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8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~
go straight and……………
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「ふぅ……………なんとかなって良かったですね」
「うん、無事にポータルを破壊できて良かったよ。まあでも……………この調子だと、まだまだポータルが仕掛けられてる可能性もゼロじゃない……………っていうか、絶対仕掛けられてるはず。厄介ね…………」
ミドクははぁ…………と溜め息をついてそう言った。
「まあ、その時はその時だ。俺達でできるだけ対処しよう」
フウシは軽く笑いながらそう言った。現在、レクス達はウグイヴの砦の三階層に来ていた。この砦は全部で十階層ある。しかも、一階一階が広いから、探すのも一苦労である。因みに、二階には何も仕掛けられていなかった。
「前方、後方に罠が三つずつ……………これは、罠が動いている……………?」
フウシは何かを探知したのか、そう呟く。可動式の罠など、今まで聞いたことがない。これも、ポータル設置による魔力循環の乱れ影響なのであろうか。
「イルミっ、後ろっ!」
レクスは、咄嗟に『守る』を発動。イルミを透明な障壁が覆うと同時に、それは起きた。
「───────!?」
イルミの足元と上に魔法陣が現れ、上から矢が降り注ぐ。イルミは驚きのあまり、声を出せずに固まった。しかし、事前に障壁を張っていたお陰で、イルミは無傷だった。
「イルミ、気をつけて。罠が動いてるから、むやみに動き回らない方がいい」
フウシだけでなく、レクスも罠が動いていることに気づいていた。ウグイヴの砦…………ますます気を引き締めなければ、簡単にやられてしまうだろう。
しかも、『守る』に関しては罠が発動する瞬間に急いで展開するしかない。この罠は、なぜか発動する瞬間しか具現化しない。普通に動き回っている時は、展開中の障壁をすり抜けるのだ。先程から試しに発動してみて、分かったことだ。
「罠が動いてる…………ね。なら、罠を止めれば良いってことね!」
ミドクはそう言うと、レクスやイルミには分からないような言葉で詠唱を始めた。これが俗に言うハイエルフ語とかいうやつだろうか。
「──────『oubang, garios mkina』」
ミドクがそう唱えると─────今まで動いていた罠の数々が、嘘のように止まった。これは…………罠の機能そのものを失っている。ということは、踏んでも起動しないということだ。
「一時的に罠を起動不能にしたわ。今のうちに抜けるよ」
ミドクは、そう言うと先陣を切って前に駆け出していった。
「凄いですね……………ミドクさん」
レクスには、ああいった何かに干渉するような精密なものはできない。できるにはできるかもしれないが、少なくとも、ミドクのようにはできないだろう。
「あいつ、ああ見えても学園を首席で卒業したんだよ」
ワチがそう言った。
「そうなんですか……………それで」
レクスは納得したように頷いた。でも、雰囲気的にそんな感じは全く見受けられないのだが……………
「頭がよさそうに見えないのは、あいつの性格が原因だろう。もう少しおしとやかだったら、別なのだがな」
フウシは苦笑しながらそう言った。
(……………僕、そんなに顔に出てるかな?)
悉く心を読んだかのように会話してくるので、ついついそんなことを考えるレクス。─────と。
「ねえ、こっちになんか変なものがあるわよ!!」
来て来て、と手招きするミドク。ミドクの言葉に、みんなは真剣な表情になりつつ、ミドクの元へと向かうのだった。
「うん、無事にポータルを破壊できて良かったよ。まあでも……………この調子だと、まだまだポータルが仕掛けられてる可能性もゼロじゃない……………っていうか、絶対仕掛けられてるはず。厄介ね…………」
ミドクははぁ…………と溜め息をついてそう言った。
「まあ、その時はその時だ。俺達でできるだけ対処しよう」
フウシは軽く笑いながらそう言った。現在、レクス達はウグイヴの砦の三階層に来ていた。この砦は全部で十階層ある。しかも、一階一階が広いから、探すのも一苦労である。因みに、二階には何も仕掛けられていなかった。
「前方、後方に罠が三つずつ……………これは、罠が動いている……………?」
フウシは何かを探知したのか、そう呟く。可動式の罠など、今まで聞いたことがない。これも、ポータル設置による魔力循環の乱れ影響なのであろうか。
「イルミっ、後ろっ!」
レクスは、咄嗟に『守る』を発動。イルミを透明な障壁が覆うと同時に、それは起きた。
「───────!?」
イルミの足元と上に魔法陣が現れ、上から矢が降り注ぐ。イルミは驚きのあまり、声を出せずに固まった。しかし、事前に障壁を張っていたお陰で、イルミは無傷だった。
「イルミ、気をつけて。罠が動いてるから、むやみに動き回らない方がいい」
フウシだけでなく、レクスも罠が動いていることに気づいていた。ウグイヴの砦…………ますます気を引き締めなければ、簡単にやられてしまうだろう。
しかも、『守る』に関しては罠が発動する瞬間に急いで展開するしかない。この罠は、なぜか発動する瞬間しか具現化しない。普通に動き回っている時は、展開中の障壁をすり抜けるのだ。先程から試しに発動してみて、分かったことだ。
「罠が動いてる…………ね。なら、罠を止めれば良いってことね!」
ミドクはそう言うと、レクスやイルミには分からないような言葉で詠唱を始めた。これが俗に言うハイエルフ語とかいうやつだろうか。
「──────『oubang, garios mkina』」
ミドクがそう唱えると─────今まで動いていた罠の数々が、嘘のように止まった。これは…………罠の機能そのものを失っている。ということは、踏んでも起動しないということだ。
「一時的に罠を起動不能にしたわ。今のうちに抜けるよ」
ミドクは、そう言うと先陣を切って前に駆け出していった。
「凄いですね……………ミドクさん」
レクスには、ああいった何かに干渉するような精密なものはできない。できるにはできるかもしれないが、少なくとも、ミドクのようにはできないだろう。
「あいつ、ああ見えても学園を首席で卒業したんだよ」
ワチがそう言った。
「そうなんですか……………それで」
レクスは納得したように頷いた。でも、雰囲気的にそんな感じは全く見受けられないのだが……………
「頭がよさそうに見えないのは、あいつの性格が原因だろう。もう少しおしとやかだったら、別なのだがな」
フウシは苦笑しながらそう言った。
(……………僕、そんなに顔に出てるかな?)
悉く心を読んだかのように会話してくるので、ついついそんなことを考えるレクス。─────と。
「ねえ、こっちになんか変なものがあるわよ!!」
来て来て、と手招きするミドク。ミドクの言葉に、みんなは真剣な表情になりつつ、ミドクの元へと向かうのだった。
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