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第二章
愛歌さんの
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「あんた愛歌先輩ばかり…贔屓すぎない?」
「「そんな事ないだろ(ないちょよ)?」」
「ぐぬぬっ…二人仲良くハモってるしっ」
愛歌さんのお祝いが終わった後、ホテルにもう一泊してから家へと帰ったんだ。まあ、その夜も愛歌さんとヤッちゃったわけだけど…。
それはまあ、いいか。とにかく家に帰ってから重大な事に気がついたんだ。愛歌さんの親に挨拶していない事に。プロポーズやら結婚は来たるべき日にちゃんとするつもりなのだが、その事を含めて、子供ができてる事などもちゃんと報告しておかないとと思ったんだ。
思ったら吉日ともいうし、早速愛歌さんの家へと向かっているわけなんだが、その道すがら風華が拗ねたようにそう言ってきたというわけ。
「風華の家は以前行ったじゃん」
「…そう…だけど…」
「…それに、新しい護衛の件は円香さんに頼んでるでしょ?決まったら…その…風華とも…ねっ?」
「…べべべべへ、別に!?あ、あたしはそんなにしたいわけじゃないしっ!?そ、それに、妊娠しても…あんたはあたしが…」
「それは駄目」
「むっ…」
だって、ねぇ?妊娠した女性に守ってもらうなんてとんでもない。まあ、こうして愛歌さんの家に向かってる間も離れたところから管理局の局員の女性達も一応護衛についてくれてはいるんだけどな。
「まあ、年の功というやつやけん」
「一個しか違わないじゃないですかっ!?」
そんなこんな喋りながら歩いていると、あっという間に愛歌さんの家へ到着。
「大丈夫ちょよ?そんな緊張せんでもいいけん」
「…はい」
そうは言われてもやっぱり緊張してしまうよな。娘さんを孕ませてしまいましたって言いにきたようなものだしな。世も世なら親父さんが居て、親父さんから殴られる展開もあった筈だしな。俺は中三、愛歌さんは高一だしな。
「ほら、遠慮せずに家ん中へ入ってちょ」
「ちょっ!?まだ心の準備が」
「いいからいいから」
手を引かれ強引に家の中へ。風華は呆れた表情を浮かべながら俺達の後に続く。連れて行かれた場所は居間…
「お母さぁん!私の大事な人連れて来たけん!」
「おかえっ…………」
居間に足を踏み入れると同時に、こちらを見て言葉を途中で詰まらせると、持っていたセンベエを畳の上に落とすふくよかな女性の姿が視界に入ってきた。
た、多分…彼女が愛歌さんの母親なんだろう。
「なっ、なっ、なっ…」
「スリセブン?」
愛歌さん?お袋さんは七七七じゃなくて…言葉が出てこないだけかと…。だって驚いてるのが見てとれるし。それにもっと言うならそのツッコミはいかがなものかと…。
「なっ…ぬわぁんで豊和きゅんがここに!?」
うん?きゅんって言った?言ったよな?
「豊和きゅんって…。歳を考えて欲しいちょよ、お母さん」
「やかまいわっ!!歳は関係ないでしょっ!?それより私の質問に答えなさい!?豊和きゅんが居るのは何故何故なぁーぜっ!?」
「えっ?私言ったけんね?男性と一緒に住むって」
「聞いたっ!?確かに聞いたっ!?だけんども、それが豊和きゅんとは聞いてないわよ!?」
「言ったよ」
「言ってないわよ」
「いや、言ったけん。それに今日ここに連れて来る事も言っといたけんね」
「くっ…豊和きゅんが来ると分かってれば…はっ!?こうしちゃあおれん!ちょっと待っときんなさい!」
愛歌さんのお母さんはそう言うと素早くどこかへ向かった。
「とりあえずどこでも好きなとこに座ってよかけんね?」
「あ、はい」
「わ、私は…廊下に居るわね?」
「風華ちゃんも遠慮せずに」
「…こういう時は空気を読ませて下さい」
「…うん、じゃあ…いつでも入って来てよかけんね」
「はい」
♢♢♢
「あら…愛歌。お客様かしら?」
部屋にそう言いながら戻ってきた愛歌さんのお母さん。どうやら先程のやり取りはなかった体で話を進めるようだ。
「お母さん…流石にそれは…」
愛歌さんが即座にその言葉に反応。
「しぃ~~~っ!シャラップ!サランラップ!私の胸はHカップっ!!」
おっ!ダッダァァァン!ボヨヨンボヨヨン!ってポーズをしてるぅぅ。なんか懐かしいな。
「それは嘘やけん!Hカップは盛りすぎちょよ!?単にお母さんが太ってる肉がそこにも盛られてるだけやけんねっ!」
「だからあんたは黙ってなさい!」
ええと…家族仲は良好のようだ。天使家もそうだけど、こういう冗談を言い合える家族って心から良いと、素敵だと思えるな。
あと…風華は廊下で笑わないようにな?こっちは必死で笑いに堪えてるんだから…。
「コホン…。はじめまして!愛歌の母親の肉魅よ!本物の豊和きゅんなのね?」
「ええと…はじめまして。一応本物というか…多分その豊和であってます」
「見たわよっ!ホント凄いおちんちんよね」
「お母さぁん!」
いきなりそうきたか…。無事伝えられるかな…?不安だ…。
「「そんな事ないだろ(ないちょよ)?」」
「ぐぬぬっ…二人仲良くハモってるしっ」
愛歌さんのお祝いが終わった後、ホテルにもう一泊してから家へと帰ったんだ。まあ、その夜も愛歌さんとヤッちゃったわけだけど…。
それはまあ、いいか。とにかく家に帰ってから重大な事に気がついたんだ。愛歌さんの親に挨拶していない事に。プロポーズやら結婚は来たるべき日にちゃんとするつもりなのだが、その事を含めて、子供ができてる事などもちゃんと報告しておかないとと思ったんだ。
思ったら吉日ともいうし、早速愛歌さんの家へと向かっているわけなんだが、その道すがら風華が拗ねたようにそう言ってきたというわけ。
「風華の家は以前行ったじゃん」
「…そう…だけど…」
「…それに、新しい護衛の件は円香さんに頼んでるでしょ?決まったら…その…風華とも…ねっ?」
「…べべべべへ、別に!?あ、あたしはそんなにしたいわけじゃないしっ!?そ、それに、妊娠しても…あんたはあたしが…」
「それは駄目」
「むっ…」
だって、ねぇ?妊娠した女性に守ってもらうなんてとんでもない。まあ、こうして愛歌さんの家に向かってる間も離れたところから管理局の局員の女性達も一応護衛についてくれてはいるんだけどな。
「まあ、年の功というやつやけん」
「一個しか違わないじゃないですかっ!?」
そんなこんな喋りながら歩いていると、あっという間に愛歌さんの家へ到着。
「大丈夫ちょよ?そんな緊張せんでもいいけん」
「…はい」
そうは言われてもやっぱり緊張してしまうよな。娘さんを孕ませてしまいましたって言いにきたようなものだしな。世も世なら親父さんが居て、親父さんから殴られる展開もあった筈だしな。俺は中三、愛歌さんは高一だしな。
「ほら、遠慮せずに家ん中へ入ってちょ」
「ちょっ!?まだ心の準備が」
「いいからいいから」
手を引かれ強引に家の中へ。風華は呆れた表情を浮かべながら俺達の後に続く。連れて行かれた場所は居間…
「お母さぁん!私の大事な人連れて来たけん!」
「おかえっ…………」
居間に足を踏み入れると同時に、こちらを見て言葉を途中で詰まらせると、持っていたセンベエを畳の上に落とすふくよかな女性の姿が視界に入ってきた。
た、多分…彼女が愛歌さんの母親なんだろう。
「なっ、なっ、なっ…」
「スリセブン?」
愛歌さん?お袋さんは七七七じゃなくて…言葉が出てこないだけかと…。だって驚いてるのが見てとれるし。それにもっと言うならそのツッコミはいかがなものかと…。
「なっ…ぬわぁんで豊和きゅんがここに!?」
うん?きゅんって言った?言ったよな?
「豊和きゅんって…。歳を考えて欲しいちょよ、お母さん」
「やかまいわっ!!歳は関係ないでしょっ!?それより私の質問に答えなさい!?豊和きゅんが居るのは何故何故なぁーぜっ!?」
「えっ?私言ったけんね?男性と一緒に住むって」
「聞いたっ!?確かに聞いたっ!?だけんども、それが豊和きゅんとは聞いてないわよ!?」
「言ったよ」
「言ってないわよ」
「いや、言ったけん。それに今日ここに連れて来る事も言っといたけんね」
「くっ…豊和きゅんが来ると分かってれば…はっ!?こうしちゃあおれん!ちょっと待っときんなさい!」
愛歌さんのお母さんはそう言うと素早くどこかへ向かった。
「とりあえずどこでも好きなとこに座ってよかけんね?」
「あ、はい」
「わ、私は…廊下に居るわね?」
「風華ちゃんも遠慮せずに」
「…こういう時は空気を読ませて下さい」
「…うん、じゃあ…いつでも入って来てよかけんね」
「はい」
♢♢♢
「あら…愛歌。お客様かしら?」
部屋にそう言いながら戻ってきた愛歌さんのお母さん。どうやら先程のやり取りはなかった体で話を進めるようだ。
「お母さん…流石にそれは…」
愛歌さんが即座にその言葉に反応。
「しぃ~~~っ!シャラップ!サランラップ!私の胸はHカップっ!!」
おっ!ダッダァァァン!ボヨヨンボヨヨン!ってポーズをしてるぅぅ。なんか懐かしいな。
「それは嘘やけん!Hカップは盛りすぎちょよ!?単にお母さんが太ってる肉がそこにも盛られてるだけやけんねっ!」
「だからあんたは黙ってなさい!」
ええと…家族仲は良好のようだ。天使家もそうだけど、こういう冗談を言い合える家族って心から良いと、素敵だと思えるな。
あと…風華は廊下で笑わないようにな?こっちは必死で笑いに堪えてるんだから…。
「コホン…。はじめまして!愛歌の母親の肉魅よ!本物の豊和きゅんなのね?」
「ええと…はじめまして。一応本物というか…多分その豊和であってます」
「見たわよっ!ホント凄いおちんちんよね」
「お母さぁん!」
いきなりそうきたか…。無事伝えられるかな…?不安だ…。
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