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村づくり 初級編
山田一家の悲喜交々 2
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「なるほどねぇ」
マシューが息をついて、しみじみと頷く。
「確かに、エルフ達の村で住めない時は諦めて国に帰る予定だったからなぁ、貴族云々は可能性としては高かったな」
「それにしても、神殿てのは困ったのう」
珍しくダンゴが難しい顔をして悩み始める。
「神殿は難しいですか?」
私がダンゴに向かって問いかけると、ダンゴは頷き「神殿といえば石造りじゃからなぁ、それに今いる人間でまともに創造神様の石像を作れる奴がいるか?」
ダンゴの言葉に全員が首を振る。
「とまぁ、そういうことじゃ」
うーん、確かに。
「因みに、木造の神殿や御神体ではダメなんですか?」
雄介が手を挙げてダンゴに質問する。確かに我々日本人としては神社等の建物は木造だから違和感がないが、現地の人々はどうだろう?
「うむ、見た事は無いのう」
ダンゴは髭を扱きながら思案する。
「それなんだが、俺たちゃ別にイズミール教の信者って訳じゃねぇんだから、石造りに拘らなくても良いんじゃねぇか?」
「イズミール教とは何ですか?」
ラルフの言ったイズミール教という単語に思わず質問してしまった。
「あ?あぁ、洋一さん達は知らねぇよな、イズミール教ってのはこのマルス大陸で一番に信仰されている、創造神様と慈愛と豊穣を司るミミエル様を祀っている宗教団体だよ」
「えぇ!?」
「「ブッ!」」
私が驚いて声を上げた後ろで優希と雄介が飲んでいたお茶を盛大にぶちまける。
「ケホッ、そ、その話本当?」
むせ返っていた優希が気を取り直してラルフに尋ねると、ラルフは頷きつつ「もしかして・・・ミミエル様にもお会いした事があるのか?」と神妙に聴いてきた。
「あー、その、実は、今ここの物資を調達してくれているのはミミエルさ・・・様なんだよね」
「「「ブッ!」」」
ラルフの後ろで、エルフ娘達を含め全員が吹き出す。
「マジか・・・」
目が点になっているラルフを筆頭に、エルフ娘達も「ど、どうしよう!私この前キャミソール頼んじゃった」「私もパンツの色まで指定しちゃったよ」とバチが当たるなど大騒ぎになっている。
このままでは収拾がつかないと思った私は、
「ま、まぁその件は私の方から謝っておくし、ついでに神殿に関しても聞いておくよ」
と、話を元に戻す事にして、日本人の転移について話を進めた。
「その辺は洋一さん達に任せるわ」
折角話を進めたのに、ミリーがバッサリと話を切ってくる。
「えぇ?何で?」
思わずミリーに聞き返すと「だって、転移してくる日本人でしょ?私達じゃどうしようもないじゃん。それに私達が出来ることは魔法の使い方を教えるぐらいじゃないの?」と言って肩を竦める。
「そう言われると、確かにそうなんだけど」
私が少し納得いかないって顔でいると、アンナが「日本人が来たら歓迎会をしましょう!」と言って場を和ませてくれた。
私はアンナに感謝しつつ、日本人に関しては私と優希が中心に対応する事として、エルフの村への遠征は予定通り行う事で話を締めくくり、朝の打合せを終了した。
朝食後、私はダイアナ、アンナと共に、日課である畑の整備に向かう。
「それにしてもお父さん、本当に若返ったねぇ」
アンナはニコニコ笑いながら私の腕にしがみ付いてくる。
「うーん、いまいち実感が湧かないんだけどねぇ」
アンナのいない方の手で自分の顔を触る。
「ハァ~」
そんな私を見て、ダイアナが盛大なため息を吐いているので「ダイアナどうした?」と聞いてみたが「何でもないです」と言って畑仕事を始めてしまった。
うん?と私が首を傾げていると、横にいたアンナが肩を窄めながら「乙女の悩みですよ」と言って草むしりを始めた。
うーん、年頃の娘は解らんなぁ。
その頃、優希はタブレットの前でひとり悩んでいた。
「あ~ん、どうしよう~。朝の話、聞かなきゃ良かったなぁ」
優希は、朝食の時にミミエルが現地の神様であると聴いて、自分の洋服を注文するのを躊躇していた。
「うーん。ま!今更か」
優希はタブレットのFac◯Timeでミミエルを呼び出す。
「あら?珍しい、優希さんどうなさったの・・・優希さん?ですよね?」
Fac◯Timeに出たミミエルは優希の顔を見て、目を丸くする。
「ミミエルさんご無沙汰してます。優希ですよ。ミミエルさんはニエル様からのプレゼントの話を聞いてません?」
優希の話でハッと気が付いたミミエルは頷きつつ、
「内容までは知らされていませんでしたが、ニエル様の祝福は『若返り』でしたか」
と言って、微笑みながら若返りの効果について話し出す。
「ニエル様の『若返り』の祝福は単に見た目が若返るのではなく、身体の内側・・・そうですね、優希さん達からすれば細胞自体が若返ると言った方が解りやすいですね、その為、肉体的にも一番充実した時まで若返ります」
ミミエルの説明に優希はおぉ!と感動し、思わず自分の顔をペタペタと触ってしまう。
「フフッ良かったですね。因みに身体自体が若返っていますから、子供を授かっても問題ありませんよ?」
「ブッ!」
ミミエルの発言に思わず吹き出した優希だったが、顔を赤くしながらも赤ちゃんの事を考えてしまう。
「それで、今日はその報告ですか?」
ミミエルは微笑みながら優希に今日の連絡について聴いてきたので、優希は慌てて本題を話し出す」
「あの、ミミエルさんて、この世界では神様なんですか?」
急な質問にミミエルは一瞬キョトンとしが、直ぐに察して「えぇ、慈愛と豊穣を司っています」と微笑みながら肯定する。
「やっぱり・・・それで、その、今更なんですが、買い物代行なんてして頂いて問題ないでしょうか」
優希は神妙な面持ちで聞いてみる。
「えぇ、問題ありませんよ?お買い物も楽しいですし、こちらの食事も美味しいですしね、それに山田さんご一家には今まで通りに接していただけると嬉しいです」
ミミエルの回答に優希はホッと安堵して、神殿の事や自分の洋服などの話を始めた。
マシューが息をついて、しみじみと頷く。
「確かに、エルフ達の村で住めない時は諦めて国に帰る予定だったからなぁ、貴族云々は可能性としては高かったな」
「それにしても、神殿てのは困ったのう」
珍しくダンゴが難しい顔をして悩み始める。
「神殿は難しいですか?」
私がダンゴに向かって問いかけると、ダンゴは頷き「神殿といえば石造りじゃからなぁ、それに今いる人間でまともに創造神様の石像を作れる奴がいるか?」
ダンゴの言葉に全員が首を振る。
「とまぁ、そういうことじゃ」
うーん、確かに。
「因みに、木造の神殿や御神体ではダメなんですか?」
雄介が手を挙げてダンゴに質問する。確かに我々日本人としては神社等の建物は木造だから違和感がないが、現地の人々はどうだろう?
「うむ、見た事は無いのう」
ダンゴは髭を扱きながら思案する。
「それなんだが、俺たちゃ別にイズミール教の信者って訳じゃねぇんだから、石造りに拘らなくても良いんじゃねぇか?」
「イズミール教とは何ですか?」
ラルフの言ったイズミール教という単語に思わず質問してしまった。
「あ?あぁ、洋一さん達は知らねぇよな、イズミール教ってのはこのマルス大陸で一番に信仰されている、創造神様と慈愛と豊穣を司るミミエル様を祀っている宗教団体だよ」
「えぇ!?」
「「ブッ!」」
私が驚いて声を上げた後ろで優希と雄介が飲んでいたお茶を盛大にぶちまける。
「ケホッ、そ、その話本当?」
むせ返っていた優希が気を取り直してラルフに尋ねると、ラルフは頷きつつ「もしかして・・・ミミエル様にもお会いした事があるのか?」と神妙に聴いてきた。
「あー、その、実は、今ここの物資を調達してくれているのはミミエルさ・・・様なんだよね」
「「「ブッ!」」」
ラルフの後ろで、エルフ娘達を含め全員が吹き出す。
「マジか・・・」
目が点になっているラルフを筆頭に、エルフ娘達も「ど、どうしよう!私この前キャミソール頼んじゃった」「私もパンツの色まで指定しちゃったよ」とバチが当たるなど大騒ぎになっている。
このままでは収拾がつかないと思った私は、
「ま、まぁその件は私の方から謝っておくし、ついでに神殿に関しても聞いておくよ」
と、話を元に戻す事にして、日本人の転移について話を進めた。
「その辺は洋一さん達に任せるわ」
折角話を進めたのに、ミリーがバッサリと話を切ってくる。
「えぇ?何で?」
思わずミリーに聞き返すと「だって、転移してくる日本人でしょ?私達じゃどうしようもないじゃん。それに私達が出来ることは魔法の使い方を教えるぐらいじゃないの?」と言って肩を竦める。
「そう言われると、確かにそうなんだけど」
私が少し納得いかないって顔でいると、アンナが「日本人が来たら歓迎会をしましょう!」と言って場を和ませてくれた。
私はアンナに感謝しつつ、日本人に関しては私と優希が中心に対応する事として、エルフの村への遠征は予定通り行う事で話を締めくくり、朝の打合せを終了した。
朝食後、私はダイアナ、アンナと共に、日課である畑の整備に向かう。
「それにしてもお父さん、本当に若返ったねぇ」
アンナはニコニコ笑いながら私の腕にしがみ付いてくる。
「うーん、いまいち実感が湧かないんだけどねぇ」
アンナのいない方の手で自分の顔を触る。
「ハァ~」
そんな私を見て、ダイアナが盛大なため息を吐いているので「ダイアナどうした?」と聞いてみたが「何でもないです」と言って畑仕事を始めてしまった。
うん?と私が首を傾げていると、横にいたアンナが肩を窄めながら「乙女の悩みですよ」と言って草むしりを始めた。
うーん、年頃の娘は解らんなぁ。
その頃、優希はタブレットの前でひとり悩んでいた。
「あ~ん、どうしよう~。朝の話、聞かなきゃ良かったなぁ」
優希は、朝食の時にミミエルが現地の神様であると聴いて、自分の洋服を注文するのを躊躇していた。
「うーん。ま!今更か」
優希はタブレットのFac◯Timeでミミエルを呼び出す。
「あら?珍しい、優希さんどうなさったの・・・優希さん?ですよね?」
Fac◯Timeに出たミミエルは優希の顔を見て、目を丸くする。
「ミミエルさんご無沙汰してます。優希ですよ。ミミエルさんはニエル様からのプレゼントの話を聞いてません?」
優希の話でハッと気が付いたミミエルは頷きつつ、
「内容までは知らされていませんでしたが、ニエル様の祝福は『若返り』でしたか」
と言って、微笑みながら若返りの効果について話し出す。
「ニエル様の『若返り』の祝福は単に見た目が若返るのではなく、身体の内側・・・そうですね、優希さん達からすれば細胞自体が若返ると言った方が解りやすいですね、その為、肉体的にも一番充実した時まで若返ります」
ミミエルの説明に優希はおぉ!と感動し、思わず自分の顔をペタペタと触ってしまう。
「フフッ良かったですね。因みに身体自体が若返っていますから、子供を授かっても問題ありませんよ?」
「ブッ!」
ミミエルの発言に思わず吹き出した優希だったが、顔を赤くしながらも赤ちゃんの事を考えてしまう。
「それで、今日はその報告ですか?」
ミミエルは微笑みながら優希に今日の連絡について聴いてきたので、優希は慌てて本題を話し出す」
「あの、ミミエルさんて、この世界では神様なんですか?」
急な質問にミミエルは一瞬キョトンとしが、直ぐに察して「えぇ、慈愛と豊穣を司っています」と微笑みながら肯定する。
「やっぱり・・・それで、その、今更なんですが、買い物代行なんてして頂いて問題ないでしょうか」
優希は神妙な面持ちで聞いてみる。
「えぇ、問題ありませんよ?お買い物も楽しいですし、こちらの食事も美味しいですしね、それに山田さんご一家には今まで通りに接していただけると嬉しいです」
ミミエルの回答に優希はホッと安堵して、神殿の事や自分の洋服などの話を始めた。
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