くろいゆきの割とどーでもいいエッセイ

黒幸

文字の大きさ
57 / 190

57 死んだ人達のことも忘れないで下さいと言いたくなる設定や物語自体は面白い『スノウマゲドン』

しおりを挟む
 今回、御紹介するのはカナダで製作されたB級SF映画『スノウマゲドン』です。
 ま~た、邦題で人目を引こうとして! と思えるタイトルですが、何と驚くべきことに原題も『SNOWMAGEDDON』。
 まさかのそのままです(´・ω・`)

 あらすじをまず、御覧ください。
 『クリスマスを目前に控えた田舎町ノーマル。その夜、ミラー家の玄関に届けられた差出人不明のプレゼントの箱を次男のルディが開封。するとそこには、美しい街並みが広がるスノードームが入っていた。よく見ると、自然豊かなノーマルの町並みがミニチュアで再現されたものだった。何気なしにルディは台座のボタンを押したところ、それと同時に猛烈な地震が発生。町のメインストリートでは地割れが起き、死傷者も出てしまう。しかし異変はさらに続き、氷の隕石や巨大雪崩など、次々と町全体に天変地異が襲いかかるのだった。』
 結構、興味の湧きそうな面白いストーリーが描かれていませんか?
 玩具のスノードームで起こることが現実にも発生している。
 まるで『ジュマンジ』のボードゲームが現実に! のようなコンセプトです。
 面白そう。
 しかもアルマゲドンよろしく破滅が再現されるなんて、これは期待できるに違いない。
 そう思っても仕方がありません。
 でも、評価はめっちゃ低いです。

 まず、あらすじもツッコミ入れないといけません。
 主人公のミラー家は父親のジョン、母親のベス、アラスカン・マラミュートのモー。
 それに娘のジェニファーと息子のルディです。
 ジェニファーは高校生のお姉ちゃんで長女。
 ルディは小学生高学年くらいの男の子ですが……。
 次男ではありません。
 長男です。
 まさか、二人目の子供だから、次男?
 いやいや……。

 さて、本編ですが、VFXは低予算のB級映画なのでかなり、しょぼいです。
 アサイラム映画に慣れているとこんなものかなぁと考えますが、普通に見るとしょっぱいと思います。
 ストーリーのコンセプトと設定はめっちゃ面白いです。
 それがしょぼいVFXのせいでやや気分が下がるかもしれません。
 まぁ、B級だから! と温かい目で見れば、いけます。

 ミラー家の前に置かれたプレゼントから、出てきた謎のスノードームがどうも現実世界で災厄を引き起こしている元凶。
 これは間違いないと思います。
 でも、誰がスノードームを制作し、ミラー家にプレゼントと誤認させるように届けたのか。
 真相は分からないまま、終わります。
 どうやら、ルディが好きで遊んでいるボードゲームに酷似した内容らしいんですね。
 そのボードゲームはギリシア神話に出てくる『パンドラの箱』のエピソードをモチーフにしている。
 これも確かに劇中で言及されているのですが、スノードームは人の手で破壊できない完全に呪いのアイテムで謎しかありません。

 ミラー家の面々は全員、生還します。
 スノードームが人知を超えた存在だからか、警戒心をむき出しにして、中盤に家から飛び出してしまった愛犬のモーもちゃんと帰ってきます。
 しかし、ルディのシッターとして、彼がいなくなった責任を感じ、森に探しに行ったメアリーは終盤の災厄で退場です。
 恐らく、地中から生えてきた巨大な氷柱の直撃でナレ死ですらなく、何となく死んだんだろうくらいの退場という扱い(´・ω・`)
 ヘリコプターのパイロットであるベスの案内で雪山に送ってもらったプロスノーボーダーのデリックとその友人グレッグも明確な死を描かれないまま、何となく退場です。
 デリックはジェニファーが大ファンということもあり、仲が近づき、行動を共にしていたのにあっさりと……。
 その他、町の住人にも退場者が出ていますが、明確に死は描写されません。
 あぁ、死んだんだろうなぁくらいです。

 ここまで明確にノーマルの住人への敵意をむき出しにしているスノードームの送り主ですが……。
 結局、何者が製作し、送ったのかは分からないまま、何となく大団円で終わります。
 終わるのですが、推察はできます。
 ルディが好きなボードゲームが基になっています。
 次々に起こる災厄で最終的にノーマルの者は全員殺すという終末が待っているのですが、解決方法もボードゲームと同じなのです。
 ヒーローが◯◯を火山に投げ入れる。
 あれ?
 どこかの指輪を火山に放り投げるのと似てますね(´・ω・`)
 どうも、これはボードゲームは『パンドラの箱』がモチーフになっており、『パンドラの箱』を製作したのが火山に関連深い鍛冶の神ヘパイストスだから! という理由。
 設定としてはめっちゃ面白かったです。
 悪意あるゲームマスター的な存在が犯人だったのかなぁと思います。
 それは時に神と呼ばれるような存在と受け取れば、何となくは納得できます。
 ただ、全く示唆されないまま、終わってしまうのは残念ポイントですね。
しおりを挟む
感想 47

あなたにおすすめの小説

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。 すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。 だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。 イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。 変わり果てた現実を前に、 夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。 深い後悔と悲しみに苛まれながら、 失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。 しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。 贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。 そして、母の心を知っていく子供たち。 イネスが求める愛とは、 そして、幸せとは――。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。

四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……? どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、 「私と同棲してください!」 「要求が増えてますよ!」 意味のわからない同棲宣言をされてしまう。 とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。 中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。 無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。

6人分の一汁三菜作ってましたが、義両親との関係が破綻したので終了しました

山河 枝
エッセイ・ノンフィクション
★同居解消までの過程だけを知りたい方は、◎の話をお読みください。 日常的に、義両親&筆者夫婦&子2人の夕飯(一汁三菜)を用意してました。 ・惣菜はOK。 ・汁物はほぼ必須。 ・でも味噌汁は駄目。 ・二日連続で同じようなおかずを出してはならない。 ・時期によっては、大量に同じ野菜を消費し続けなくてはならない。 ……という何となく生まれたルールに従っていましたが、心身の調子を崩し、2024年末に同居を終了しました。 ほぼ自分用献立メモと、あとは愚痴です。 筆者のしょうもない悩みを鼻で笑っていただければ幸いです。 ※途中から諸事情により上記の条件を一部無視しています。 (旧題:「6人分の一汁三菜作ってます」)

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

処理中です...