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1章
Part 37 『偽りの想いと最期の願い事』
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終わりの時は突然やって来た。まるで、電池が切れたように先程まで握りしめていた小槌も力が入らずにスッと離して倒れていく。
終わりは必ずやってくる。一瞬でももしかしたら、もう少しは生きれるのかもしれないなんて思っていた自分が情けない。
自分は全て使い尽くしたのだ。やり遂げた。ならここに残っているのは、その残りカスだ。
俺が、地面に倒れそうになるその瞬間、風が吹いた。全てを払い飛ばすような風に思わず目を閉じてしまった。そして、倒れると思った体が何かに支えられていることに気づく、目を開けるとそこには、白銀の髪の美しい鬼が俺のことを見ていた。
白銀の長い髪にその頭からは二本の長いツノが生えている。呼吸を忘れる程に美しく、そして、少し恐ろしいその姿を俺は一度だけ見たことがある。
「ウチガネさん・・・」
愛おしそうに鬼は倒れる俺にに声をかける。その声は間違いなく彼女のものだ。
「ああ・・・・・・お前のその姿を見るのは、いつ以来だっけかな・・・真冬」
力無い絞り出したような声で俺は真冬を見つめる。
「本当に綺麗な髪だ。」
新雪のような透き通った白銀のようであり、光に当たって輝く姿は美しい精錬された刀のようだった。これ以上に美しいと感じたものは、俺の生涯でもなかっただろう。
俺は初めて会った瞬間から真冬に目を奪われていたのだ。
本当にいい女だ。男のこんな馬鹿な夢に連れ添ってその上、看取ってくれるなんて・・・
ケモミミがない事を理由にしなければ、俺は彼女のことしか考えられなかっただろう。剣を打つ道へと進むと決めたのだ。だから、あそこで歩みを止めるわけにはいかなかった。
ここで好きと認めてしまえば、死ぬのが怖くなる。刀を撃ち続けられなくなる。その事が分かっていたから俺は線を引いた。完璧ではない理由を付けて気持ちを誤魔化すことにした。
本当に馬鹿な男だと笑うだろうか。けれど、俺には、剣を打つことしかなかった。それだけのために何十年という時間をかけて、試行錯誤をしながら、喰らいつく思いで鉄と向き合って来た。
それは俺の一生そのものだった。鍛え上げられた技術が、燃え上がらせた情熱が、俺の全てを形作っている。それを捨てることなんて出来なかった。
だけど、もう、一本たりとも打てる気がしない。
完全燃焼というやつだ。指の一本すら動かすのすら難しくて、彼女の涙を拭ってやることすら出来ない。
一本も打てないのなら、もう、伝えても良いだろう。
声を出さなければ、そう思うのに身体が言うことをきかない。本当に剣を造る以外はからっきしな体だ・・・
だけれど、彼女に伝えたい。最期になるのなら・・・
「愛して・・・いる・・・真冬」
「ウチガネさん・・・?」
声が出た。やっと届いた。終わるなら最期はお前に・・・
「俺の事・・・食って・・・くれないか。残りカスで・・・悪いが・・・」
そういうと真冬は余計に涙を流してしまった。泣かせたいわけではなかったのに・・・
だけど、もう、無理そうだ。目が霞んで何も見えなくなってきた。
「・・・わかりました。私も愛してます。ウチガネさん」
真冬の声が聞こえる。ああ、なんて幸せな終わりだろう。俺は、やってくる眠気に従って瞳を閉じた。
終わりは必ずやってくる。一瞬でももしかしたら、もう少しは生きれるのかもしれないなんて思っていた自分が情けない。
自分は全て使い尽くしたのだ。やり遂げた。ならここに残っているのは、その残りカスだ。
俺が、地面に倒れそうになるその瞬間、風が吹いた。全てを払い飛ばすような風に思わず目を閉じてしまった。そして、倒れると思った体が何かに支えられていることに気づく、目を開けるとそこには、白銀の髪の美しい鬼が俺のことを見ていた。
白銀の長い髪にその頭からは二本の長いツノが生えている。呼吸を忘れる程に美しく、そして、少し恐ろしいその姿を俺は一度だけ見たことがある。
「ウチガネさん・・・」
愛おしそうに鬼は倒れる俺にに声をかける。その声は間違いなく彼女のものだ。
「ああ・・・・・・お前のその姿を見るのは、いつ以来だっけかな・・・真冬」
力無い絞り出したような声で俺は真冬を見つめる。
「本当に綺麗な髪だ。」
新雪のような透き通った白銀のようであり、光に当たって輝く姿は美しい精錬された刀のようだった。これ以上に美しいと感じたものは、俺の生涯でもなかっただろう。
俺は初めて会った瞬間から真冬に目を奪われていたのだ。
本当にいい女だ。男のこんな馬鹿な夢に連れ添ってその上、看取ってくれるなんて・・・
ケモミミがない事を理由にしなければ、俺は彼女のことしか考えられなかっただろう。剣を打つ道へと進むと決めたのだ。だから、あそこで歩みを止めるわけにはいかなかった。
ここで好きと認めてしまえば、死ぬのが怖くなる。刀を撃ち続けられなくなる。その事が分かっていたから俺は線を引いた。完璧ではない理由を付けて気持ちを誤魔化すことにした。
本当に馬鹿な男だと笑うだろうか。けれど、俺には、剣を打つことしかなかった。それだけのために何十年という時間をかけて、試行錯誤をしながら、喰らいつく思いで鉄と向き合って来た。
それは俺の一生そのものだった。鍛え上げられた技術が、燃え上がらせた情熱が、俺の全てを形作っている。それを捨てることなんて出来なかった。
だけど、もう、一本たりとも打てる気がしない。
完全燃焼というやつだ。指の一本すら動かすのすら難しくて、彼女の涙を拭ってやることすら出来ない。
一本も打てないのなら、もう、伝えても良いだろう。
声を出さなければ、そう思うのに身体が言うことをきかない。本当に剣を造る以外はからっきしな体だ・・・
だけれど、彼女に伝えたい。最期になるのなら・・・
「愛して・・・いる・・・真冬」
「ウチガネさん・・・?」
声が出た。やっと届いた。終わるなら最期はお前に・・・
「俺の事・・・食って・・・くれないか。残りカスで・・・悪いが・・・」
そういうと真冬は余計に涙を流してしまった。泣かせたいわけではなかったのに・・・
だけど、もう、無理そうだ。目が霞んで何も見えなくなってきた。
「・・・わかりました。私も愛してます。ウチガネさん」
真冬の声が聞こえる。ああ、なんて幸せな終わりだろう。俺は、やってくる眠気に従って瞳を閉じた。
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