雨の日に名を呼んで

ナガミ

文字の大きさ
3 / 4

3話「篠つく雨」

しおりを挟む
「今なんて」そんな短い言葉を発するよりも早く後ろから手首を掴まれていた。
咄嗟に腕を振るが外れない。
辛うじて首を横に回し後ろを見る。

先輩は俯き、薄ら笑いを浮かべていた。

凛也「あの時・・・俺も・・・」

千夏「え?」

凛也の言葉に油断したのか力を抜いてしまった。
それと同時くらいか。
拘束していた腕が外れたかと思うと腰を掴まれ床に寝転がされてしまう。
肩を強引に引かれ両腕を頭の上に押さえ付けられ、あっという間に仰向けになる。

千夏「なに、先輩。・・・先輩?」

一瞬だった。
千夏が言い終えた時。2人に距離はなくなっていた。
瞼が降りない。呼吸を思い出したかのように鼻から息が抜けていく。
息苦しさを感じる前に顔が離れていく。

雨音と、お互いの深い呼吸音だけが聞こえる。

凛也「抵抗、しないの?」

凛也は片腕で千夏の両腕を掴み直し押さえる。
空いた右腕が服の下を弄る。
ようやく千夏の意識が帰ってくる。

千夏「先輩!本当にダメです!」

凛也「なら、なんでココはこんななの?」

凛也の腕は千夏の胸から下腹部へと滑り込む。
慣れた手つきで下から上へと一定のリズムで擦り上げる。

千夏「うっ、ぐ、・・・っ!」

千夏の反応に合わせ強弱を付ける。
速度が徐々に上がる。

千夏「もうっ・・・!出っ・・・・!」

ズボンの内側から、熱く纏わり付くものが滲み出す。

凛也「思ったより早いね」

千夏「ふっ、うっ・・・はぁ・・・」

乱れた呼吸を整えると思考も回りだす。

千夏「鳴海先輩、何考えてるんですか!男同士で!こんなっ!・・・こんな」

凛也「さっきぶつかった時、俺の事そういうふうに見てたから」

千夏「俺がいつそんなっ」

凛也「男女問わず、好意を向ける相手への表情や仕草ってわかるもんなんだよ」

凛也の言葉と、千夏自身のあの時の感情が合わさり、否定の言葉は途切れた。

凛也「ね?」

腕を掴まれたままの千夏はただ睨むことしかできないでいた。

そんな反発心を治めるように凛也の右手が千夏の頬に優しく触れる。
警戒心が剥き出しの小動物でも相手してるかのように。
ふと腕に掛かっていた圧も消え去る。
あの力強かった腕も、首の後ろを回り肩を優しく抱き込む。

凛也「話してる間もずっと可愛かったから、つい。ごめんね」

千夏「あ、」
悪魔だ、この人。

抱き込まれ、頬や頭を撫でられ、額にキスをされる。
身体全身から力が抜ける。
千夏は凛也の大きな体に身を埋めるしかなくなる。

凛也「ズボン、濡れて気持ち悪いでしょ。脱がしてあげる」

千夏「ちょっと・・・先輩・・・」
か細い切ない声。もう抵抗する気力は完全になくなっていた。
ズボンとパンツを同時に脱がされ、千夏の下半身は剥き出しになる。

凛也は自分の指を少し咥えると唾液を纏わせ千夏の後部をなぞる。
千夏は微かに身体を震わせると凛也の服を強く握る。

千夏「先輩。俺、その・・・。」

凛也「わかってる。最初は優しくするから」

千夏の中に凛也の指が入り込む。
何度も出入りしていく内に滑りが良くなる。

千夏「ふ、・・・なんか・・・うっ・・・変な、感じ」

異物感。身体が緊張と弛緩を繰り返す。

凛也「苦しい?やめる?」

イタズラな笑みを浮かべる凛也。
千夏は答えられない。答えられるワケがない。
続けてほしい。やめないでほしい。
その間もずっと弄り続けられる。
そして凛也の指が抜ける。

千夏「うぁっ・・・!ぐっ・・・ふぅ・・・」
全身で脈打ち脱力する。

凛也「そろそろ良いかな」

凛也は自身のズボンを下ろす。
そそり立ったソレは先ほどの指のように千夏の後部を這う。
そこへ辿り着いた時、凛也は軽く力を込め腰を前へ動かす。

千夏「あっ・・!い、痛っ・・・!」

凛也「大丈夫、もう少しだから」

凛也は千夏の腰を掴むと腰を押し上げる。

千夏「は、入っ・・」

凛也「うん、・・・全部入った」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

オメガなパパとぼくの話

キサラギムツキ
BL
タイトルのままオメガなパパと息子の日常話。

執着

紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。

『定時後の偶然が多すぎる』

こさ
BL
定時後に残業をするたび、 なぜか必ず同じ上司が、同じフロアに残っている。 仕事ができて、無口で、社内でも一目置かれている存在。 必要以上に踏み込まず、距離を保つ人―― それが、彼の上司だった。 ただの偶然。 そう思っていたはずなのに、 声をかけられる回数が増え、 視線が重なる時間が長くなっていく。 「無理はするな」 それだけの言葉に、胸がざわつく理由を、 彼自身はまだ知らない。 これは、 気づかないふりをする上司と、 勘違いだと思い込もうとする部下が、 少しずつ“偶然”を積み重ねていく話。 静かで、逃げ場のない溺愛が、 定時後から始まる。

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

ヒートより厄介な恋をα後輩に教え込まれる

雪兎
BL
大学三年のΩ・篠宮湊は、何事も理屈で考えるタイプ。 ヒート管理も完璧で、恋愛とは距離を置いてきた。 「フェロモンに振り回されるのは非合理的」 そう思っていたのに――。 新学期、同じゼミに入ってきた後輩は、やたら距離の近いα・高瀬蒼。 人懐っこくて優秀、なのに湊にだけ妙に構ってくる。 「先輩って、恋したことないでしょ」 「……必要ないからな」 「じゃあ俺が教えますよ。ヒートより面倒なやつ」 余裕のあるα後輩と、恋に不慣れなΩ先輩。 からかわれているはずなのに、気づけば湊の心は少しずつ乱されていく。 これは、理屈ではどうにもならない “ヒートより厄介な恋”を教え込まれる物語。

王様の恋

うりぼう
BL
「惚れ薬は手に入るか?」 突然王に言われた一言。 王は惚れ薬を使ってでも手に入れたい人間がいるらしい。 ずっと王を見つめてきた幼馴染の側近と王の話。 ※エセ王国 ※エセファンタジー ※惚れ薬 ※異世界トリップ表現が少しあります

処理中です...