必要がある今までのものでは、呪術をかけることは難しい。
こちらは有効打が存在しない状況である。
しかし、強がりでも言わなければ立ち向かえない。
「日向さん・・・・・・」
「助けを呼びに行ってくれ! リドやリューはいないけど、ツララは店にいるはずだ。」
ツララがリューと連絡を取ってくれれば、追加の願いでもなんでもきいて助けてもらえる。
「分かりました! 絶対に無事でいてくださいね!」
そういってサクヤは飛行して外へと向かっていく。これで一対一の勝負になった。
醜穢は影に溶け込むように姿を消した。
物音も気配もしない。このまま居なくなったのではと錯覚するほどだ。それが希望的観測であるのは間違いない。
出現したのは背後からだった。糸のように伸びた無数の影が自分に向かって突如襲いかかってくる。
力のないその糸は自分を拘束するために伸ばされたものだと容易に理解できた。
影を避けて距離を取る。そして、地面に落ちている石を拾いあげて血の滲む手で呪字を刻む。
速度倍加、耐久低下
血を代償にして呪術を起動させ、渾身の力を込めて醜穢に向けて石を投擲する。
石は放たれた瞬間に加速し銃弾よりも早く醜穢の体に衝突する。
石は砕け醜穢の体を少しだけ動かした。その後、少し体を揺らめかせるが大きなダメージを受けた様子はない。
「完全に物理攻撃が無効されてるわけじゃない。つまりは、打撃系に対しての耐性が強いのか?」
脳内で醜穢の特性を見極めながら思考する。
将来の自分の戦闘能力が低いわけではない。この上達ぶりからして、自分は、呪術をきちんと修行したのだろう。
でなければ、ここまで戦えるはずもない。
勝機はある。戦うほどに醜穢の動きや特性は分析されていく。
打撃系に対してダメージがないのならば、刃物など斬りつけることが出来ればもしかしたら有効打になるかもしれない。
俺は、近くに掲げられたのぼりに付いた棒を抜き取り呪字を書き込む。
切れ味強化、耐久性低下
「子供の頃を思い出すな。小さい頃は長いものは全部武器に見えてたっけか」
一般的な刀と同程度まで切れ味の強化されたプラスチック製の棒を握り、醜穢を探した。
そして、死角からの攻撃を予測し、棒を振るった。
影は切断され、今まで大したダメージを受けた反応を示さなかった醜穢が嫌がるように蠢いた。
「・・・・・・勝機が見えたぞ・・・・・・」
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