357 / 454
8章 ダンジョンを守れ ~異種族間同盟~
ハイエルフ族は一筋縄ではいかない
しおりを挟む
「………………お前らか? この騒動の首謀者は?」
屋根の上に飛び乗り、オルクリムとリミルを鋭い目付きで睨み付けてそう言うニンファ。
「お~、怖い怖い~。そんなに怒っちゃって~」
表情とセリフが噛み合っていない。表情的にまだまだ余裕があると見ていいだろう。しかも、この白衣の女……………全く底が知れないのだ。こんな経験は─────そう、二度目だ。レクスの時が初めてだった。だが、今回は敵対している者同士。あの時とは違い、油断は一切できない。気を抜けば、やられる。隙を作るもんか、と決意にも似た思いを抱き──────聖剣をリミル達に向けて振るう。瞬時に作り出された光の刃が、リミル達を襲う。オルクリムは無理無理無理っ! 無理だからぁーーーーー!! と涙目で叫んでいた。
「オルクリム~、慌てすぎだよ~。これくらい──────指一本で十分だって~」
リミルはそう言うと、指一本で自分の目の前に障壁を展開し──────光の刃が障壁に弾かれ、見事に光の粒子となって消えていった。一瞬の事だった。
「くっ………………!」
通じないことはある程度予想していたが………………実力に差がありすぎる。傷一つすらつけられないのは予想外だった。
「ニンファ!」
下からニンファの名前を呼んだアイリーンは、ニンファに強化バフをかける。『攻撃力強化』だ。フェルティーにも同じバフをかけた。
「うおおおぉぉぉぉ!!」
ニンファは、もう一度聖剣に自らの魔力を込めて、今度は直接障壁を斬る。ガキィン、ガキィン、ガキィン!! とまるで金属のような音がした。しかし、いずれも障壁を破壊するには至らなかった。
「フェルティー!!」
「オッケー!!」
今度は同時に。ニンファは『身体強化』で自身の肉体を強化し、疾走。フェルティーは全力で魔弾を放つ。少しでも、障壁を打ち破る助けになれば。魔力を使い果たすつもりで。全てはこの一瞬にかける───────
「──────ねえ~、この茶番、いつまで続くの?」
「────────!?」
魔弾も、ニンファの聖剣もどちらも軽々受け止められていた。ニンファ達の攻撃は、指一本で展開された障壁に負けたのだ。
「邪魔だよ~、ほらほら~」
リミルは、魔法陣を展開して魔光線を放つ。複数の銃弾を同時に放つかのように次々と繰り出していく。
「くっ、厄介なっ……………!!」
ニンファはそれらをギリギリでかわしていく。アイリーンやフェルティーに向かっても飛んできており、フェルティー達も何とかかわす。しかし、地面は魔光線によって抉りとられ、土煙が上がる。
「ケホッ、ケホッ」
思わず咳き込むニンファ達。全く歯が立たない。これほどまでとは。
「もうこれで終わり~? じゃあ、次はこっちの番だね~」
リミルはそう言うと、複数の魔法陣を展開。先程よりも魔法陣の数が多い。というか、あの魔法陣の数……………多い以前に異常だ。異常すぎる。数百は余裕で展開されている。
「ちょっ、リミル……………!! それはまずいんじゃっ………!」
「いちいち振りかかる小さい虫を追い払うのも面倒だからね~………。それにぃ、大丈夫だよ、彼女達は死なないから」
そう言いながら、そこそこ威力のある魔弾を同時に放つ。それらが一気に、ニンファ達のもとへと降り注ぐ。
「──────────」
ニンファ達どころか、ここら一帯が吹き飛ぶのは目に見えている。多くの犠牲者が出るだろう。この数の魔弾はニンファ達でも防ぎきれそうにない。もう駄目だ──────と諦めかけていた、その時。
「───────『守る』!!」
「……………『絶壁』………!!」
見覚えのある、少年少女達がニンファ達の前に現れたのだった。
屋根の上に飛び乗り、オルクリムとリミルを鋭い目付きで睨み付けてそう言うニンファ。
「お~、怖い怖い~。そんなに怒っちゃって~」
表情とセリフが噛み合っていない。表情的にまだまだ余裕があると見ていいだろう。しかも、この白衣の女……………全く底が知れないのだ。こんな経験は─────そう、二度目だ。レクスの時が初めてだった。だが、今回は敵対している者同士。あの時とは違い、油断は一切できない。気を抜けば、やられる。隙を作るもんか、と決意にも似た思いを抱き──────聖剣をリミル達に向けて振るう。瞬時に作り出された光の刃が、リミル達を襲う。オルクリムは無理無理無理っ! 無理だからぁーーーーー!! と涙目で叫んでいた。
「オルクリム~、慌てすぎだよ~。これくらい──────指一本で十分だって~」
リミルはそう言うと、指一本で自分の目の前に障壁を展開し──────光の刃が障壁に弾かれ、見事に光の粒子となって消えていった。一瞬の事だった。
「くっ………………!」
通じないことはある程度予想していたが………………実力に差がありすぎる。傷一つすらつけられないのは予想外だった。
「ニンファ!」
下からニンファの名前を呼んだアイリーンは、ニンファに強化バフをかける。『攻撃力強化』だ。フェルティーにも同じバフをかけた。
「うおおおぉぉぉぉ!!」
ニンファは、もう一度聖剣に自らの魔力を込めて、今度は直接障壁を斬る。ガキィン、ガキィン、ガキィン!! とまるで金属のような音がした。しかし、いずれも障壁を破壊するには至らなかった。
「フェルティー!!」
「オッケー!!」
今度は同時に。ニンファは『身体強化』で自身の肉体を強化し、疾走。フェルティーは全力で魔弾を放つ。少しでも、障壁を打ち破る助けになれば。魔力を使い果たすつもりで。全てはこの一瞬にかける───────
「──────ねえ~、この茶番、いつまで続くの?」
「────────!?」
魔弾も、ニンファの聖剣もどちらも軽々受け止められていた。ニンファ達の攻撃は、指一本で展開された障壁に負けたのだ。
「邪魔だよ~、ほらほら~」
リミルは、魔法陣を展開して魔光線を放つ。複数の銃弾を同時に放つかのように次々と繰り出していく。
「くっ、厄介なっ……………!!」
ニンファはそれらをギリギリでかわしていく。アイリーンやフェルティーに向かっても飛んできており、フェルティー達も何とかかわす。しかし、地面は魔光線によって抉りとられ、土煙が上がる。
「ケホッ、ケホッ」
思わず咳き込むニンファ達。全く歯が立たない。これほどまでとは。
「もうこれで終わり~? じゃあ、次はこっちの番だね~」
リミルはそう言うと、複数の魔法陣を展開。先程よりも魔法陣の数が多い。というか、あの魔法陣の数……………多い以前に異常だ。異常すぎる。数百は余裕で展開されている。
「ちょっ、リミル……………!! それはまずいんじゃっ………!」
「いちいち振りかかる小さい虫を追い払うのも面倒だからね~………。それにぃ、大丈夫だよ、彼女達は死なないから」
そう言いながら、そこそこ威力のある魔弾を同時に放つ。それらが一気に、ニンファ達のもとへと降り注ぐ。
「──────────」
ニンファ達どころか、ここら一帯が吹き飛ぶのは目に見えている。多くの犠牲者が出るだろう。この数の魔弾はニンファ達でも防ぎきれそうにない。もう駄目だ──────と諦めかけていた、その時。
「───────『守る』!!」
「……………『絶壁』………!!」
見覚えのある、少年少女達がニンファ達の前に現れたのだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
8,261
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。