あやかし退治の娘 友を救え

水の雫

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あやかし退治の娘 子供を救え

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 三人は、酒場にいた。前回の賞金が、大きかったので、つむぎは、慰労を兼ねて、二人を誘ったのだ。
 「未成年の飲酒は、いかん」と、風神来は、つむぎに、たしなめるように、言った。
 「もう、立派な大人よ。子供扱いしないでくれる」と、つむぎは、おちょこにある酒を、ぐいっと飲んだ。
 「戦いには、いつも、備えておくものだ」と、ホムラーも、つむぎを牽制する。

  そこの酒場は、昼間というのに、賑わっていて、話が飛んでいた。
 「なあ、最近、子供がさらわれる事件が、ちらほら見受けられる。困ったものだ」と、つむぎの耳に、入ってきた。
 「まるで、神かくしだ。振り向いたら、子供が、いなくなっているそうだ」と、中年の男は、酒を口に運んだ。

 「その話、本当かい」と、つむぎたちの、近くにいた若い賞金稼ぎの女性が、噂をする村人に、尋ねた。つむぎは、初めて見た他の賞金稼ぎに、驚いた。一人で、闘っているのかと。
 「ああ、本当だ。この村の子どもたちは、このままでは、いなくなってしまうだろう」と、中年の男は、また、酒を口に運びながら言った。
 「待って」と、つむぎは、賞金稼ぎの女に、声かけた。協力すれば、戦いが有利になると、思ったからだ。

 「お嬢ちゃん、なんだい」と、振り向いた賞金稼ぎ。それと同時に、こう言った。
 「賞金は、渡さないよ」と愛想ない。これを聞いた、つむぎは
 「それだったら、賞金は、私達が、もらう」と、意気込んだ。ホムラーはつむぎに、言った。
 「その女、ただの賞金稼ぎではない、つむぎ」
 「余計な戦いは、ゴメンだ」と、風神来は、酒をのどに、流し込む。
 「だったら、どうする」と、すごむ女。つぐみは、今戦うのは、不利だと、考えた。ホムラーは、ともかく、私と風神来は、酒に、酔っている。それに、ホムラーの忠告も、気になった。

 「先に、行かせてもらうよ、手出しするんじゃ、ないよ」と言って、女は、立ち去った。

 「どういうことなのよ、ホムラー」と、つぐみは、尋ねた。
 「あの女からは、妖怪の血が、衣服についていた。かなりの達人だ」ホムラーは、つぐみに、警告した。しかし、つぐみにとって、今度の敵は、報酬が高く見えた。体が、ウズウズするのだった。
  「まずは、酔いをさましてからにしよう」と、ホムラーは、手に持った水杯を、地面に、叩きつけた。すでに、あたりは、日暮れを迎えようとしていた。

 「なにを、するんですか」その子供の親は、連れ去られそうなわが子を守ろうとして、叫んだ。
 「なに、エサがいるもんでね。また、返すよ」と、女は、凄みをきかせた。
 「そんな」その声は、もう、子供には届かない。

 「とんだ、賞金稼ぎね」と、つむぎは、一部始終を、見ていた。そして、母親に声をかけた。
 「お子さんは、私達が、取り返しますから」
 「あなた、弱そうに見えるけど、大丈夫?」と、けげんな顔をした。これを聞いたつぐみは、
 「必ず、救います」と、いきり立った。

 「どいつもこいつも」いつものつぐみではない。そもそも、まだまだ新米とはいえ、これまでに、強敵も退治した。それを認めてもらえない悔しさで。
 「ともかく、早く後を追おう」と、ホムラーは、冷静だった。そして、
 「つぐみ、お前は、強い」と、声かけた。やはり、ホムラーは、私の味方だと、つぐみは、思い、ニヤニヤした。

 「ほら、お前の大好物を、持ってきたよ」と、林に向かって、叫ぶ女。こどもは、意識を失っていた。ざわざわとしてきた。そして、どこからか、石が飛んできた。それは、女の顔に、直撃した。姿は見せない妖怪。女は、負傷して、気絶した。

 「そこまでよ」
つぐみは、林の中に、叫んだ。ともかく、相手の懐に、飛び込もうと、つぐみは、考えた。
 「ホムラーお願い」
 つぐみは、木にのった。石が、飛んできた。それを振り払う、つぐみ。
 「そっちね」と言って、木と木の間を、飛び移っていく。
 「あれは、まるで、猿だ」と、風神来は、あきれたことを言う。ホムラーは、
 「ああ、猿だ」と、同感するホムラー。と同時に、つぐみを、二人は、追っていた。

 「変だわ、攻撃しないで、逃げている。まるで、おとりのような」つぐみの感は、するどい。大きな小屋が見えてきた。そこから、でできたのは、ケルベロスのような犬の妖怪。体はでかいが、素早い動きも、持っている。そして、石を投げてきたのは、猿の妖怪だった。
 「やっかい」と、つぐみは、思った。猿だけではない。大犬もいる。それは、妖怪というより、化物だ。
 猿たちは、一斉に、つぐみたちへ、石を投げてきた。それにたいして、風神来は、風で、それを、吹き飛ばした。
 「つぐみ、行くぞ」
敵は、多いが、やれないことは、ない。そこに、風神来が、風を起こし、隊列を、乱した。つぐみは、1匹目をしとめた。さらに、二匹、三匹と、すばやく、倒した。猿達は、それを見て、逃げ出した。
 「つぐみ、この剣を使え」と、ホムラーが投げた剣は、かつての、真紅の剣。
 「ありがとう」と、つぐみは、受け取った。
 「その剣など、無駄だ」
と、ケルベロスは、つぐみに、襲いかかる。速いものの、風神来が、風で、その動きを、抑えている。つぐみは、自由落下で、その首を切り落とした。
 
 「まだまだ」と、首だけで、つぐみに、襲い掛かってきた。さらに、口からは、雷を放つ。つぐみは、剣で、その雷を払った。この剣は、私の潜在能力を発揮させると、つぐみは、あらためて、思った。しかし、このままでは、勝てない。どうすれば。
 右に左に、上から下から、その首は、縦横無尽に、攻めてくる。考えている暇ない。やらねば、やられる。そして、つむぎは、剣を大地に、突いた。大地は、割れて、裂け目ができた。そこへ、落ちていった首。と同時に、大地はもとどおりに、なった。

 「この剣は、一体」
 つぐみは、その想像を超えた剣の力に、体が震えた。一体誰が使っていたのだろうか。これでは、戦うのが、嫌になってきた。

 「覚悟することだ」
とホムラーは、つぐみのその様子を見て、言った。どういうことなの、覚悟って。それに、なぜ、ホムラーは、この剣を、持っていたの。
 「まだ、戦いは、始まったばかりだ」と、ホムラー。

 「そうだ、あの子供は」と、ツグミは言って、走り出した。さっきの場所に、子供はいた。意識が目覚めて、泣いている。一方で、賞金稼ぎの女は、消えてきた。

 「もう、大丈夫だから」と、つぐみは、こどもを、抱きしめた。何よりも、この子の命は、救えた。もう、悲劇は、起こしては、ならないと、つぐみは、心に誓った。
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