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村づくり 初級編
水路完成と夢のお告げ 6
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「さらに鳥人族。彼らは他の人族と違い、自身の翼で大空を舞う事が出来ますが、その反面、彼らには手、正確には指先が無いために、火を起こす事はもちろん道具を作る等の人種としての文明を築く事が出来ず、種族としてこれ以上の進化が望めませんでした」
あー確かに、翼が邪魔で火起こしとか無理そうだ。
「そんな彼らを洋一さん達は受け入れ、絶滅していくであろう彼らに新たな刺激を与えました。彼らはこれから先、他の人族と交流を持ち、独自の文明を築いていく事でしょう」
ニエル様はニコリと微笑みながら話し続ける。
「洋一さん、まだお判りになりませんか?山田さんご一家はこの世界での特異点になっているのです」
「特異点?ですか?」
私はますます意味がわからず、キョトンとしてしまう。
「えぇ、前にもお話ししましたが、他の異世界でも地球人、特に日本人が召喚、転移した結果、停滞していた世界が動き出す事例が多く発生しています。今回の件も同様に山田さんご一家が私の世界に転移された事で発生した特異な事例なのです」
「はぁ、それはつまり、私達がニエル様の世界に来たとこで、世界が変わり始めたって事ですか?」
「えぇ、元々そうなって欲しくて皆さんをお呼びしてるのですが、ここまで早く変化の兆しが現れるとは思ってもいませんでした」
「・・・それは、あまり歓迎されない事ですか?」
ここまで早くと言うことは、急激な変化は望んでいなかったのかと、私は恐る恐るニエル様に聞いてみる。
「いえいえ、そこは嬉しい誤算なので気にしないでください」
私はニエル様の返事に一安心して、気になっていた事を質問してみる。
「それでニエル様、ひとつお聞きしたいのですが、なんで私を呼び出されたのですか?」
私の質問にニエル様は一瞬キョトンとしてから思い出したように、呼び出した理由を話し始めた。
「そうでした!予想以上の変化が始まったことが嬉しくて、本来の目的を忘れてました。洋一さん達山田さんご一家によって、先程お伝えした様に、本来不遇な運命を辿る者達を救ってくれた御礼に、私から皆さんへプレゼントを渡そうと思ってお呼びしました」
ニエル様言葉に私は驚き「大した事をしていないので頂けません」と断ろうとしたが、この件は決定事項なので気にしないようにと言われ、渋々プレゼントを頂戴することにする。
「それでプレゼントですが、それは起きてからのお楽しみという事でこの場では説明しませんね」
ニエル様は微笑みながらそう告げた後、少し真面目な顔になり、
「では、これから話すのは真面目なお話しです」と言って姿勢を正した。
私も姿勢を正して真面目な顔でニエル様を見つめる。
「これから数日後に新たな日本人が私の世界へ転移します。山田さん達は先輩として、その者達の手助けをお願いします。それと、昨日完成した貯水用の池を中心に私の神殿を立ててください。そうすれば今以上に結界の範囲を広げる事が出来ます。お願いできますか?」
「えぇ1それは勿論です」
私は大きく返事をしたあと、これから来る日本人について聞いてみたが、来てからのお楽しみと言われてはぐらかされてしまった。
「それで、神殿の方はいつ迄に作れば良いでしょうか」
「急いでいませんが、これからも住民が増えるでしょうから早めに着手した方が良いかもしれませんね」
私の質問にニエル様は微笑みながら「そろそろ時間なのでまた」と言って手を振りながら消えていってしまった。
私はどうしたものかと思った途端、意識が覚醒しパチリと目が覚めてテントの天井を見つめる。
「あれは・・・夢?」
私はまだ薄暗いテントから抜け出し、朝靄の中、大きく伸びをしながら深呼吸をする。
うーん、あれは夢だったのかなぁ?それにしても今日はやけに身体が軽い。
朝日が昇り朝靄も晴れて、朝食までの時間をスラ吉とのんびり過ごす。
「スラ吉お手!」
スラ吉は私の出した手にニョロリと触手みたいな物を出してピトッと手に乗せてくる。
「すごいぞスラ吉!よーし!良しよし!」
スラ吉のプニプニした身体を撫でつけながら褒めると、スラ吉は嬉しそうにプルプルと身体を震わせて喜んでいる。
うん。完全に犬だなこれは。
のんびりそんな事を考えていると、自宅の方で「きゃぁ~!」と悲鳴とも違う歓声が聞こえてきた。
朝から元気だなぁと自宅の方を眺めていると、玄関のドアが勢いよく開いてルルが慌てた様子で走ってきた。
「洋一お父さん!大変!優希お母さんが・・・・って誰!?」
ルルがスラ吉と遊んでいた私に声を掛けるが、その顔は驚きで目をまん丸に見開いている。
「ルル!優希がどうしたって!?」
私は驚いてルルに聞こうとしたが、ルルは慌てて雄介のテントに入って「お兄ちゃん!起きて!お父さんとお母さんが大変なの!」と慌てて雄介を起こしている。
ん?私と優希が大変?
私は自分の手を見てグッパと開いたり閉じたりしてが、特に変わった様子も感じず、ついでに身体をペタペタと触ってみても変わったところは見当たらない。
ルルに大変と言われている状況が飲み込めずに、その場で呆然としていると、テントの方から雄介の声が聞こえた。
「ルルちゃん、朝っぱらからどうしたのぉ」
「あぁ、お兄ちゃんは元のままだ。良かったぁ」
「んん?元のまま?」
「あっ!今はそれどころじゃ無かった、お兄ちゃん!二度寝しないで!早く起きて!」
テントの中で、ドタンバタンともの音がした後、雄介がルルに引っ張られる様にテントから抜け出してくる。
「お、雄介おはよう」
「ふわぁ。おはよう・・・って誰?・・・ってかオヤジ!?」
私が片手を上げて雄介に挨拶すると、雄介は半ば寝ぼけているのか欠伸しながら挨拶をした後、綺麗な二度見をして口をあんぐり開けて驚いている。
雄介の驚きを見て私と優希に何かあったのは解ったが、何が起きているのか皆目見当がつかないまま、ルルをみると、「取り敢えず、家に行きましょ」と言って私と雄介の手を取って歩き出した。
あー確かに、翼が邪魔で火起こしとか無理そうだ。
「そんな彼らを洋一さん達は受け入れ、絶滅していくであろう彼らに新たな刺激を与えました。彼らはこれから先、他の人族と交流を持ち、独自の文明を築いていく事でしょう」
ニエル様はニコリと微笑みながら話し続ける。
「洋一さん、まだお判りになりませんか?山田さんご一家はこの世界での特異点になっているのです」
「特異点?ですか?」
私はますます意味がわからず、キョトンとしてしまう。
「えぇ、前にもお話ししましたが、他の異世界でも地球人、特に日本人が召喚、転移した結果、停滞していた世界が動き出す事例が多く発生しています。今回の件も同様に山田さんご一家が私の世界に転移された事で発生した特異な事例なのです」
「はぁ、それはつまり、私達がニエル様の世界に来たとこで、世界が変わり始めたって事ですか?」
「えぇ、元々そうなって欲しくて皆さんをお呼びしてるのですが、ここまで早く変化の兆しが現れるとは思ってもいませんでした」
「・・・それは、あまり歓迎されない事ですか?」
ここまで早くと言うことは、急激な変化は望んでいなかったのかと、私は恐る恐るニエル様に聞いてみる。
「いえいえ、そこは嬉しい誤算なので気にしないでください」
私はニエル様の返事に一安心して、気になっていた事を質問してみる。
「それでニエル様、ひとつお聞きしたいのですが、なんで私を呼び出されたのですか?」
私の質問にニエル様は一瞬キョトンとしてから思い出したように、呼び出した理由を話し始めた。
「そうでした!予想以上の変化が始まったことが嬉しくて、本来の目的を忘れてました。洋一さん達山田さんご一家によって、先程お伝えした様に、本来不遇な運命を辿る者達を救ってくれた御礼に、私から皆さんへプレゼントを渡そうと思ってお呼びしました」
ニエル様言葉に私は驚き「大した事をしていないので頂けません」と断ろうとしたが、この件は決定事項なので気にしないようにと言われ、渋々プレゼントを頂戴することにする。
「それでプレゼントですが、それは起きてからのお楽しみという事でこの場では説明しませんね」
ニエル様は微笑みながらそう告げた後、少し真面目な顔になり、
「では、これから話すのは真面目なお話しです」と言って姿勢を正した。
私も姿勢を正して真面目な顔でニエル様を見つめる。
「これから数日後に新たな日本人が私の世界へ転移します。山田さん達は先輩として、その者達の手助けをお願いします。それと、昨日完成した貯水用の池を中心に私の神殿を立ててください。そうすれば今以上に結界の範囲を広げる事が出来ます。お願いできますか?」
「えぇ1それは勿論です」
私は大きく返事をしたあと、これから来る日本人について聞いてみたが、来てからのお楽しみと言われてはぐらかされてしまった。
「それで、神殿の方はいつ迄に作れば良いでしょうか」
「急いでいませんが、これからも住民が増えるでしょうから早めに着手した方が良いかもしれませんね」
私の質問にニエル様は微笑みながら「そろそろ時間なのでまた」と言って手を振りながら消えていってしまった。
私はどうしたものかと思った途端、意識が覚醒しパチリと目が覚めてテントの天井を見つめる。
「あれは・・・夢?」
私はまだ薄暗いテントから抜け出し、朝靄の中、大きく伸びをしながら深呼吸をする。
うーん、あれは夢だったのかなぁ?それにしても今日はやけに身体が軽い。
朝日が昇り朝靄も晴れて、朝食までの時間をスラ吉とのんびり過ごす。
「スラ吉お手!」
スラ吉は私の出した手にニョロリと触手みたいな物を出してピトッと手に乗せてくる。
「すごいぞスラ吉!よーし!良しよし!」
スラ吉のプニプニした身体を撫でつけながら褒めると、スラ吉は嬉しそうにプルプルと身体を震わせて喜んでいる。
うん。完全に犬だなこれは。
のんびりそんな事を考えていると、自宅の方で「きゃぁ~!」と悲鳴とも違う歓声が聞こえてきた。
朝から元気だなぁと自宅の方を眺めていると、玄関のドアが勢いよく開いてルルが慌てた様子で走ってきた。
「洋一お父さん!大変!優希お母さんが・・・・って誰!?」
ルルがスラ吉と遊んでいた私に声を掛けるが、その顔は驚きで目をまん丸に見開いている。
「ルル!優希がどうしたって!?」
私は驚いてルルに聞こうとしたが、ルルは慌てて雄介のテントに入って「お兄ちゃん!起きて!お父さんとお母さんが大変なの!」と慌てて雄介を起こしている。
ん?私と優希が大変?
私は自分の手を見てグッパと開いたり閉じたりしてが、特に変わった様子も感じず、ついでに身体をペタペタと触ってみても変わったところは見当たらない。
ルルに大変と言われている状況が飲み込めずに、その場で呆然としていると、テントの方から雄介の声が聞こえた。
「ルルちゃん、朝っぱらからどうしたのぉ」
「あぁ、お兄ちゃんは元のままだ。良かったぁ」
「んん?元のまま?」
「あっ!今はそれどころじゃ無かった、お兄ちゃん!二度寝しないで!早く起きて!」
テントの中で、ドタンバタンともの音がした後、雄介がルルに引っ張られる様にテントから抜け出してくる。
「お、雄介おはよう」
「ふわぁ。おはよう・・・って誰?・・・ってかオヤジ!?」
私が片手を上げて雄介に挨拶すると、雄介は半ば寝ぼけているのか欠伸しながら挨拶をした後、綺麗な二度見をして口をあんぐり開けて驚いている。
雄介の驚きを見て私と優希に何かあったのは解ったが、何が起きているのか皆目見当がつかないまま、ルルをみると、「取り敢えず、家に行きましょ」と言って私と雄介の手を取って歩き出した。
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