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第二章
ドッキリだった…
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『──テッテレーーー!』
どこかで聞いたような音楽を口ずさみながら一人の女性が俺達が居る部屋へと入ってきた。
「「…えっ…?」」
風華と二人そんな間の抜けた声が重なってしまうのは仕方ないよな…。
「ドッキリ!大成功ーっ!!!」
女性は笑顔で言う。その女性の顔には非常に見覚えがある。見覚えがあるどころの騒ぎじゃない。それは俺だけじゃなくそれは風華も同じだろう。なんなら風華の方が付き合いが長いとも言えるだろう。柚希の親友だしな…。
ちなみに俺達を捕まえていた女性達は女性の言葉を聞くと同時にすでに俺達を解放して離れて距離を取って、空気と化している…。
「…な、何してるんですか…?円香さん…?」
「おおおおおっ、おばさんっ!?」
そう…部屋に入って来た女性は円香さんだった。柚希達と一緒に予約を取ってあるホテルに居る筈なのだが…。
ここに円香さんが居るという時点でお察しというわけか。
「円香さんは最初からドッキリと知っていたという事ですか…」
「そ、そうなのっ!?豊和の言う事は本当なのっ!?おばさん!?」
「ええ。豊和君の言う通りよ。ごめんなさいね、二人とも。まあ、これは管理局というよりかは、国から頼まれて仕組んだドッキリなのよ」
「「く、国から?」」
一瞬…冴子さんあたりが面白半分で仕出かしたのかと思ってしまっていた…。冴子さんすいません!と、心の中で謝りながら円香さんの言葉に耳を傾ける。
「こういう…ある意味意地悪な企画をすると聞いて、一番最初は断ろうとは思ったのよ。でも、その理由がこういう時ってだいたいヤラせじゃない限り素が出るでしょ?」
「それは…」
「…確かに」
「でしょ?国としてはコレがランクが高い男性の反応というのも見せたかったんでしょうね。現に豊和君は風華ちゃんを気遣ったり、風華ちゃんに手荒な真似はしないで欲しいとか、大切な女性だからだとか、風華ちゃんの代わりに自分がなんでもするからとか、女性なら誰でも言われたい言葉を風華ちゃんに掛けてあげてたでしょ?」
「んなっ!?そそそそそういえば…そんな事をあたしに言ってたわね…。あ、あたしなかんか放っておけばいいのに…(ほ、ホント…そういうところがあたしを夢中にさせるの…コイツ分かってるのかしら…)」
本心を言ったとは言え、改めてそんな風に言われると照れてしまうな…。風華は風華でなんだか熱を帯びたジト目でこちらを見ているのが気には掛かりはするが…。
と、とりあえず…一つ気になるのは…
「円香さん」
「うん?」
「円香さんがさっき言った言葉の中に『ランクが高い男性の反応というのも』と、いう言葉がありましたが、【も】ってつけたのには何か理由があるんですか?普通なら【を】をつけますよね?」
「ああ、それは特に意味はないわ。ただ、さっきも言ったようにそんな時だからこそ素が出るから、国としては直に確認もしたかったのもあるだろうし、カッコいい男性の姿を見たいが為にってとこでしょうね」
「なるほど」
円香さんがネタバラシというわけではないが、一通り話を終えるすぐに男性がこちらへと近づいて来た。そして…
「悪いな」
そう言って頭を下げるのはかける…。もとい、かけるさん。
「あっ…いえ、これは仕方ないですよ。国からの依頼みたいなもんですしね」
「ホント悪い」
言葉遣いはよくないが、その表情から申し訳ないというのが、本心からの言葉である事が分かる。コレが本心からじゃなく演技なら相当なものだろう。まあ、少なくとも俺には本心で言ってるように思えたわけだ。
「かけるさんの演技。真に迫ってましたね」
「まあ…俺は元々あんな感じだったしな。今は少しずつではあるが、これでも言葉遣いも直そうとしてるんだぜ?」
「そうなんですね」
「お前を見習ってな」
俺を見習ってるとか言われるとむず痒さを感じてしまう。
「ただ…女性への接し方というか、嫌悪感はなくならんがな。まあ、そういう所も最近は本気で俺はお前を尊敬してるんだぜ?女性とあんな風に舐め合うだとか毎日のように何回も出すとかは俺にはできそうもないけどな」
ええと…その言葉にもどういう反応を返せばいいのか戸惑ってしまうのだが…。
まあ、この後も色々とかけるさんと話をしたんだよ。連絡先も交換したんだ。俺の初の同性の友達だな。三つ歳上だから友達というよりは先輩になるか。とにかくだ。俺とかけるさんはそうして色々話し合える仲へと変わっていくわけだ。
どこかで聞いたような音楽を口ずさみながら一人の女性が俺達が居る部屋へと入ってきた。
「「…えっ…?」」
風華と二人そんな間の抜けた声が重なってしまうのは仕方ないよな…。
「ドッキリ!大成功ーっ!!!」
女性は笑顔で言う。その女性の顔には非常に見覚えがある。見覚えがあるどころの騒ぎじゃない。それは俺だけじゃなくそれは風華も同じだろう。なんなら風華の方が付き合いが長いとも言えるだろう。柚希の親友だしな…。
ちなみに俺達を捕まえていた女性達は女性の言葉を聞くと同時にすでに俺達を解放して離れて距離を取って、空気と化している…。
「…な、何してるんですか…?円香さん…?」
「おおおおおっ、おばさんっ!?」
そう…部屋に入って来た女性は円香さんだった。柚希達と一緒に予約を取ってあるホテルに居る筈なのだが…。
ここに円香さんが居るという時点でお察しというわけか。
「円香さんは最初からドッキリと知っていたという事ですか…」
「そ、そうなのっ!?豊和の言う事は本当なのっ!?おばさん!?」
「ええ。豊和君の言う通りよ。ごめんなさいね、二人とも。まあ、これは管理局というよりかは、国から頼まれて仕組んだドッキリなのよ」
「「く、国から?」」
一瞬…冴子さんあたりが面白半分で仕出かしたのかと思ってしまっていた…。冴子さんすいません!と、心の中で謝りながら円香さんの言葉に耳を傾ける。
「こういう…ある意味意地悪な企画をすると聞いて、一番最初は断ろうとは思ったのよ。でも、その理由がこういう時ってだいたいヤラせじゃない限り素が出るでしょ?」
「それは…」
「…確かに」
「でしょ?国としてはコレがランクが高い男性の反応というのも見せたかったんでしょうね。現に豊和君は風華ちゃんを気遣ったり、風華ちゃんに手荒な真似はしないで欲しいとか、大切な女性だからだとか、風華ちゃんの代わりに自分がなんでもするからとか、女性なら誰でも言われたい言葉を風華ちゃんに掛けてあげてたでしょ?」
「んなっ!?そそそそそういえば…そんな事をあたしに言ってたわね…。あ、あたしなかんか放っておけばいいのに…(ほ、ホント…そういうところがあたしを夢中にさせるの…コイツ分かってるのかしら…)」
本心を言ったとは言え、改めてそんな風に言われると照れてしまうな…。風華は風華でなんだか熱を帯びたジト目でこちらを見ているのが気には掛かりはするが…。
と、とりあえず…一つ気になるのは…
「円香さん」
「うん?」
「円香さんがさっき言った言葉の中に『ランクが高い男性の反応というのも』と、いう言葉がありましたが、【も】ってつけたのには何か理由があるんですか?普通なら【を】をつけますよね?」
「ああ、それは特に意味はないわ。ただ、さっきも言ったようにそんな時だからこそ素が出るから、国としては直に確認もしたかったのもあるだろうし、カッコいい男性の姿を見たいが為にってとこでしょうね」
「なるほど」
円香さんがネタバラシというわけではないが、一通り話を終えるすぐに男性がこちらへと近づいて来た。そして…
「悪いな」
そう言って頭を下げるのはかける…。もとい、かけるさん。
「あっ…いえ、これは仕方ないですよ。国からの依頼みたいなもんですしね」
「ホント悪い」
言葉遣いはよくないが、その表情から申し訳ないというのが、本心からの言葉である事が分かる。コレが本心からじゃなく演技なら相当なものだろう。まあ、少なくとも俺には本心で言ってるように思えたわけだ。
「かけるさんの演技。真に迫ってましたね」
「まあ…俺は元々あんな感じだったしな。今は少しずつではあるが、これでも言葉遣いも直そうとしてるんだぜ?」
「そうなんですね」
「お前を見習ってな」
俺を見習ってるとか言われるとむず痒さを感じてしまう。
「ただ…女性への接し方というか、嫌悪感はなくならんがな。まあ、そういう所も最近は本気で俺はお前を尊敬してるんだぜ?女性とあんな風に舐め合うだとか毎日のように何回も出すとかは俺にはできそうもないけどな」
ええと…その言葉にもどういう反応を返せばいいのか戸惑ってしまうのだが…。
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Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
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【これまでの主な実績】
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