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村づくり 初級編
水路完成と夢のお告げ 5
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「まぁ、洋一さんには戦いは向かねぇわな」
ラルフは苦笑いしにながら、私の肩を叩いて「自分の息子を信じてやりな」と言って自分の家に帰って行った。
「よーし、そんじゃ出発は二日後な。それまでに各自準備をしておいてくれ」
マシューが解散を宣言したので、それぞれ後片付けに入った。
後片付けも終わり、みんながそれぞれの家に帰宅したので、私も自分のテントへ戻り、外に出してある折りたたみチェアーに腰掛けてため息をついた。
「オヤジ、俺は大丈夫だから、そんなに心配すんなよ」
雄介がコーヒーを持ってきて私に手渡し、自分のテントから折りたたみチェアーを持ってきて私の横に設置する。
「子供のことを心配しない親はいないよ。ただな、お前やあの子達が危険な場所に向かうのに、俺がのほほんとしながら、この場所にいて良いのかって考えるとなぁ」
コーヒーを啜りながら呟く。
「親父や母さんがここに居てくれるから安心して外に出られるんだから、そんな風に考えなくても良いんじゃない?」
「それに、日本に居ても自衛隊員として災害派遣や海外派遣はある訳だしさ」
雄介もコーヒーを片手に夜空を見上げながら答える。
「まぁな、雄介が自衛隊員になりたいと言った時に、そこら辺も覚悟したつもりだったんだが、いざとなるとな」
私は残りのコーヒーを一気に飲み干して、気になっていることを話す。
「雄介、先日のことだけど、モンスターを倒した事で気持ち的に、その、どうだ?大丈夫か?」
「んあ?気持ち的に?あぁ!いわゆるPTSD的なこと?」
雄介が急に振られた質問にきょとんとしながらも、私の言いたいことが解ったのかPTSDについて聞いてくる。
「そうだ。ミミエルさんからも気に掛ける様に言われてるし、俺も気になってる」
「当人が言うのも何だけど、気持ち的な落ち込みとか夜悪夢をみるとかは無いよ。それに、マシューさんやラルフさんとその時の事をよく話したし、気持ちの切り替え方とか色々アドバイスして貰ったからね」
雄介は肩を竦めながら、いたって気軽な感じで答える。
私はその雄介の瞳をじっと見つめ、嘘がないか確認してそっと息を吐いた。
「わかった、雄介を信じるよ。それじゃ、改めてラナとエリサを頼むな」
「ん。任せて」
雄介は頷いた後、それじゃ寝るねと言って椅子を持って自分のテントへ帰って行った。
そんな雄介の後ろ姿を見つめた後、私も椅子を片付けて自分のテント中へ入っていった。
テントの中は長期間滞在するために、自室にあったベッドや机を持ち込んで置いてある。私はベッドに腰掛けてタブレットからお気に入りのジャズを流し、ブランデーをグラスに少しだけ注いで一口飲む。
フーッと肺に溜まった息を吐き出し、雄介の瞳を思い出す。
あれなら大丈夫かな。
ブランデーの入ったグラスを眺めながらそんな事を考えていると、ゴソゴソと入り口付近で何かが動いている気配がした。
まぁ、何かはわかってる。私は入り口のジッパーを開けて外にいたスラ吉を中へ入れる。
スラ吉はプルプルしながら、部屋に入ってきて私の足に絡みついてきた。
「スラ吉、今日も一緒に寝るか?」
スラ吉を撫でながら聞いてみると、ぷるんと大きく揺れてベッドの方へ移動し始めたのでタオルを持ってきてスラ吉の体を拭いてあげる。
全体をタオルで拭いた後、スラ吉はベッドに上がり枕元の方へ向かったので寝間着に着替えてベッドに潜り込んだ。
「それじゃ、おやすみ」
ぷるん
私はスラ吉の体を撫でながら眠りについた。
目が覚めるとそこは白い空間だった。
「ここは?」
以前にみた景色を思い出しながら辺りを見渡していると、目の前にニエル様が現れた。
「洋一さんお久しぶりです」
「ニエル様!どうもご無沙汰してます」
「洋一さん達の活躍はいつも見てますよ。ほんと、私の世界に来てから数日しか経ってないのにビックリです」
ニエル様はニコニコしながらこれ迄の事を話し始める。
「いえいえ、本当に偶然が重なっただけですよ。私達は何もしていませんから」
「そんな事ないですよ?狼人族の少女を助けたり、エルフの娘達を助けたり、それに冒険者も向かい入れるは、鳥人族も迎えてるじゃないですか」
「それこそ偶然ですよ。全て私達が動いて何かした訳じゃないですから、結果として皆んながいるだけですよ」
私は手を左右に振りながら答えるが、ニエル様は笑顔で首を左右に振る。
「いいえ、その結果が大切なのです。今あの場所にいる狼人族の少女は洋一さん達に出逢わなければ、そのまま死んでいたでしょう。それに、エルフの娘達は雄介さんに出逢わなければゴブリン達に陵辱され殺されていました」
「そして、あの冒険者達も皆さんに出逢わなければ、貴族に狙われて命を落としていただしょう」
ニエル様は私の顔を見ながら、
「重要なのは、この者達は本来、不幸の運命をたどる筈だったのが、洋一さん達に出会ったことでその運命から逃れる事が出来たと言う事です」
はぁ、と私は頷くがイマイチ良く判っていない。
ニエルさまはそんな私を気にする事もなく続きを話し始める。
ラルフは苦笑いしにながら、私の肩を叩いて「自分の息子を信じてやりな」と言って自分の家に帰って行った。
「よーし、そんじゃ出発は二日後な。それまでに各自準備をしておいてくれ」
マシューが解散を宣言したので、それぞれ後片付けに入った。
後片付けも終わり、みんながそれぞれの家に帰宅したので、私も自分のテントへ戻り、外に出してある折りたたみチェアーに腰掛けてため息をついた。
「オヤジ、俺は大丈夫だから、そんなに心配すんなよ」
雄介がコーヒーを持ってきて私に手渡し、自分のテントから折りたたみチェアーを持ってきて私の横に設置する。
「子供のことを心配しない親はいないよ。ただな、お前やあの子達が危険な場所に向かうのに、俺がのほほんとしながら、この場所にいて良いのかって考えるとなぁ」
コーヒーを啜りながら呟く。
「親父や母さんがここに居てくれるから安心して外に出られるんだから、そんな風に考えなくても良いんじゃない?」
「それに、日本に居ても自衛隊員として災害派遣や海外派遣はある訳だしさ」
雄介もコーヒーを片手に夜空を見上げながら答える。
「まぁな、雄介が自衛隊員になりたいと言った時に、そこら辺も覚悟したつもりだったんだが、いざとなるとな」
私は残りのコーヒーを一気に飲み干して、気になっていることを話す。
「雄介、先日のことだけど、モンスターを倒した事で気持ち的に、その、どうだ?大丈夫か?」
「んあ?気持ち的に?あぁ!いわゆるPTSD的なこと?」
雄介が急に振られた質問にきょとんとしながらも、私の言いたいことが解ったのかPTSDについて聞いてくる。
「そうだ。ミミエルさんからも気に掛ける様に言われてるし、俺も気になってる」
「当人が言うのも何だけど、気持ち的な落ち込みとか夜悪夢をみるとかは無いよ。それに、マシューさんやラルフさんとその時の事をよく話したし、気持ちの切り替え方とか色々アドバイスして貰ったからね」
雄介は肩を竦めながら、いたって気軽な感じで答える。
私はその雄介の瞳をじっと見つめ、嘘がないか確認してそっと息を吐いた。
「わかった、雄介を信じるよ。それじゃ、改めてラナとエリサを頼むな」
「ん。任せて」
雄介は頷いた後、それじゃ寝るねと言って椅子を持って自分のテントへ帰って行った。
そんな雄介の後ろ姿を見つめた後、私も椅子を片付けて自分のテント中へ入っていった。
テントの中は長期間滞在するために、自室にあったベッドや机を持ち込んで置いてある。私はベッドに腰掛けてタブレットからお気に入りのジャズを流し、ブランデーをグラスに少しだけ注いで一口飲む。
フーッと肺に溜まった息を吐き出し、雄介の瞳を思い出す。
あれなら大丈夫かな。
ブランデーの入ったグラスを眺めながらそんな事を考えていると、ゴソゴソと入り口付近で何かが動いている気配がした。
まぁ、何かはわかってる。私は入り口のジッパーを開けて外にいたスラ吉を中へ入れる。
スラ吉はプルプルしながら、部屋に入ってきて私の足に絡みついてきた。
「スラ吉、今日も一緒に寝るか?」
スラ吉を撫でながら聞いてみると、ぷるんと大きく揺れてベッドの方へ移動し始めたのでタオルを持ってきてスラ吉の体を拭いてあげる。
全体をタオルで拭いた後、スラ吉はベッドに上がり枕元の方へ向かったので寝間着に着替えてベッドに潜り込んだ。
「それじゃ、おやすみ」
ぷるん
私はスラ吉の体を撫でながら眠りについた。
目が覚めるとそこは白い空間だった。
「ここは?」
以前にみた景色を思い出しながら辺りを見渡していると、目の前にニエル様が現れた。
「洋一さんお久しぶりです」
「ニエル様!どうもご無沙汰してます」
「洋一さん達の活躍はいつも見てますよ。ほんと、私の世界に来てから数日しか経ってないのにビックリです」
ニエル様はニコニコしながらこれ迄の事を話し始める。
「いえいえ、本当に偶然が重なっただけですよ。私達は何もしていませんから」
「そんな事ないですよ?狼人族の少女を助けたり、エルフの娘達を助けたり、それに冒険者も向かい入れるは、鳥人族も迎えてるじゃないですか」
「それこそ偶然ですよ。全て私達が動いて何かした訳じゃないですから、結果として皆んながいるだけですよ」
私は手を左右に振りながら答えるが、ニエル様は笑顔で首を左右に振る。
「いいえ、その結果が大切なのです。今あの場所にいる狼人族の少女は洋一さん達に出逢わなければ、そのまま死んでいたでしょう。それに、エルフの娘達は雄介さんに出逢わなければゴブリン達に陵辱され殺されていました」
「そして、あの冒険者達も皆さんに出逢わなければ、貴族に狙われて命を落としていただしょう」
ニエル様は私の顔を見ながら、
「重要なのは、この者達は本来、不幸の運命をたどる筈だったのが、洋一さん達に出会ったことでその運命から逃れる事が出来たと言う事です」
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