猫被りの恋。

《afterstory #02》砂糖菓子のように甘いひと眠り

２．寝相で蹴られても、落とされても。〈蒼夜〉

【恋人達に睡眠で6のお題︎︎】お借りしています。
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「いった…！」


深夜。
俺の部屋のベッドでスイと一緒に寝ていたら、お腹に強烈な一撃が入って目が覚めた。
犯人は気付くことなく気持ちよさそうに寝ている。
さすがに今日の一撃は結構激しかったから、眠っているスイの頬を引っ張って変顔させてみても、ちっとも目覚める気配がない。
それどころか、ふにゃりと締りのない顔になってしまい、なんとも言えない気分にさせられる。


スイは、とても寝相が悪い。
スイと同じベッドで寝るようになってから、何度も経験している。
今日みたいに一撃くらうこともあれば、ベッドから落とされていることもある。
パンチだけでなく、蹴りが来ることもあるから、なかなかにスリリングな夜だ。
まあ、スイが疲れ切っているときは静かに寝ていてくれるんだけど。
これはいよいよ本格的にダブルベッドを買わないといけないかもしれない。
今日はもうこれ以上攻撃されないといいなあと思いつつ、またスイの隣に潜り込んだ。










「このベッド、デカくなった？」


一週間後。
スイに内緒で買い換えたベッドが、スイのいない間に俺の部屋に運び込まれた。
夜になって俺の部屋にきたスイが、新しいベッドをみてとても驚いた顔をしている。
どうやら小さなサプライズが成功したようだ。



「さすがにシングルだと二人で寝るには狭すぎるからね」




俺の言葉に苦笑いを浮かべるスイ。
その先に続きそうな謝罪も申し訳なさそうな顔も全部腕の中に閉じ込めて、真新しいベッドに潜り込んだ。




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少し間が空いてしまいましたが。

寝相の悪いスイでも、隣で一緒に眠ることをやめない蒼夜くん。