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プロローグ
証拠です
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「あ、梓希は…このまま…警察に連れて行く…わ…」
お、落ち着けよ…俺…。円香さんは一体何を言ってるんだ!?
「ちょっと待って下さい!な、なんでですかっ!?梓希を警察に連れて行くって!」
「…梓希から…無理矢理唇を奪われた?違う」
「それは…油断して…」
「…だからよ…。油断したとかの問題じゃないのよ…。男性である豊和君の意思を無視して梓希はキスをしてしまった…。これは立派な犯罪なの…」
「で、ですがっ!?」
「私が…いえ…とにかくそういう事…」
円香さんが梓希を抱えたままその場を後にしようとする。駄目だ…。このままじゃあ本当に梓希は…。
そもそも俺が柚希を抱えていたとはいえ、元々下着一枚姿でリビングに来てしまったのが悪いって話だろう!?
「ま、待って下さい!円香さん!さっきは円香さんという親が居る手前、正直に言えませんでしたが、無理矢理じゃなくて俺が梓希にキスして欲しいと言いました!」
「っ!?そ、そんな嘘をついても…」
俺は円香さんとの距離を詰める。
「いえ、嘘じゃありません。ちょっと失礼しますね?これが証拠です」
「な、なにを…?」
いまだ気絶したまま、円香さんに抱えられてぐったりしている梓希と顔の高さを合わせるように跪く。それから梓希の頬にそっと両手を添えて、優しくクイッとあげながら、自身の唇を梓希の唇に合わせる。
ちゅっ…ちゅっ…ちゅっ…
円香さんに分かりやすいようにわざとリップ音が鳴るように口づける…。
「──んっ…」
三回目の口づけとともに微かな声みたいなものが梓希から洩れたような気がするが構わずそのまま四回目の口づけ。そろそろいいか?最後とばかりに五回目の口づけを交わすと──
「はわわっ!?ととととと、豊和さんに!?わわわ私っ、きききききき、キシュされてりゅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」
梓希がそのタイミングで目覚めた。俺は円香さんに顔を向け、
「──と、こんな感じで俺が梓希の唇を奪いました。これでどうか…」
「……分かったわ……ありがとうね…?豊和君…。豊和君のおかげで梓希を連れて行かなくてもよくなったわ…」
「いえ、元々本当に俺が悪いんです。タガが外れる事は聞いていたんですから…。ただ…」
「ただ…?」
「梓希の唇を本人の許可なく何度も奪ってしまったのは、なんだか申し訳なかったなと…」
「…ぷっ…クスクス──」
円香さんの表情がようやく緩み、俺の言葉に笑い出してしまう…。尚、梓希は俺からキスされた事により現在トリップ中だ。
「ああ…おかしい…。豊和君。男性から唇を奪われるなんて女性からしたらご褒美にしかならないわよ。特に豊和君みたいな優しい男性からならね」
「…照れますがそう言ってもらえると助かります」
「──さて…じゃあ脱衣所に行って服を着て来てくれる?私も豊和君のその姿は毒みたいだから…。さっきから必死に耐えてるのよね…」
「あっ!?すぐに…」
俺はすぐに脱衣所に戻って寝間着を着用。それからまたリビングへ。するとそこには正座して神妙な面持ちをした梓希の姿があった…。
「ご、ごめんなさい…豊和さん…私…」
どうやら全て覚えてらっしゃるようだ…。
「ええと…謝らなくてもいいよ?」
「で、でも…」
「梓希が謝るなら俺も謝らないといけないしね?梓希の唇を奪ったわけだし」
「そ、そんな!?豊和さんが謝る事なんて」
「同じ同じ。だから梓希ももう謝らないでね」
「でもですね…」
食い下がる梓希。しょうがない。少し意地悪な言い方をさせてもらうか…。
「それとも…嫌だった…?俺とキスするのは」
「うぐっ!?」
「俺は梓希とキスできて嬉しかったよ?」
「はぅっ!?」
「それなのに…謝るの…?」
「…ず、ズルいです…そんな言い方されたら…謝れません…」
「だから謝らなくていいんだって。なんならもう一回しとく?」
「~~~っ!?」
ボッと音を立てるかのように顔を赤くする梓希。
「──豊和君…?そのくらいで…。それ以上はまた大変な事になりかねないから。ね?」
「すいません、つい」
円香さんからストップがかかる。そこで梓希の息遣いが少し荒くなってる事に気がついた。
危ない…。また発情させてしまうところだった…。難しいな、この世の中。その辺りの基準というかラインが俺にはまだ分からない。
「今日は色々あって疲れたでしょうから豊和君は私に付いてきてくれる?豊和君が寝る場所はもう用意してるから」
俺は梓希におやすみの挨拶をして、円香さんに連れられ天使家の二階へと向かう。梓希に挨拶をした時…「おやすみの挨拶までされたぁ!?」と、いった反応があったのは御愛嬌という事だろう。ホント男性が少ない世の中なんだな…。
「この部屋よ。部屋の中に入ったら忘れないように必ず鍵を掛けてね?それからゆっくり休んでね」
梓希が暴走状態の時に円香さんは俺が寝る場所を準備してくれていた事を二階に向かう途中で聞いた。
「ありがとうございます」
お礼を言って、俺は部屋へと入り、言われた通りに鍵を閉めてベッドに横になる…。疲れていたんだろうな…。
そのまま俺は夢の中へ──
♢♢♢
「あれ…?梓希がいない…?まさか…!?」
急ぎお風呂場へと向かうとお風呂場から梓希の嬌声が水音とともに聞こえてくる…。
「んっ~~~♡ あっ…♡ 豊和さん…♡んんっ~~~~~~♡♡♡」
ピチャピチャピチャ♡くちゅくちゅくちゅ♡
「──くっ…やられた…。私が豊和君を部屋へと送ってる間にお風呂に入るとは…。勝者は柚希だったけど…当の柚希はいまだ気絶しているし…」
──そんなやり取りがあったとかなかったとか…。
お、落ち着けよ…俺…。円香さんは一体何を言ってるんだ!?
「ちょっと待って下さい!な、なんでですかっ!?梓希を警察に連れて行くって!」
「…梓希から…無理矢理唇を奪われた?違う」
「それは…油断して…」
「…だからよ…。油断したとかの問題じゃないのよ…。男性である豊和君の意思を無視して梓希はキスをしてしまった…。これは立派な犯罪なの…」
「で、ですがっ!?」
「私が…いえ…とにかくそういう事…」
円香さんが梓希を抱えたままその場を後にしようとする。駄目だ…。このままじゃあ本当に梓希は…。
そもそも俺が柚希を抱えていたとはいえ、元々下着一枚姿でリビングに来てしまったのが悪いって話だろう!?
「ま、待って下さい!円香さん!さっきは円香さんという親が居る手前、正直に言えませんでしたが、無理矢理じゃなくて俺が梓希にキスして欲しいと言いました!」
「っ!?そ、そんな嘘をついても…」
俺は円香さんとの距離を詰める。
「いえ、嘘じゃありません。ちょっと失礼しますね?これが証拠です」
「な、なにを…?」
いまだ気絶したまま、円香さんに抱えられてぐったりしている梓希と顔の高さを合わせるように跪く。それから梓希の頬にそっと両手を添えて、優しくクイッとあげながら、自身の唇を梓希の唇に合わせる。
ちゅっ…ちゅっ…ちゅっ…
円香さんに分かりやすいようにわざとリップ音が鳴るように口づける…。
「──んっ…」
三回目の口づけとともに微かな声みたいなものが梓希から洩れたような気がするが構わずそのまま四回目の口づけ。そろそろいいか?最後とばかりに五回目の口づけを交わすと──
「はわわっ!?ととととと、豊和さんに!?わわわ私っ、きききききき、キシュされてりゅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」
梓希がそのタイミングで目覚めた。俺は円香さんに顔を向け、
「──と、こんな感じで俺が梓希の唇を奪いました。これでどうか…」
「……分かったわ……ありがとうね…?豊和君…。豊和君のおかげで梓希を連れて行かなくてもよくなったわ…」
「いえ、元々本当に俺が悪いんです。タガが外れる事は聞いていたんですから…。ただ…」
「ただ…?」
「梓希の唇を本人の許可なく何度も奪ってしまったのは、なんだか申し訳なかったなと…」
「…ぷっ…クスクス──」
円香さんの表情がようやく緩み、俺の言葉に笑い出してしまう…。尚、梓希は俺からキスされた事により現在トリップ中だ。
「ああ…おかしい…。豊和君。男性から唇を奪われるなんて女性からしたらご褒美にしかならないわよ。特に豊和君みたいな優しい男性からならね」
「…照れますがそう言ってもらえると助かります」
「──さて…じゃあ脱衣所に行って服を着て来てくれる?私も豊和君のその姿は毒みたいだから…。さっきから必死に耐えてるのよね…」
「あっ!?すぐに…」
俺はすぐに脱衣所に戻って寝間着を着用。それからまたリビングへ。するとそこには正座して神妙な面持ちをした梓希の姿があった…。
「ご、ごめんなさい…豊和さん…私…」
どうやら全て覚えてらっしゃるようだ…。
「ええと…謝らなくてもいいよ?」
「で、でも…」
「梓希が謝るなら俺も謝らないといけないしね?梓希の唇を奪ったわけだし」
「そ、そんな!?豊和さんが謝る事なんて」
「同じ同じ。だから梓希ももう謝らないでね」
「でもですね…」
食い下がる梓希。しょうがない。少し意地悪な言い方をさせてもらうか…。
「それとも…嫌だった…?俺とキスするのは」
「うぐっ!?」
「俺は梓希とキスできて嬉しかったよ?」
「はぅっ!?」
「それなのに…謝るの…?」
「…ず、ズルいです…そんな言い方されたら…謝れません…」
「だから謝らなくていいんだって。なんならもう一回しとく?」
「~~~っ!?」
ボッと音を立てるかのように顔を赤くする梓希。
「──豊和君…?そのくらいで…。それ以上はまた大変な事になりかねないから。ね?」
「すいません、つい」
円香さんからストップがかかる。そこで梓希の息遣いが少し荒くなってる事に気がついた。
危ない…。また発情させてしまうところだった…。難しいな、この世の中。その辺りの基準というかラインが俺にはまだ分からない。
「今日は色々あって疲れたでしょうから豊和君は私に付いてきてくれる?豊和君が寝る場所はもう用意してるから」
俺は梓希におやすみの挨拶をして、円香さんに連れられ天使家の二階へと向かう。梓希に挨拶をした時…「おやすみの挨拶までされたぁ!?」と、いった反応があったのは御愛嬌という事だろう。ホント男性が少ない世の中なんだな…。
「この部屋よ。部屋の中に入ったら忘れないように必ず鍵を掛けてね?それからゆっくり休んでね」
梓希が暴走状態の時に円香さんは俺が寝る場所を準備してくれていた事を二階に向かう途中で聞いた。
「ありがとうございます」
お礼を言って、俺は部屋へと入り、言われた通りに鍵を閉めてベッドに横になる…。疲れていたんだろうな…。
そのまま俺は夢の中へ──
♢♢♢
「あれ…?梓希がいない…?まさか…!?」
急ぎお風呂場へと向かうとお風呂場から梓希の嬌声が水音とともに聞こえてくる…。
「んっ~~~♡ あっ…♡ 豊和さん…♡んんっ~~~~~~♡♡♡」
ピチャピチャピチャ♡くちゅくちゅくちゅ♡
「──くっ…やられた…。私が豊和君を部屋へと送ってる間にお風呂に入るとは…。勝者は柚希だったけど…当の柚希はいまだ気絶しているし…」
──そんなやり取りがあったとかなかったとか…。
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