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4章
Part 348『終わりの時』
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後悔のない最後にしよう。これは終わりではない。もう一度、始まるための終わりだ。
そんな上辺だけの言葉で無理矢理に自分を納得させようとして、結局、誤魔化しきれずに罪悪感と後悔と自己嫌悪に苛まれている。
けれど、それ以上にあるのは、自分が最も大切なものを一度失わなければならない恐怖だった。
現実は変わらない。想いを伝えて、後悔を訴えても決まった結果を歪めることは出来ない。
残りの時間は、ただサクヤと一緒にいた。存在を確かめるように俺は彼女と一緒にいた。
この出会いに後悔はない。自分で選択して自分が望んだ出会いだ。
俺は何があってもサクヤとの出会いを後悔しない。後悔するとすれば、自分の不甲斐なさだけだ。
サクヤとの時間ももう終わりに近い。彼女の髪は、もうほとんどが黒になっている。桜の木も葉ばかりで、桜の花はほとんど見られない。
もうすぐ、サクヤの記憶は全て消え去る。
「覚えてますか。峰さん。ウチガネさんが死んじゃうことを知った時」
俺を抱きしめながらサクヤは俺に問いかけた。
「ああ、あの時もこうして抱きしめられたんだっけか」
ウチガネさんが死んでしまうと知った時、俺はウチガネさんとの出会いを後悔しそうになった。
サクヤが俺を抱きしめてくれなければ、現実を受け入れることは難しかったかもしれない。
「サクヤは俺に言っておきたいことはないのか?」
「大好きです。」
「っ! いや、そ、そうじゃなくて」
サラリと言われると心の準備が出来ていない俺としては照れる。
「怖いとかこうしたかったとかさ。そういう気持ち」
未練も後悔もサクヤの方があるんじゃないのか。当事者である彼女が一番に色々な感情を持っているはずだ。
「いいえ。私は今のままで満足です。全てをかけて開花しなければ、実体化してみなさんと遊ぶなんて出来ませんでした。この家でこうして二人きりで過ごすことも、色々な場所を自分達で回ることも」
「それは結果論じゃないか。」
「そうですね。でも、ずっと私がしたかったことですよ。実体のない私と峰さんが一緒に歩けば、どうしてもふつうの人達には、峰さんが変に思われますし、ずっと実体が欲しいと思ってました。」
確かに以前、サクヤは自分が見えないことを気にしていた。確かに一緒に遊んだあの日は誰からも奇異の眼差しを向けられることはなかった。
「他の妖精達に嫉妬されるぐらい私は果報者ですよ。こんなに立派に咲けて、友達も恋人も出来て、これ以上なんてバチが当たりますよ。」
そう言ってサクヤは微笑んだ。俺はそれに笑いかえせなかった。
「ありがとうございます。私をただ生きているだけのものにしないでくれて」
止まっていた涙が溢れてくる。
「ありがとうございます。ちゃんと忘れるのが惜しくなるぐらい幸せにしてくれて」
俺はサクヤを強く抱きしめる。
「何度でも幸せにしてやる。飽きたって言うまで、ずっと」
「ふふ、そんなの言うわけないじゃないですか。」
その瞬間、最後の花が散った。それと同時にサクヤは眠った。終わりが来た。
次に目を覚ます頃には、サクヤは俺のことを覚えていない。
「おやすみ。サクヤ」
そんな上辺だけの言葉で無理矢理に自分を納得させようとして、結局、誤魔化しきれずに罪悪感と後悔と自己嫌悪に苛まれている。
けれど、それ以上にあるのは、自分が最も大切なものを一度失わなければならない恐怖だった。
現実は変わらない。想いを伝えて、後悔を訴えても決まった結果を歪めることは出来ない。
残りの時間は、ただサクヤと一緒にいた。存在を確かめるように俺は彼女と一緒にいた。
この出会いに後悔はない。自分で選択して自分が望んだ出会いだ。
俺は何があってもサクヤとの出会いを後悔しない。後悔するとすれば、自分の不甲斐なさだけだ。
サクヤとの時間ももう終わりに近い。彼女の髪は、もうほとんどが黒になっている。桜の木も葉ばかりで、桜の花はほとんど見られない。
もうすぐ、サクヤの記憶は全て消え去る。
「覚えてますか。峰さん。ウチガネさんが死んじゃうことを知った時」
俺を抱きしめながらサクヤは俺に問いかけた。
「ああ、あの時もこうして抱きしめられたんだっけか」
ウチガネさんが死んでしまうと知った時、俺はウチガネさんとの出会いを後悔しそうになった。
サクヤが俺を抱きしめてくれなければ、現実を受け入れることは難しかったかもしれない。
「サクヤは俺に言っておきたいことはないのか?」
「大好きです。」
「っ! いや、そ、そうじゃなくて」
サラリと言われると心の準備が出来ていない俺としては照れる。
「怖いとかこうしたかったとかさ。そういう気持ち」
未練も後悔もサクヤの方があるんじゃないのか。当事者である彼女が一番に色々な感情を持っているはずだ。
「いいえ。私は今のままで満足です。全てをかけて開花しなければ、実体化してみなさんと遊ぶなんて出来ませんでした。この家でこうして二人きりで過ごすことも、色々な場所を自分達で回ることも」
「それは結果論じゃないか。」
「そうですね。でも、ずっと私がしたかったことですよ。実体のない私と峰さんが一緒に歩けば、どうしてもふつうの人達には、峰さんが変に思われますし、ずっと実体が欲しいと思ってました。」
確かに以前、サクヤは自分が見えないことを気にしていた。確かに一緒に遊んだあの日は誰からも奇異の眼差しを向けられることはなかった。
「他の妖精達に嫉妬されるぐらい私は果報者ですよ。こんなに立派に咲けて、友達も恋人も出来て、これ以上なんてバチが当たりますよ。」
そう言ってサクヤは微笑んだ。俺はそれに笑いかえせなかった。
「ありがとうございます。私をただ生きているだけのものにしないでくれて」
止まっていた涙が溢れてくる。
「ありがとうございます。ちゃんと忘れるのが惜しくなるぐらい幸せにしてくれて」
俺はサクヤを強く抱きしめる。
「何度でも幸せにしてやる。飽きたって言うまで、ずっと」
「ふふ、そんなの言うわけないじゃないですか。」
その瞬間、最後の花が散った。それと同時にサクヤは眠った。終わりが来た。
次に目を覚ます頃には、サクヤは俺のことを覚えていない。
「おやすみ。サクヤ」
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