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8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~
調査してわかったこと
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「ところで、レクス君達は何でここに来たの?」
「ここには調査に来たんですよ。一応商業ギルドの護衛も雇ったんですけど…………安心できないというか。だから、正体だけでも掴めたらと思って」
「ああ、なるほどね。それなら、私が教えてあげるよ。それでも更に知りたいってなれば、中に入って調べて行くといいよ。そっちの方が、無駄な時間をかけずに済むでしょ?」
ウルマスはウィンクをしながらそう言った。レクスは、た、確かにそうですね………………と頷いて答える。
「今分かっているのは────────」
ウルマスはそう切り出して、今現在で分かっている事を挙げた。
1つは、保安ギルドにここの商業ギルドを取りまとめる長──────ゴーム=リシデルが縛った状態で置かれていたこと。その際に、不正の証拠も一緒に置いてあったこと。
2つ目は、この商業ギルドが魔物────オークの変異種を所持していたこと。血を流して倒れていたので、恐らく侵入した賊に殺されたと見て間違いない。
3つ目は、物が全く盗られていないこと。盗賊の類いなら、恐らく荒らした形跡があるはずなのに、綺麗なまま。一部壊れたりしているのは、オークのせいだろうと言うこと。
「─────今分かってるのは、これぐらいね」
「なるほど…………不正の証拠、ですか…………」
「へぇ…………なるほど、そんなことが起こってたなんてね」
気になったのはそこだ。物取りが目的ではない。不正の証拠を一緒に保安ギルドに置いていった。ミーシャも何やら頷いているようだった。
「…………対象が場所でも、『過去視』は可能なのかな………?」
レクスはそんなことを呟いた。
「…………ネム。あそこの場所って『過去視』できるの?」
「…………恐らく無理だと思います。もう少し場所が狭くないと、マスターの情報処理能力が追い付かないと思います。最悪の場合だと、神経がプツリと切れることも…………」
案外怖いこと言うね、ネム。
「場所って絞れたりしないの?」
「う~ん………やってみます」
そう言うと、ネムは件の場所へと飛んでいった。
「レクス、今の子は…………?」
ウルマスは驚いたような声でそう尋ねる。
「そういえば、ウルマスさんはネムを見るのは初めてでしたね」
「ネム?」
「はい。僕の固有スキルの一部である『見る』を司っています。妖精っぽく見えるかも知れませんが、あれでもスキルの一部なんです」
「な、なるほど…………」
レクスはウルマスの表情を見て、あ、これ分かってないやつだ、と思ったりしたが、これ以上説明するのもあれなので、話を変えることにした。
「そういえば、ウルマスさんって──────」
レクスが言葉を続けようとすると─────。
「ウルマス団長! ちょっとこちらへ!」
団員の内の一人がウルマスを呼びに来た。何かあったのだろうか。
「じゃあ、そういうわけだから、私はもう行くね。調べたかったら、好きに調べていいから」
ウルマスはそう言い残すと、団員のもとへと走っていった。
「マスタ~、駄目です~。どうやってもマスターの情報処理能力をオーバーしちゃいます~」
入れ違いに戻ってきたネムが肩を落としてそう言いながら戻ってきた。やっぱり、一度調べるしかないか…………。
「…………というわけでみんな、調査を手伝ってもらってもいいかな?」
「………………勿論………」
「なんか探偵にでもなった気分」
「お兄ちゃんのためなら、喜んで手伝うよ!」
エレナ、カレン、ミアがそれぞれそう言った。レクス達は現場を調べるべく、商業ギルドの中へと入っていく。
「ここには調査に来たんですよ。一応商業ギルドの護衛も雇ったんですけど…………安心できないというか。だから、正体だけでも掴めたらと思って」
「ああ、なるほどね。それなら、私が教えてあげるよ。それでも更に知りたいってなれば、中に入って調べて行くといいよ。そっちの方が、無駄な時間をかけずに済むでしょ?」
ウルマスはウィンクをしながらそう言った。レクスは、た、確かにそうですね………………と頷いて答える。
「今分かっているのは────────」
ウルマスはそう切り出して、今現在で分かっている事を挙げた。
1つは、保安ギルドにここの商業ギルドを取りまとめる長──────ゴーム=リシデルが縛った状態で置かれていたこと。その際に、不正の証拠も一緒に置いてあったこと。
2つ目は、この商業ギルドが魔物────オークの変異種を所持していたこと。血を流して倒れていたので、恐らく侵入した賊に殺されたと見て間違いない。
3つ目は、物が全く盗られていないこと。盗賊の類いなら、恐らく荒らした形跡があるはずなのに、綺麗なまま。一部壊れたりしているのは、オークのせいだろうと言うこと。
「─────今分かってるのは、これぐらいね」
「なるほど…………不正の証拠、ですか…………」
「へぇ…………なるほど、そんなことが起こってたなんてね」
気になったのはそこだ。物取りが目的ではない。不正の証拠を一緒に保安ギルドに置いていった。ミーシャも何やら頷いているようだった。
「…………対象が場所でも、『過去視』は可能なのかな………?」
レクスはそんなことを呟いた。
「…………ネム。あそこの場所って『過去視』できるの?」
「…………恐らく無理だと思います。もう少し場所が狭くないと、マスターの情報処理能力が追い付かないと思います。最悪の場合だと、神経がプツリと切れることも…………」
案外怖いこと言うね、ネム。
「場所って絞れたりしないの?」
「う~ん………やってみます」
そう言うと、ネムは件の場所へと飛んでいった。
「レクス、今の子は…………?」
ウルマスは驚いたような声でそう尋ねる。
「そういえば、ウルマスさんはネムを見るのは初めてでしたね」
「ネム?」
「はい。僕の固有スキルの一部である『見る』を司っています。妖精っぽく見えるかも知れませんが、あれでもスキルの一部なんです」
「な、なるほど…………」
レクスはウルマスの表情を見て、あ、これ分かってないやつだ、と思ったりしたが、これ以上説明するのもあれなので、話を変えることにした。
「そういえば、ウルマスさんって──────」
レクスが言葉を続けようとすると─────。
「ウルマス団長! ちょっとこちらへ!」
団員の内の一人がウルマスを呼びに来た。何かあったのだろうか。
「じゃあ、そういうわけだから、私はもう行くね。調べたかったら、好きに調べていいから」
ウルマスはそう言い残すと、団員のもとへと走っていった。
「マスタ~、駄目です~。どうやってもマスターの情報処理能力をオーバーしちゃいます~」
入れ違いに戻ってきたネムが肩を落としてそう言いながら戻ってきた。やっぱり、一度調べるしかないか…………。
「…………というわけでみんな、調査を手伝ってもらってもいいかな?」
「………………勿論………」
「なんか探偵にでもなった気分」
「お兄ちゃんのためなら、喜んで手伝うよ!」
エレナ、カレン、ミアがそれぞれそう言った。レクス達は現場を調べるべく、商業ギルドの中へと入っていく。
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