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9章 祝福
隠し通路
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「思ったより暗いね、ここ……………」
「……………『光玉』」
エレナが魔法を唱えると、周囲が光の玉で照らされた。見えなかった足元もしっかりと見えるくらいには明るくなった。
「宝箱があるのだー!」
ティーナは宝箱を見つけるなり、宝箱の元に駆け出した。あの宝箱が万が一にもミミックだったら困る。
「ティーナ、宝箱にむやみに触らな────」
レクスが忠告した時には、時既に遅し。ティーナは宝箱に触れており、開けようとしていた──────
「───────ガアアァァァァ!!」
しかも、ミミックですらなかった。なんと─────丸まって寝ていたトカゲ型の魔物だった。
「………………あれ? 襲いかかってこない………?」
カレンが不思議そうにそう言った。そう。トカゲが襲いかかって来ないのだ。それどころか─────
「ガアアァァァ!!」
ドゴォン! という壁を壊す音ともに、トカゲは奥の道へと消えていったのだ。まるで、ついてこいとでも言わんばかりに。勿論、レクス達はついていった。
◇◆◇◆◇
「お、おい、見たか、あれ」
「ええ見ましたぜ、この目でバッチリと」
二人の男が壁の向こうに消えていったレクス達を見てひそひそ話していた。いい物が見られたというかのような表情だった。
「あいつらについていけば……………」
「ああ………………!」
男達の頭の中には、巨額の財宝のことしかなかった。
◇◆◇◆◇
「これ……………結構やばくない?」
シュエイルが視線の先に捉えているものは──────大量の岩やら岩やら……………とりあえず、岩が転がって来ていた。急な坂道で、上に登る道以外に道はなかった。これは岩を防ぐしかなさそうである。
「『守る』!!」
何重にも障壁を展開し、岩を防ぐ。砕け散っていく岩。しかし、予想以上に重い。魔法がかかっているようだ。思った以上に持ちそうにない。あといくらか連続発動は可能。だが──────転がってくる岩の数がキリがない。因みにだが、トカゲは坂道の上で傍観していた。妙にムカつく。
「ぐっ…………!!」
「…………『強化』!」
エレナがレクスの展開した障壁を強化する。レクスの障壁がより強固になった。
「ありがとっ、エレナ……………!!」
「……うん……………!」
二人とも顔を見合せ、頷き合う。端から見ると─────いちゃついているようにしか見えない。実際、ミーシャ達からもそう見えた。─────と。
「あそこになんかあるのだ!」
ティーナがレクス達の障壁を避けて、そのなにかある場所に向かっていく。岩を器用に跳び移りながら移動している。……………止める必要なかったのかなぁなんて思ったレクスだったが、フィオナだっているし、全員が全員ああも器用に跳べるわけではない。危険を犯す必要はないだろう。
「っていうか……………ティーナ、なんかやらかしそうな気がするんだけど…………」
カレンが不安そうに呟く。
「……………その時は、その時でしょ」
確かにティーナの言うところにスイッチらしき物があり、『見る』でも見てみたが、なんなのか分からなかった。一か八か。ゼロか十か大外れのどれかだ。多分。レクスの目は達観していた。やがて、ティーナがスイッチまでたどり着く。
「押すのだ─────!!」
ティーナが勢い良くスイッチを押した。すると──────
ボガアアアァァァァ──────ン!!
岩が勢い良く砕け散った。爆発はしていない。代わりに中から─────大量のスライムが出てきた。
「─────どうなってんの?」
シュエイルはもはやポカンとしていた。
レクス達がスライムの処理に手を煩わされたのは、言うまでもない。
「……………『光玉』」
エレナが魔法を唱えると、周囲が光の玉で照らされた。見えなかった足元もしっかりと見えるくらいには明るくなった。
「宝箱があるのだー!」
ティーナは宝箱を見つけるなり、宝箱の元に駆け出した。あの宝箱が万が一にもミミックだったら困る。
「ティーナ、宝箱にむやみに触らな────」
レクスが忠告した時には、時既に遅し。ティーナは宝箱に触れており、開けようとしていた──────
「───────ガアアァァァァ!!」
しかも、ミミックですらなかった。なんと─────丸まって寝ていたトカゲ型の魔物だった。
「………………あれ? 襲いかかってこない………?」
カレンが不思議そうにそう言った。そう。トカゲが襲いかかって来ないのだ。それどころか─────
「ガアアァァァ!!」
ドゴォン! という壁を壊す音ともに、トカゲは奥の道へと消えていったのだ。まるで、ついてこいとでも言わんばかりに。勿論、レクス達はついていった。
◇◆◇◆◇
「お、おい、見たか、あれ」
「ええ見ましたぜ、この目でバッチリと」
二人の男が壁の向こうに消えていったレクス達を見てひそひそ話していた。いい物が見られたというかのような表情だった。
「あいつらについていけば……………」
「ああ………………!」
男達の頭の中には、巨額の財宝のことしかなかった。
◇◆◇◆◇
「これ……………結構やばくない?」
シュエイルが視線の先に捉えているものは──────大量の岩やら岩やら……………とりあえず、岩が転がって来ていた。急な坂道で、上に登る道以外に道はなかった。これは岩を防ぐしかなさそうである。
「『守る』!!」
何重にも障壁を展開し、岩を防ぐ。砕け散っていく岩。しかし、予想以上に重い。魔法がかかっているようだ。思った以上に持ちそうにない。あといくらか連続発動は可能。だが──────転がってくる岩の数がキリがない。因みにだが、トカゲは坂道の上で傍観していた。妙にムカつく。
「ぐっ…………!!」
「…………『強化』!」
エレナがレクスの展開した障壁を強化する。レクスの障壁がより強固になった。
「ありがとっ、エレナ……………!!」
「……うん……………!」
二人とも顔を見合せ、頷き合う。端から見ると─────いちゃついているようにしか見えない。実際、ミーシャ達からもそう見えた。─────と。
「あそこになんかあるのだ!」
ティーナがレクス達の障壁を避けて、そのなにかある場所に向かっていく。岩を器用に跳び移りながら移動している。……………止める必要なかったのかなぁなんて思ったレクスだったが、フィオナだっているし、全員が全員ああも器用に跳べるわけではない。危険を犯す必要はないだろう。
「っていうか……………ティーナ、なんかやらかしそうな気がするんだけど…………」
カレンが不安そうに呟く。
「……………その時は、その時でしょ」
確かにティーナの言うところにスイッチらしき物があり、『見る』でも見てみたが、なんなのか分からなかった。一か八か。ゼロか十か大外れのどれかだ。多分。レクスの目は達観していた。やがて、ティーナがスイッチまでたどり着く。
「押すのだ─────!!」
ティーナが勢い良くスイッチを押した。すると──────
ボガアアアァァァァ──────ン!!
岩が勢い良く砕け散った。爆発はしていない。代わりに中から─────大量のスライムが出てきた。
「─────どうなってんの?」
シュエイルはもはやポカンとしていた。
レクス達がスライムの処理に手を煩わされたのは、言うまでもない。
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