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ーー何がどうなって?
オルフェウスとアリシアは沈黙の中、仲良く同じことを思っていた。
すると突然そこに乱入者が現れる。
アリシアの父、フェンデル公爵。
使用人からの連絡で急ぎ帰って来たのだ。
そしてすかさず
「殿下!娘が何やら殿下に不敬なことをしたようですが、娘は殿下のことをずっと前から慕っております!何か深い訳があるはずです!なので罪に問う前に娘と話を!婚約者としてせめてもの御慈悲を!」
と言い深々と頭を下げた。
これにはオルフェウスとアリシアも驚く。
とはいっても驚きの内容は違うが。
ーーそういえばアリシアも先程不敬罪とかなんとか言っていたな…あまりの衝撃に断片的にしか聞こえてなかったが…
ふと我に帰ったオルフェウスの頭の中に疑問が浮かぶ。
アリシアが泣きながら帰ってからずっと、オルフェウスの脳内はアリシアのことしかなく、さっき突進して来る自分に対してアリシアが扉を閉めたという事実は認識されていない。
なのでオルフェウスにはその不敬罪というのがなんなのか全く分からないのだ。
オルフェウスは眉間に皺を寄せながら
「…………不敬罪とは何のことだ?」
とフェンデル公爵に問う。
「……は?」
次に固まったのはフェンデル公爵だった。
確かに使用人からの早馬でアリシアがオルフェウスに不敬を働いたと泣いて帰り、それをオルフェウスが追って来たとの連絡を受けたのだ。
それで慌てて帰宅したのに。
フェンデル公爵は状況が掴めずに周囲を見渡す。
すると更に間抜けな声が聞こえた。
「………え?」
アリシアだ。
アリシアは完全に自分が不敬を働いたと思っていたのだ。
そういえばそもそもオルフェウスが自分を追いかけて来た理由も分からない。
そこには三者三様の混乱があった。
恐らくある程度の想像がついているのはことの成り行きを見ていた使用人と護衛騎士だけだろう。
だとしても、使用人とここにいる護衛騎士は城での出来事は知らない。
果たしてアリシアの言う不敬とは?
オルフェウスが侯爵家に来た理由は?
それまで慌ただしかった公爵家に沈黙が落ちた。
オルフェウスとアリシアは沈黙の中、仲良く同じことを思っていた。
すると突然そこに乱入者が現れる。
アリシアの父、フェンデル公爵。
使用人からの連絡で急ぎ帰って来たのだ。
そしてすかさず
「殿下!娘が何やら殿下に不敬なことをしたようですが、娘は殿下のことをずっと前から慕っております!何か深い訳があるはずです!なので罪に問う前に娘と話を!婚約者としてせめてもの御慈悲を!」
と言い深々と頭を下げた。
これにはオルフェウスとアリシアも驚く。
とはいっても驚きの内容は違うが。
ーーそういえばアリシアも先程不敬罪とかなんとか言っていたな…あまりの衝撃に断片的にしか聞こえてなかったが…
ふと我に帰ったオルフェウスの頭の中に疑問が浮かぶ。
アリシアが泣きながら帰ってからずっと、オルフェウスの脳内はアリシアのことしかなく、さっき突進して来る自分に対してアリシアが扉を閉めたという事実は認識されていない。
なのでオルフェウスにはその不敬罪というのがなんなのか全く分からないのだ。
オルフェウスは眉間に皺を寄せながら
「…………不敬罪とは何のことだ?」
とフェンデル公爵に問う。
「……は?」
次に固まったのはフェンデル公爵だった。
確かに使用人からの早馬でアリシアがオルフェウスに不敬を働いたと泣いて帰り、それをオルフェウスが追って来たとの連絡を受けたのだ。
それで慌てて帰宅したのに。
フェンデル公爵は状況が掴めずに周囲を見渡す。
すると更に間抜けな声が聞こえた。
「………え?」
アリシアだ。
アリシアは完全に自分が不敬を働いたと思っていたのだ。
そういえばそもそもオルフェウスが自分を追いかけて来た理由も分からない。
そこには三者三様の混乱があった。
恐らくある程度の想像がついているのはことの成り行きを見ていた使用人と護衛騎士だけだろう。
だとしても、使用人とここにいる護衛騎士は城での出来事は知らない。
果たしてアリシアの言う不敬とは?
オルフェウスが侯爵家に来た理由は?
それまで慌ただしかった公爵家に沈黙が落ちた。
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