53 / 166
第二章
呼び出されたのは
しおりを挟む
『ようやく…見つけたよ…お兄ちゃん』というコメントに目を奪われたものの、何とか配信をやりこなしていく…。
「──今回の配信はここまでとなります」
コメントにはまだ質問し足りないやまだ声を聞いていたいなどのコメントが目立つ。
「それと配信を終える前に告知だけさせて下さい」
∶んっ?
∶なになに?
∶ワクワクワク
∶何の告知だろう?
∶オリジナルグッズの販売…?
∶グッズなら買う!
∶もしかして…ティンポTシャツ…?
∶アクスタ?
∶缶バッジ…?
∶精子香水?
∶なにそれ…めっちゃ欲しいんだけど!?
∶私も
∶俺も
∶わたくしも!
∶ティンポTシャツに精子香水考えたやつ…天才か…!?
∶天才現る!?
∶発想が天才のそれ!
いやいや…そんなもん誰が買うんだよ…。発売しないよ?発想が天才どころかズレてるだろっ!?
いや…コレが世の中の普通か…?
と、とにかく違う!
「告知というのはですね…。先日管理局に提出した俺の精子についてになります」
∶!?
∶!
∶つ、ついに…
∶その時が来たっ!?
∶孕めるのっ!?
「気がついた方というか…コメントを見てると全員気がつかれたみたいですね。そうです。この配信が終わると同時に、管理局のホームページにて…お、俺の精子を使って人工授精を希望されるという方を募集するそうです」
∶キタ――(゚∀゚)――!!
∶きたーーーーーーぁぁぁぁぁ!
∶待機!
∶待ってた
∶倍率凄そう
「倍率気にされてる方がいらっしゃいますが…ええと…今回駄目でも…すぐにまた募集を掛けるそうですので」
∶あっ…
∶そうだった
∶化け物だった…
∶でも…
∶記念すべき
∶第一回…
「──と、いう事で配信を終えます!ご視聴下さりありがとうございました──」
配信を終えてすぐに俺は冴子さんに…
「──冴子さん!」
「──分かってるわ。あのコメントの事ね」
流石だ。仕事ができる女性というのは察しもいいよな。こういうところがカッコいいんだよな。
「でも…」
「どうかしました?」
「言ってなかったけど…豊和君が記憶喪失だと世間が知った直後から、管理局のホームページにはその手の連絡が後を絶たないのよ。勿論電話や手紙の問い合わせもね」
「ええと…身内を名乗る…って事ですか?」
「ええ。あわよくば豊和君を手に入れようとしているのよ。当然念の為に全部調べてるんだけど、いますのところ全部ガセだったわ」
「…そうなんですね」
「だから…その…ガセでも落ち込んだりしないでね?」
「はい…その点は大丈夫ですよ」
「うん。じゃあ…早速、コメントして来た人に連絡を取って調べてみるわね」
「お願いします」
なんとなくだけど…気になるんだよな…。
♢♢♢
それから二日後…。管理局本部にて──
「──はじめまして。管理局局長の冴島冴子よ」
私の目の前にはピンクの髪を三つ編みにしている女の子の姿が。女の子は緊張しているのがその表情から読み取れる。少しでも緊張が解けるようにと、優しい笑みを浮かべながら私は優しい声で名乗る事に。
「は、はじめまして!穴田野優花と、言います。どうぞ宜しくお願いします」
「宜しくね。優花ちゃんと呼ばせてもらうわね」
「は、はい」
彼女に会う前にすでに彼女の事は調べている。現在十三歳。中学一年生。彼女の両親はというと不慮な事故で二年前に亡くなっている…。問題は彼女の家…と、いうか…彼女の母親に豊和君を出産した記録がない事ね…。
まあ、男性を産んだ家庭は意図的にそうやって男性の存在を隠す事もあるから厄介なのよね。特に豊和君みたいな男性が生まれたとあらば私でもそうするかも知れなかったわね。
「そ、それで…その…お兄ちゃんは…?」
「ここには来てないわ」
「…そう…ですか…」
「先日預かった写真に不備というか、合成されたような後はなかったわ」
「と、当然ですぅ…私とお兄ちゃんは一緒に暮らしてたし…一緒にお風呂にも入ってたんですから!写真は本物に決まってじゃないですか!」
「優花ちゃん落ち着いて?疑ってるわけではないから。私個人としては優花ちゃんは嘘を言ってないとは思ってはいるのだけど」
「そ、それなら…先日言ったように、私達が一年前に暮らして家を調べてもらえば──」
「──酷な事を伝えるけど…家はないの」
「…へっ? い、家が…ない…?」
「…ええ。火事だそうよ。その家の数軒隣から火の手があがり…風も強かった事もあり燃え広がったそうよ」
「そ、そんな…知らなかった…」
彼女を引き取った彼女の母親の妹さんが、優花ちゃんが知ったらショックを受けると思って隠してたみたいね…。
これからもう一つ…彼女にはとてもショックな事実を伝えないといけないのよね…。
「それとね…」
「は、はい…」
「優花ちゃんと豊和君に…」
「はい」
「血縁関係はなかったわ…」
「う、嘘ですっ!?そんなのっ…!?私知らない!?ずっと…ずっと兄妹として一年前まで楽しく幸せに暮らしてたのにっ!…どうしてっ…!?」
「…こんな時に言うのは気が引けるんだんけど…許可をもらいたいの…」
「…許可?」
「優花ちゃんの両親が眠っているお墓から」
「──DNAかなにかの検査ですか?」
「…ええ」
「…宜しくお願いします…そうしないと…お兄ちゃんには会えないんですよね…?」
「あっ…ごめんなさい。それを抜きにしても豊和君には会わせるわよ」
「っ!?いいんですか!?」
「あなたは危害は加えないでしょ?念の為に人は付けるけど」
「勿論です!そんな事しません!」
「それじゃあ大丈夫よ。学校にも行ってるしね。それとは別に他にないかしら…?両親の事とか…豊和君の事で分かる事というか…」
彼女の両親の事を調べたんだけど、家も燃えているし、あんまり人付き合いしてなかったみたいであんまり分からなかったというのが正直なところなのよね。優花ちゃんのおばさんにも話は聞いたんだけど、豊和君を妊娠してた事も豊和君を産んだ事も事後報告だったらしいのよね…。
事件性がなければいいのだけれど…
「あっ…」
「何か思い出した?」
「別荘があった筈です!」
「別荘…?」
そこに何かあるなら…
「場所は分かる…?」
「ええと…幼かったんでうろ覚えではあるんですけど…隣の県との境目らへんの山中にあった筈です」
山中…か。これよくない方向に向かってないわよね!?豊和君も言わずもがな…優花ちゃんもいい子そうだし…とにかく願うしかないわね…。良い報告ができる事を…。
「──今回の配信はここまでとなります」
コメントにはまだ質問し足りないやまだ声を聞いていたいなどのコメントが目立つ。
「それと配信を終える前に告知だけさせて下さい」
∶んっ?
∶なになに?
∶ワクワクワク
∶何の告知だろう?
∶オリジナルグッズの販売…?
∶グッズなら買う!
∶もしかして…ティンポTシャツ…?
∶アクスタ?
∶缶バッジ…?
∶精子香水?
∶なにそれ…めっちゃ欲しいんだけど!?
∶私も
∶俺も
∶わたくしも!
∶ティンポTシャツに精子香水考えたやつ…天才か…!?
∶天才現る!?
∶発想が天才のそれ!
いやいや…そんなもん誰が買うんだよ…。発売しないよ?発想が天才どころかズレてるだろっ!?
いや…コレが世の中の普通か…?
と、とにかく違う!
「告知というのはですね…。先日管理局に提出した俺の精子についてになります」
∶!?
∶!
∶つ、ついに…
∶その時が来たっ!?
∶孕めるのっ!?
「気がついた方というか…コメントを見てると全員気がつかれたみたいですね。そうです。この配信が終わると同時に、管理局のホームページにて…お、俺の精子を使って人工授精を希望されるという方を募集するそうです」
∶キタ――(゚∀゚)――!!
∶きたーーーーーーぁぁぁぁぁ!
∶待機!
∶待ってた
∶倍率凄そう
「倍率気にされてる方がいらっしゃいますが…ええと…今回駄目でも…すぐにまた募集を掛けるそうですので」
∶あっ…
∶そうだった
∶化け物だった…
∶でも…
∶記念すべき
∶第一回…
「──と、いう事で配信を終えます!ご視聴下さりありがとうございました──」
配信を終えてすぐに俺は冴子さんに…
「──冴子さん!」
「──分かってるわ。あのコメントの事ね」
流石だ。仕事ができる女性というのは察しもいいよな。こういうところがカッコいいんだよな。
「でも…」
「どうかしました?」
「言ってなかったけど…豊和君が記憶喪失だと世間が知った直後から、管理局のホームページにはその手の連絡が後を絶たないのよ。勿論電話や手紙の問い合わせもね」
「ええと…身内を名乗る…って事ですか?」
「ええ。あわよくば豊和君を手に入れようとしているのよ。当然念の為に全部調べてるんだけど、いますのところ全部ガセだったわ」
「…そうなんですね」
「だから…その…ガセでも落ち込んだりしないでね?」
「はい…その点は大丈夫ですよ」
「うん。じゃあ…早速、コメントして来た人に連絡を取って調べてみるわね」
「お願いします」
なんとなくだけど…気になるんだよな…。
♢♢♢
それから二日後…。管理局本部にて──
「──はじめまして。管理局局長の冴島冴子よ」
私の目の前にはピンクの髪を三つ編みにしている女の子の姿が。女の子は緊張しているのがその表情から読み取れる。少しでも緊張が解けるようにと、優しい笑みを浮かべながら私は優しい声で名乗る事に。
「は、はじめまして!穴田野優花と、言います。どうぞ宜しくお願いします」
「宜しくね。優花ちゃんと呼ばせてもらうわね」
「は、はい」
彼女に会う前にすでに彼女の事は調べている。現在十三歳。中学一年生。彼女の両親はというと不慮な事故で二年前に亡くなっている…。問題は彼女の家…と、いうか…彼女の母親に豊和君を出産した記録がない事ね…。
まあ、男性を産んだ家庭は意図的にそうやって男性の存在を隠す事もあるから厄介なのよね。特に豊和君みたいな男性が生まれたとあらば私でもそうするかも知れなかったわね。
「そ、それで…その…お兄ちゃんは…?」
「ここには来てないわ」
「…そう…ですか…」
「先日預かった写真に不備というか、合成されたような後はなかったわ」
「と、当然ですぅ…私とお兄ちゃんは一緒に暮らしてたし…一緒にお風呂にも入ってたんですから!写真は本物に決まってじゃないですか!」
「優花ちゃん落ち着いて?疑ってるわけではないから。私個人としては優花ちゃんは嘘を言ってないとは思ってはいるのだけど」
「そ、それなら…先日言ったように、私達が一年前に暮らして家を調べてもらえば──」
「──酷な事を伝えるけど…家はないの」
「…へっ? い、家が…ない…?」
「…ええ。火事だそうよ。その家の数軒隣から火の手があがり…風も強かった事もあり燃え広がったそうよ」
「そ、そんな…知らなかった…」
彼女を引き取った彼女の母親の妹さんが、優花ちゃんが知ったらショックを受けると思って隠してたみたいね…。
これからもう一つ…彼女にはとてもショックな事実を伝えないといけないのよね…。
「それとね…」
「は、はい…」
「優花ちゃんと豊和君に…」
「はい」
「血縁関係はなかったわ…」
「う、嘘ですっ!?そんなのっ…!?私知らない!?ずっと…ずっと兄妹として一年前まで楽しく幸せに暮らしてたのにっ!…どうしてっ…!?」
「…こんな時に言うのは気が引けるんだんけど…許可をもらいたいの…」
「…許可?」
「優花ちゃんの両親が眠っているお墓から」
「──DNAかなにかの検査ですか?」
「…ええ」
「…宜しくお願いします…そうしないと…お兄ちゃんには会えないんですよね…?」
「あっ…ごめんなさい。それを抜きにしても豊和君には会わせるわよ」
「っ!?いいんですか!?」
「あなたは危害は加えないでしょ?念の為に人は付けるけど」
「勿論です!そんな事しません!」
「それじゃあ大丈夫よ。学校にも行ってるしね。それとは別に他にないかしら…?両親の事とか…豊和君の事で分かる事というか…」
彼女の両親の事を調べたんだけど、家も燃えているし、あんまり人付き合いしてなかったみたいであんまり分からなかったというのが正直なところなのよね。優花ちゃんのおばさんにも話は聞いたんだけど、豊和君を妊娠してた事も豊和君を産んだ事も事後報告だったらしいのよね…。
事件性がなければいいのだけれど…
「あっ…」
「何か思い出した?」
「別荘があった筈です!」
「別荘…?」
そこに何かあるなら…
「場所は分かる…?」
「ええと…幼かったんでうろ覚えではあるんですけど…隣の県との境目らへんの山中にあった筈です」
山中…か。これよくない方向に向かってないわよね!?豊和君も言わずもがな…優花ちゃんもいい子そうだし…とにかく願うしかないわね…。良い報告ができる事を…。
42
あなたにおすすめの小説
貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…
美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。
※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。
※イラストはAI生成です
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
転生?したら男女逆転世界
美鈴
ファンタジー
階段から落ちたら見知らぬ場所にいた僕。名前は覚えてるけど名字は分からない。年齢は多分15歳だと思うけど…。えっ…男性警護官!?って、何?男性が少ないって!?男性が襲われる危険がある!?そんな事言われても…。えっ…君が助けてくれるの?じゃあお願いします!って感じで始まっていく物語…。
※カクヨム様にも掲載しております
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
学年一可愛いS級の美少女の令嬢三姉妹が、何故かやたらと俺の部屋に入り浸ってくる件について
マカロニ
恋愛
名門・雄幸高校で目立たず生きる一年生、神谷悠真。
クラスでは影が薄く、青春とは無縁の平凡な日々を送っていた。だがある放課後、街で不良に絡まれていた女子生徒を助けたことで、その日常は一変する。救った相手は、学年一の美少女三姉妹として知られる西園寺家の次女・優里だった。さらに家に帰れば、三姉妹の長女・龍華がなぜか当然のように悠真の部屋に入り浸っている。名門令嬢三姉妹に振り回されながら、静かだったはずの悠真の青春は少しずつ騒がしく揺れ始める。
男が少ない世界に転生して
美鈴
ファンタジー
※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです!
旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします!
交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。
異世界転生したら宇宙の帝王になった件~俺は今日も最強ハーレム部隊を作ってる~
こうたろ
ファンタジー
現代日本の平凡な高校生だったアヤトは、事故死後に神の手で異世界転生を果たす。目覚めるとそこは宇宙全域で戦争が繰り広げられる世界で、彼は帝国皇帝一族の10男だった。超高速思考や無限魔力といったチート能力を駆使し、個性豊かな美女たちによる秘書や艦隊を率いて銀河の危機に立ち向かう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる