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14 本領発揮
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それは昇る朝日の後に夜が戻ってきたかのような感覚。
叔父様達を犠牲に帰還を果たした私の報告を聞いた母は、自分達が囮になって敵をひきつけている間に非戦闘員を逃がす決定を下した。
セブンを引き付けても、他の獣人が包囲網を引いているので危険では? そんな意見が出る間もなく、ヤツはやってきた。
幾億もの血を頭から被ったかのような真っ赤な髪。たった二本の斧で単身砦に攻撃を仕掛けてくるその姿は正気を失っているようであり、しかしそれ故の恐ろしさがあった。
我々は全力で狂人を迎え撃ったが、始まったのは戦闘ではなく蹂躙だった。
仕掛けてあった罠も、放たれた幾百の矢も、最強の獣の歩みを止めるどころか、傷一つ付けられない。正門が破壊され、勇敢にも奴に挑んだギガナの兵は一瞬で幾十もの肉片と化した。同じく挑んだ私と母が殺されなかったのは、奴の残虐さ故だろう。
「今度は逃がさねぇ」
おぞけの走る笑みと共に大地に倒れ伏す私に奴が斧を振り上げる。
(避けられない)
私の命運は、いや、ギガナの民の命運は最早尽きたかのように思われた、その時だーー
「セブゥウウウン!!」
「あん? がぁ!?」
その光景に最初、都合のいい幻覚を見ているのではないのかと我が目を疑った。
あのセブンが、ギガナの戦士とヒニアの兵士が何をしても傷一つつけられなかったあの怪物が、ただの人間のように殴り飛ばされた。
(誰? 人間……なの?)
黒髪に紅く輝く瞳。胸や肘や膝に最低限の防具をつけているがもっとも目が行くのは彼が右手に装着している手甲、いや彼自身が纏う雰囲気だろう。
(夜を放ってるみたい)
彼の放つ異質な雰囲気によって朝日が霞み、夜が戻ってきたかのような錯覚に陥る。
「おいおいおいおい。随分とまぁ、調子に乗ったことしてくれたな」
地に倒れ付していたセブンが立ち上がるのと同時に、大斧が大地を砕き、怒れる獣の口の端が吊り上がった。
「さてはテメェか? 俺様の部下を操ってくれた野郎は」
「言ってみろ」
「あん? 何をだ?」
「俺の名前を言ってみろぉおおおお!! セブゥウウウン!!」
激情というにはあまりにも禍々しい感情を発露して、彼は再びセブンへと殴りかかった。
「二度も喰らうかよ」
セブンは持っている大斧の片方を盾にして彼の攻撃を受けると、もう一方の斧を振るった。
(速すぎる)
あれほどの大斧、きっと質量も常識外れなはずなのに、セブンはそれをギガナの民がナイフで突くよりも速く振ってみせるのだ。
(それをかわす彼も凄い)
夜のような男はセブンの大斧を紙一重でかわすと、右手に着けた赤い線が幾つか入った黒い手甲で殴りかかる。
「ハッ! やるじゃねぇか! 妙な力を使ってた魔術師かと思いきや、テメェ、S級騎士だな? 顔に覚えがねぇ、名乗れや」
セブンはフットワークを活かして前後左右から繰り出される彼の攻撃を巧みに操る大斧で防ぎながら、会話に興じる余裕を見せた。
「ふざけるな! 俺を、俺の顔を忘れたのか! 貴様はそう言うのか、セブン!!」
何がそこまで彼を駆り立てるのか、激しさを増していく彼の攻撃は傍目に見ても冷静さを欠いていた。
「ガァアアア!! 殺す! 殺す! 殺してやる!!」
「クッハッハッ! 何だ? テメーの恋人でもヤッちまったか? どれだ? どいつだ? お前ほどの男の女ならさぞたぎっただろう。思い出してもう一度イきてぇ。ほら、教えろよ! 勿体ぶってんじゃねぇえええ!!」
垂直に降り下ろされた大斧が大地を砕いた。その時には彼は既にセブンの背後に回り込んでいた。
「おっと、中々はぇーな」
繰り出された怒りの拳はしかし、背後を振り向くことなく回されたセブンの大斧に防がれた。
(何て怪力)
あの大斧をまるで扇のように軽々と扱えることもそうだが、彼の激しい攻撃を受ける斧を微動だにさせない常識外の握力。セブンを知れば知るほどに今まで誰もナンバーズに勝てなかった理由が嫌というほどに理解できてしまう。
「それでも彼なら……」
「いや、今のままでは厳しいだろうね」
「母さん!?」
傷だらけの母が腹部からの出血を手で押さえながらやって来た。
「早く治療しないと」
「いい。それよりもお前はこの隙に非戦闘員を逃がすんだ。彼は……勝てない」
「それは……まだ分からない」
「いや、分かる。確かに彼の力は凄まじい。あの動き、まず間違いなくS級騎士だろう。ひょっとしたらあのS級最強と名高い『自由騎士』にすら比肩しうるかも知れない」
「だったら……」
「だからこそだ。分かっているだろう? S級ではナンバーズに敵わない」
それは帝国を打倒せんとする者達が頑なに認めたがらない、悲しい現実。帝国にナンバーズがあるように、反帝国の者達にはS級がついている。そんな声が聞こえなくなったのは、果たしていつの頃からだったろうか。
「それに思い出せ、城門を破った時にセブンが見せたあの激しい気の高まりを。あの剥き出しの怒り、彼は間違いなく今が全力だろう。だがセブンはそうじゃない。互角に見えるあの戦いもセブンが本気を出せばすぐにでも形勢は傾く。これはそういう戦いなんだよ。だからそうなる前に早く非戦闘員を逃すん……ゴホッ、ゴホッ」
「分かった。だから母さんは早く治療を」
「い、いや……ハァハァ……セブンと共に砦に入ってきた獣人共が非戦闘員を大人しく見逃すとは思えない。私はギガナの長としてそれを阻む」
「でもそれだとーー」
「オラァアアア!! そろそろマジで行くぜ!」
獣の雄叫びのような大声。直後にセブンに弾き飛ばされた大気が私達の身体を叩いた。
「くっ、本当になんて化け物なんだい。これがナンバーズか」
母が血を失った顔をさらに青ざめさせる。セブンの全身からはあまりの気の量に視覚化した気が赤い輝きとなってその体を覆っていた。
(確かに優れた騎士は気を放つことができる。それでも気は本来体内で作用するもの。それがこんな魔術みたいな現象を起こすなんて)
セブンの放つ気で周囲の気温がグングンと上昇していく。
「テメーとのじゃれ合いも中々楽しかったが、そろそろ別の遊びをしようぜ」
セブンの振るう斧は最早残像すら残さない速度で彼へと襲いかかる。あまりの速さにセブンの肩から下が消えて見えた。それに伴って目に見えて彼の攻撃回数が減っていく。
「オラ! オラ! どうした? どうした? 威勢よく飛び込んできて、逃げるだけか? あっ?」
片方の斧を盾として使うのを止めたセブンの猛攻。二本の大斧が彼の身体を引き裂くのも最早時間の問題だ。母の言っていた通りのことが、早くも起こってしまったーーかと思われた、その時だ。
「業火よ起これ『獄炎』」
「がぁあああ!? な、て、てめぇええええ!?」
彼から放たれた黒き炎が、赤き気に守られたセブンの身体を焼いた。一瞬緩む猛攻。彼はその隙を見逃さずに攻勢に出てーー
「なめんじゃねぇええええ!!」
セブンの激しい気に弾き飛ばされた。
「ハァハァ。テメェ、まさか……」
「まさか魔術師なのか?」
隣で母が息を飲む。それはそうだろう。S級騎士並みの新身体能力を持つ魔術師など聞いたことがない。
二人の戦いを見ていた全ての者が瞠目する中、彼の体からゆっくりと黒き魔力が立ち上る。
それはまるで地獄で罪人を焼くと謂われる業火のようで、セブンの猛火を思わす気とは、あまりにもかけ離れた炎だった。
「視覚化するほどの魔力だと? このクソヤロが、まさかマジで魔術師だったとはな」
全身に浅くない火傷を負って、それでも尚、セブンの気力は些かも衰えてない。
「クックック。いいぜ、テメェ~。マジで気に入った。テメーは今までで最高のペットになりそうだ。だから特別に見せてやるぜ、俺様の本気をな」
直後、山が噴火したかと錯覚するほどの気がセブンを中心に放たれた。そしてそれと対峙する彼からもまた山を包み込まんばかりの巨大な魔力が放たれる。
「こ、こんなことがあるのか」
あの母が無力な幼子のように震えている。そしてそれは私も、いや、この場にいる全てのギガナの民も同様だった。
だが、戦士である私達を震わせるもの、それは決して恐怖ではありえない。
(彼なら……彼ならナンバーズに勝てるかもしれない)
「行くぜオラァ! 精々良い声で鳴けや」
「お前こそ、クズに相応しい悲鳴を上げろ」
抱いてしまった希望を失うことを恐れる私たちを前に、怪物達は己の力、その真価を発揮していく。
叔父様達を犠牲に帰還を果たした私の報告を聞いた母は、自分達が囮になって敵をひきつけている間に非戦闘員を逃がす決定を下した。
セブンを引き付けても、他の獣人が包囲網を引いているので危険では? そんな意見が出る間もなく、ヤツはやってきた。
幾億もの血を頭から被ったかのような真っ赤な髪。たった二本の斧で単身砦に攻撃を仕掛けてくるその姿は正気を失っているようであり、しかしそれ故の恐ろしさがあった。
我々は全力で狂人を迎え撃ったが、始まったのは戦闘ではなく蹂躙だった。
仕掛けてあった罠も、放たれた幾百の矢も、最強の獣の歩みを止めるどころか、傷一つ付けられない。正門が破壊され、勇敢にも奴に挑んだギガナの兵は一瞬で幾十もの肉片と化した。同じく挑んだ私と母が殺されなかったのは、奴の残虐さ故だろう。
「今度は逃がさねぇ」
おぞけの走る笑みと共に大地に倒れ伏す私に奴が斧を振り上げる。
(避けられない)
私の命運は、いや、ギガナの民の命運は最早尽きたかのように思われた、その時だーー
「セブゥウウウン!!」
「あん? がぁ!?」
その光景に最初、都合のいい幻覚を見ているのではないのかと我が目を疑った。
あのセブンが、ギガナの戦士とヒニアの兵士が何をしても傷一つつけられなかったあの怪物が、ただの人間のように殴り飛ばされた。
(誰? 人間……なの?)
黒髪に紅く輝く瞳。胸や肘や膝に最低限の防具をつけているがもっとも目が行くのは彼が右手に装着している手甲、いや彼自身が纏う雰囲気だろう。
(夜を放ってるみたい)
彼の放つ異質な雰囲気によって朝日が霞み、夜が戻ってきたかのような錯覚に陥る。
「おいおいおいおい。随分とまぁ、調子に乗ったことしてくれたな」
地に倒れ付していたセブンが立ち上がるのと同時に、大斧が大地を砕き、怒れる獣の口の端が吊り上がった。
「さてはテメェか? 俺様の部下を操ってくれた野郎は」
「言ってみろ」
「あん? 何をだ?」
「俺の名前を言ってみろぉおおおお!! セブゥウウウン!!」
激情というにはあまりにも禍々しい感情を発露して、彼は再びセブンへと殴りかかった。
「二度も喰らうかよ」
セブンは持っている大斧の片方を盾にして彼の攻撃を受けると、もう一方の斧を振るった。
(速すぎる)
あれほどの大斧、きっと質量も常識外れなはずなのに、セブンはそれをギガナの民がナイフで突くよりも速く振ってみせるのだ。
(それをかわす彼も凄い)
夜のような男はセブンの大斧を紙一重でかわすと、右手に着けた赤い線が幾つか入った黒い手甲で殴りかかる。
「ハッ! やるじゃねぇか! 妙な力を使ってた魔術師かと思いきや、テメェ、S級騎士だな? 顔に覚えがねぇ、名乗れや」
セブンはフットワークを活かして前後左右から繰り出される彼の攻撃を巧みに操る大斧で防ぎながら、会話に興じる余裕を見せた。
「ふざけるな! 俺を、俺の顔を忘れたのか! 貴様はそう言うのか、セブン!!」
何がそこまで彼を駆り立てるのか、激しさを増していく彼の攻撃は傍目に見ても冷静さを欠いていた。
「ガァアアア!! 殺す! 殺す! 殺してやる!!」
「クッハッハッ! 何だ? テメーの恋人でもヤッちまったか? どれだ? どいつだ? お前ほどの男の女ならさぞたぎっただろう。思い出してもう一度イきてぇ。ほら、教えろよ! 勿体ぶってんじゃねぇえええ!!」
垂直に降り下ろされた大斧が大地を砕いた。その時には彼は既にセブンの背後に回り込んでいた。
「おっと、中々はぇーな」
繰り出された怒りの拳はしかし、背後を振り向くことなく回されたセブンの大斧に防がれた。
(何て怪力)
あの大斧をまるで扇のように軽々と扱えることもそうだが、彼の激しい攻撃を受ける斧を微動だにさせない常識外の握力。セブンを知れば知るほどに今まで誰もナンバーズに勝てなかった理由が嫌というほどに理解できてしまう。
「それでも彼なら……」
「いや、今のままでは厳しいだろうね」
「母さん!?」
傷だらけの母が腹部からの出血を手で押さえながらやって来た。
「早く治療しないと」
「いい。それよりもお前はこの隙に非戦闘員を逃がすんだ。彼は……勝てない」
「それは……まだ分からない」
「いや、分かる。確かに彼の力は凄まじい。あの動き、まず間違いなくS級騎士だろう。ひょっとしたらあのS級最強と名高い『自由騎士』にすら比肩しうるかも知れない」
「だったら……」
「だからこそだ。分かっているだろう? S級ではナンバーズに敵わない」
それは帝国を打倒せんとする者達が頑なに認めたがらない、悲しい現実。帝国にナンバーズがあるように、反帝国の者達にはS級がついている。そんな声が聞こえなくなったのは、果たしていつの頃からだったろうか。
「それに思い出せ、城門を破った時にセブンが見せたあの激しい気の高まりを。あの剥き出しの怒り、彼は間違いなく今が全力だろう。だがセブンはそうじゃない。互角に見えるあの戦いもセブンが本気を出せばすぐにでも形勢は傾く。これはそういう戦いなんだよ。だからそうなる前に早く非戦闘員を逃すん……ゴホッ、ゴホッ」
「分かった。だから母さんは早く治療を」
「い、いや……ハァハァ……セブンと共に砦に入ってきた獣人共が非戦闘員を大人しく見逃すとは思えない。私はギガナの長としてそれを阻む」
「でもそれだとーー」
「オラァアアア!! そろそろマジで行くぜ!」
獣の雄叫びのような大声。直後にセブンに弾き飛ばされた大気が私達の身体を叩いた。
「くっ、本当になんて化け物なんだい。これがナンバーズか」
母が血を失った顔をさらに青ざめさせる。セブンの全身からはあまりの気の量に視覚化した気が赤い輝きとなってその体を覆っていた。
(確かに優れた騎士は気を放つことができる。それでも気は本来体内で作用するもの。それがこんな魔術みたいな現象を起こすなんて)
セブンの放つ気で周囲の気温がグングンと上昇していく。
「テメーとのじゃれ合いも中々楽しかったが、そろそろ別の遊びをしようぜ」
セブンの振るう斧は最早残像すら残さない速度で彼へと襲いかかる。あまりの速さにセブンの肩から下が消えて見えた。それに伴って目に見えて彼の攻撃回数が減っていく。
「オラ! オラ! どうした? どうした? 威勢よく飛び込んできて、逃げるだけか? あっ?」
片方の斧を盾として使うのを止めたセブンの猛攻。二本の大斧が彼の身体を引き裂くのも最早時間の問題だ。母の言っていた通りのことが、早くも起こってしまったーーかと思われた、その時だ。
「業火よ起これ『獄炎』」
「がぁあああ!? な、て、てめぇええええ!?」
彼から放たれた黒き炎が、赤き気に守られたセブンの身体を焼いた。一瞬緩む猛攻。彼はその隙を見逃さずに攻勢に出てーー
「なめんじゃねぇええええ!!」
セブンの激しい気に弾き飛ばされた。
「ハァハァ。テメェ、まさか……」
「まさか魔術師なのか?」
隣で母が息を飲む。それはそうだろう。S級騎士並みの新身体能力を持つ魔術師など聞いたことがない。
二人の戦いを見ていた全ての者が瞠目する中、彼の体からゆっくりと黒き魔力が立ち上る。
それはまるで地獄で罪人を焼くと謂われる業火のようで、セブンの猛火を思わす気とは、あまりにもかけ離れた炎だった。
「視覚化するほどの魔力だと? このクソヤロが、まさかマジで魔術師だったとはな」
全身に浅くない火傷を負って、それでも尚、セブンの気力は些かも衰えてない。
「クックック。いいぜ、テメェ~。マジで気に入った。テメーは今までで最高のペットになりそうだ。だから特別に見せてやるぜ、俺様の本気をな」
直後、山が噴火したかと錯覚するほどの気がセブンを中心に放たれた。そしてそれと対峙する彼からもまた山を包み込まんばかりの巨大な魔力が放たれる。
「こ、こんなことがあるのか」
あの母が無力な幼子のように震えている。そしてそれは私も、いや、この場にいる全てのギガナの民も同様だった。
だが、戦士である私達を震わせるもの、それは決して恐怖ではありえない。
(彼なら……彼ならナンバーズに勝てるかもしれない)
「行くぜオラァ! 精々良い声で鳴けや」
「お前こそ、クズに相応しい悲鳴を上げろ」
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