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第7章 集いし者篇

第81話 真の翠

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 リュート達はベルデ王国の西門を出て、翠怠竜グリーンドラゴンの縄張りに向かう。風が吹き、森がざわめく。まるでリュート達の侵入を拒むようだ。

 「着いたか…」

 リュート達は遂にあの場所へ戻って来た。森を抜けた先にある、何も無いだだっ広い草原。かつてリュート達が翠怠竜と対面した場所だ。

 「遂に戻ってきたね…」

 あの頃は喋れもしないくそ雑魚ドラゴンだったが、二回目に会った時には進化しダメージを与えるほどまで強くなることが出来た。そこから更に進化と種族反転もして、ここまで至った。しかも、あの時にはいなかった心強い仲間のオリアナとニナも増えた。今ならきっとまともな戦いが出来るはずだ。

 「みんな、気を緩めるなよ…。奴はどこから現れるかわからないからな」

 「ブーちゃんとムーちゃんも呼んでおきます!」

 「まかせてごしゅじん!」

 「頼むぜ、ムー先輩!」

 「うん!ぶーもがんばろうね!」

 ブレイズはムーより後にオリアナの指揮下に入ったので、後輩的なポジションにいるらしい。

 「来たぞ!」

 ズシン…ズシン…。前方から足音が聞こえてくる。全身が苔むした巨大なドラゴンがこちらに歩いてくる。

 「現れたな苔ヤロウ!前のようには行かないぜ!」

 「ん?待てリュート!あいつが翠怠竜なのか?」

 ブレイズがリュートに聞く。

 「俺が戦った竜はあいつだが…?まさか!」

 「グオォォォォォォ!」

 苔むしたドラゴンが咆哮をあげる。

 「あいつは翠怠竜じゃない!奴の…!」

 ズズズズ…!その時、草原が揺らぐ。

 「何だ?地震か?」

 すると、苔むしたドラゴンの奥の地面が盛り上がり、それが竜の形に収束していく。

 「ふぁあ…。よく寝た…。誰かと思って起きてみれば、まさかお前がここに来るとはな?ブレイズ?」

 そこに現れたのは苔むしたドラゴンより何倍も大きい体。苔ではなく様々な植物が生えた体。そして何より圧倒的なオーラ、間違うはずがない。今まで翠怠竜だと思っていたのはただの分体。こっちが本物の翠怠竜だ!

 「まさか自身の姿を地中に隠していたとはな!さすがは七色の罪竜の中で最もやる気がない竜だな」

 「まぁ誰が来たところで関係ない。僕は僕の眠りを邪魔するものを排除するだけだよ」

 「怠惰の魔塊スロウス・クラスター

 ズズズ!ズズズ!苔むしたドラゴンの左右の地面が盛り上がり、苔むしたドラゴンが増える。その数三体。

 「僕の眠りを妨げる不届き者には怠惰の罰を!殺れ!」

 「「「グガァァァ!」」」

 三体の苔むしたドラゴンがリュート達に襲いかかってきたのだった。
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