327 / 454
8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~
話とは
しおりを挟む
「─────なるほど…………家族が人質に録られていた…………と。ウグイヴの砦の拡大、ポータルを途中で止めたりしたら魔法陣が作動して、家が爆破されると…………そう脅されたんだな? 誰にだ?」
フウシは険しい表情でそう問うた。
「あ、ああ…………。それが、名前までは分からなくて…………ただ、分かったのは、俺達と同じハイエルフ族だったということだけだ。それ以外は、ほ、本当にそれだけなんだっ。頼む、信じてくれ」
もう身体中から冷や汗を流しながらそう言った。これは、とても嘘を言っている人の態度には見えない。もし、先程のことが真実なら…………。
「まずは、お前達の家族をどうにかしないとまずい……………」
そう。魔法陣が仕掛けられているのなら、二人の家族が危ないのだ。どうにかして対処する必要があるだろう。もしも真実なら、であるが……………。
「……………本当なのかしら?」
ミドクはなおも疑ってかかる。やはり完全には信じきれないようだ。
「ミドクさん。取り敢えず、行ってみてから考えましょう」
レクスがそう提案した。ここで考えていても埒が明かないし、刻一刻と時間が過ぎていくだけだ。行って確かめた方が早いだろう。
「…………そうね。もしも本当なら、取り返しのつかないことになる。確かめてからでも遅くはないわね。ほら、早く家族の元に案内しなさい」
二人の男はミドクの言葉にあ、ありがとうございますぅ! ありがとうございますっ!! と頭を地面に強く打ち付けながら下げ続けたのだった。
◇◆◇◆◇
「こ、ここです…………」
まずはユガンの家から。ユガンの家は、藁葺きにも似たような構造であり、見た目もあまり上品とは言えない。しかし、周辺の家々を見ても、同じようなものなので、これが一般的なものなのだろう。
「まずは魔法陣の確認からね……………どういうものか分からないと、対処しようがないからね」
ミドクはそう言うと、地面に手をかざし、呪文を唱える。
「chekgonig, reghuret 『golinb』」
ミドクがそう唱えると、突如、青色の魔法陣が浮き出し──────三段にも及ぶ魔法陣が構築されていた。
「……………どうやら本当みたいね。ウグイヴの砦の拡大停止、ポータルの動作停止のどちらかを満たした場合、この魔法陣は起動して─────爆発する。しかも、この辺り一帯が吹き飛ぶくらいの威力。これはまずいわ。早く解除しないと…………」
加えて、二人は今、ウグイヴの砦にいない。ということは、ウグイヴの砦の拡大が少しずつ止まってきているはず。早くしなければ、魔法陣が起動して、爆発してしまう。
「しかも、この魔法陣の感じからして、残り時間が少ないようだし…………。フウシ、ワチも。手伝ってくれる?」
「了解」
「ふっ…………任せろ」
フウシとワチはそう言うと、魔法陣の分解に取り掛かる。周りの人も、なんだなんだ、と野次馬の如く押し寄せてきているが、気にしない。
「ミドクさん、僕達はもう一つの魔法陣の方へ行ってみます。分解できるか、分かりませんが……………」
レクスは苦笑しながらそう言った。ここで突っ立っているだけで何もしないというのは一番よくない。というか、嫌なのだ。何か役に立ちたい。
「……………あまり無茶はしないでね。無理だと思ったら、すぐにやめること。魔法陣が余計に複雑になっちゃったら、まずいからね」
「うん、分かった。イルミ、行こ」
「う、うん……………」
レクスはイルミの手を引いて、魔法陣があるというもう一つの家へと向かうのだった。
フウシは険しい表情でそう問うた。
「あ、ああ…………。それが、名前までは分からなくて…………ただ、分かったのは、俺達と同じハイエルフ族だったということだけだ。それ以外は、ほ、本当にそれだけなんだっ。頼む、信じてくれ」
もう身体中から冷や汗を流しながらそう言った。これは、とても嘘を言っている人の態度には見えない。もし、先程のことが真実なら…………。
「まずは、お前達の家族をどうにかしないとまずい……………」
そう。魔法陣が仕掛けられているのなら、二人の家族が危ないのだ。どうにかして対処する必要があるだろう。もしも真実なら、であるが……………。
「……………本当なのかしら?」
ミドクはなおも疑ってかかる。やはり完全には信じきれないようだ。
「ミドクさん。取り敢えず、行ってみてから考えましょう」
レクスがそう提案した。ここで考えていても埒が明かないし、刻一刻と時間が過ぎていくだけだ。行って確かめた方が早いだろう。
「…………そうね。もしも本当なら、取り返しのつかないことになる。確かめてからでも遅くはないわね。ほら、早く家族の元に案内しなさい」
二人の男はミドクの言葉にあ、ありがとうございますぅ! ありがとうございますっ!! と頭を地面に強く打ち付けながら下げ続けたのだった。
◇◆◇◆◇
「こ、ここです…………」
まずはユガンの家から。ユガンの家は、藁葺きにも似たような構造であり、見た目もあまり上品とは言えない。しかし、周辺の家々を見ても、同じようなものなので、これが一般的なものなのだろう。
「まずは魔法陣の確認からね……………どういうものか分からないと、対処しようがないからね」
ミドクはそう言うと、地面に手をかざし、呪文を唱える。
「chekgonig, reghuret 『golinb』」
ミドクがそう唱えると、突如、青色の魔法陣が浮き出し──────三段にも及ぶ魔法陣が構築されていた。
「……………どうやら本当みたいね。ウグイヴの砦の拡大停止、ポータルの動作停止のどちらかを満たした場合、この魔法陣は起動して─────爆発する。しかも、この辺り一帯が吹き飛ぶくらいの威力。これはまずいわ。早く解除しないと…………」
加えて、二人は今、ウグイヴの砦にいない。ということは、ウグイヴの砦の拡大が少しずつ止まってきているはず。早くしなければ、魔法陣が起動して、爆発してしまう。
「しかも、この魔法陣の感じからして、残り時間が少ないようだし…………。フウシ、ワチも。手伝ってくれる?」
「了解」
「ふっ…………任せろ」
フウシとワチはそう言うと、魔法陣の分解に取り掛かる。周りの人も、なんだなんだ、と野次馬の如く押し寄せてきているが、気にしない。
「ミドクさん、僕達はもう一つの魔法陣の方へ行ってみます。分解できるか、分かりませんが……………」
レクスは苦笑しながらそう言った。ここで突っ立っているだけで何もしないというのは一番よくない。というか、嫌なのだ。何か役に立ちたい。
「……………あまり無茶はしないでね。無理だと思ったら、すぐにやめること。魔法陣が余計に複雑になっちゃったら、まずいからね」
「うん、分かった。イルミ、行こ」
「う、うん……………」
レクスはイルミの手を引いて、魔法陣があるというもう一つの家へと向かうのだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
8,261
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。