定年退職後の生活は異世界でした

青山ねこまる

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村づくり 初級編

山田雄介 西へ! 5

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 昨晩起きた不思議な体験から一夜が明けて、真っ暗だった森が徐々に明るくなり始めた頃、雄介達は朝食を簡単に済ませ出発の準備を始めていた。

 雄介は昨晩の事に関して何となく誰にも話す気になれず、黙々と準備を進めている。

 「雄介さん、何か心配事でもありますか?」

 ラナは朝から妙に口数の少ない雄介を気遣って話しかけた。

 「え?、いや、何にもないよ?」

 黙々と準備を進めていた雄介は、ラナから急に話し掛けられて驚きながらも大丈夫だと返事をする。

 「それなら良いのですが・・・」

 心配そうなラナの顔を見て、雄介は余計な心配を掛けない様に、意識して昨晩の出来事を忘れることにした。

 「全員準備できたか?昨日は俺たちの村から出てからそれ程離れてねぇから、今日から本格的に距離を稼いでいくぞ」

 ラルフが自分の荷物を背負いながら、全員に向かって話し始め「今日の目標は昨日の倍の距離だ」とニヤッと笑いながら全員を見渡す。

 「ラルフさん、私もラナも大丈夫!バリバリ歩くよ~!」

 エリサが元気よく答え、ラナも真面目な顔で頷く。

 雄介も頷きながら「問題ありません」と自分のリュックを背負い、銃を肩にかける。

 「よし!それじゃ出発だ。順番は昨日と同じ、俺、マシュー、ラナ、エリサ、雄介だ。雄介、殿頼んだぞ!」

 「了解!」

 ラルフの号令でそれぞれが歩き始め、雄介は最後に不思議な体験をした方向をチラリと見てから歩き始めた。




 「みんな!ご飯の準備は出来た?それじゃあ!いただきます!」

 「「「いただきまーす!」」」
 
 恒例となりつつあるアンナの号令で、ワイワイと朝食が始まった。

 ただ今日の朝食はいつもと少し違って、朝からイーグルとミミーの二人が参加している。

 「イーグルはお仕事をお願いしているからアレだけど、ミミーちゃんは朝から来るのは珍しいね」

 私は食パンにバターとジャムを塗ってミミーに手渡しながら話しかける。

 「うん。今日はレイチェルちゃん達と木の実を取りに行くの」

 ミミーは羽の先で器用に食パンを持ちながら、美味しそうに食べ始める。

 「へー、そうなんだ。他には誰が行くのかな?」

 次の食パンにバターとジャムを塗りながらミミーに聞いてみると、年少組だけで行くと約束していたらしい。

 イーグルに食パンを渡しながらルルを呼んでミミーの話を聞いてみる。

 「結界の中だから大丈夫だよ。パパ、行っちゃだめ?」ルルは上目遣いで聞いてくる。

 おぉう、流石女の子、もうそんなテクニックを使ってくるとは。

 私は次の食パンにバターを塗りながら「うーん、野生動物もいるからなぁ・・・」と悩んでいると、

 「狩りのついでに皆んなの面倒見ますよ?」と、アマンダがコーヒー片手に提案して来てくれた。

 「ありがとうアマンダ、ルルもそれで良いね?」

 私は食パンをルルに渡しながら聞いてみると、食パンと一緒に首を動かして口をパクパクしているミミーの口にパンを入れたルルは「アマンダお姉ちゃんありがとう」とアマンダにお礼をいう。

 「イイよ、それより何の実を摂るの?」

 ルルのお礼にアマンダは手を振りながら、ミミーを交えた年少組と採集の話で盛り上がり始めた。

 二人とも仲直りしてたみたいで良かった。

 私は食パンにバターを塗りながら、二人を暖かい目で見てい「パンを早くおくれ」あーハイハイ。


 

 皆んなの朝食も終わり、アマンダ率いる年少組が早々に出発して、私とダイアナ、アンナの農作業組もそろそろ始めようかとしている所に、優希とミリーがお弁当の入ったバスケットを持って外に出てきた。

 「イーグル君、このバスケットだけど持てるかな?」

 優希達はイーグルに、二つあるバスケットを見せて運べるか聞いている。

 「うむ、テーブルに並べて・・・もうチョット離して・・・うん、そんな感じで」

 イーグルの指示でバスケットをテーブルに置いたところで、イーグルが翼を広げバサッと飛び上がる。

 一旦飛び上がったイーグルは、ユックリとテーブルの上のバスケット目掛けて降下して、足の角爪で器用にバスケット掴みあげると上空に舞い上がり、私たちの上をユックリ旋回する。

 「お!流石!それじゃイーグル君、雄介達のお弁当配達よろしくね!」

 優希がイーグルに向かって声を張り上げると「わかった!お弁当を渡してくるぞ!」とイーグルは大きく旋回してから雄介の向かった先へ飛び立って行った。




 早朝から歩き始めた雄介達は、途中魔物に出会う事も無く順調に進んでいた。

 「そろそろお昼休憩にしますか」

 腕時計で十二時を少し過ぎたところで、雄介はラルフに声をかけた。

 雄介の提案にラルフは上空をチラッと見て「もうそんな時間か」と一人呟いた後、後ろを振り返り「休憩出来そうな場所を見つけて昼飯だ」と伝え、休めるところを探し始めた。

 雄介達も休めそうな場所を探してしばらく歩いていくと、大きな岩がある少し開けた場所に出てきた。

 「昼飯にはちょうど良さそうだな。よし、ここで休憩しよう」

 ラルフの一声で休憩を決めた途端、エリサはリュックを下ろしてその場に座り込む。
 
 「はぁ、やっとお昼だ!もうお腹ペコペコだよ」

 「なんだ?もうへばったか?」

 マシューがペットボトルで水を飲みながらエリサを揶揄うと「ただお腹が減っただけですぅ」とエリサが口を尖らせる。

 雄介は軽口を言い合ってる二人を横目に残り少なくなったペットボトルの水を一気に飲み干そうとして上を向いていると、上空から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
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