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第33話「意外なメンツinマック」
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倉西駅西口にある繁華街は休日の昼下がりになると平日とはまるで違う世界になったかのように賑わいを見せていて、人の流れを目で追っているだけで1日分のエネルギーを消費してしまうのではないかと思えるくらい大勢の人が行き交う。
平日ではあまり見かけないような私服を着た大人のカップルがいたり、私服を着た高校生や中学生であったり、店の勧誘をしてくる若い男性やスーツを着た何やら怪しげな雰囲気の大人など、すれ違う人は皆それぞれで一人一人の土曜日がそこには存在していた。
そして、今日その賑わいの中に僕もいた。
僕は普段から休日は家に引きこもっているが今日は珍しく外出して、倉西駅西口の繁華街をウロウロしていた。というのも、母から買い物を頼まれて仕方なく引き受けて、その帰りになんとなく繁華街を歩いていただけだけど。
用も済んで人混みにくたびれた僕はそろそろ帰ろうかと繁華街の駅に出る方向に向かって向きを変えたときだった。
「あれ?樹じゃん」
肌の色と同じ色のバニラアイスをなめている大場と目が合った。
大場の私服姿は宮橋の家に行った時に見ていたので、今度は僕の脳がすぐに目の前いる人物が大場だと認識していた。
「あ、大場君」
この人の多さなら確率的に言って知り合いに合うことは無いだろうと油断していた僕は驚いてしまい、宮橋妹に会ったときのようにまた「あ、」から言い始めてしまった。
「樹が休日に外出するなんて珍しいね。買い物?」
「うん。親に頼まれて買い物してたんだ。大場君も?」
「僕も買い物だよ。これから服買いに行く」
「そっか…」
偶然友達と出会ったときのテンプレートのような会話をした後、友達と休日バッタリ出くわした場合のテンプレート後の会話方法を心得ていなかった僕は、その後はどう対応したら良いのか急にわからなくなって、その後の言葉が出てこなかった。
しばらく僕が沈黙していると大場が空気を察したようで一瞬視線を逸らした後、何か思いついたように僕に視線を戻した。
「そうだ。樹も一緒に行こうよ」
「え?僕も?」
「だって…暇でしょ?」
「…まあそうだけど」
事実、家に帰っても特にやることはないので結局付き合うことにした。
「あ、ここ、ここ」
あれから10分ほど歩いて大場が店の前で立ち止まった。その店は繁華街の喧騒から少し離れて落ち着いた雰囲気の通りに鎮座しており、店の外観はコンクリート打ちっぱなしのシンプルなデザインで、僕が今まで知っている服を買う店の外観とはまるで違っていた。
店の名前も何か英語で書かれているけど僕が中学、高校で目にしてきた英単語には存在しないものであることは確かだった。
店内も外観同様にコンクリートの灰色が陳列される服の存在を引き立たせるようでコンクリート打ちっぱなしがおしゃれに思えるなんて初めての体験で、何か違う世界に迷い込んだような感覚だった。
その後、その店で1時間位だろうか、大場の買い物に付き合いレジに並んでいるときだった。
「天野っちと周じゃん」
後ろから明らかに僕らを知っている声が聞こえたし、僕のことをそう呼ぶ人間は僕の知る限りただ一人だった。
「お、柿原」
「よお、2人で遊んでんの?」
「そう、さっき偶然樹に会ったんだよ」
「なるほどね。天野っちはあんまり服興味なさそうだからこの店にいるの意外だと思ったわ」
「僕はたしかに興味ないね…」
いつも通りと言うか、柿原は僕の肩を組んで耳元で囁いた。
「でも、好きな子が出来たらお前もおしゃれに目覚めるかもよ」
「そうかな、はは」
以前の自分のように貼り付けたような笑顔を作って対処した。なにか笑顔を作った時の頬の筋肉の感覚が久しぶりの感じがした。
2人で並列するのも他のお客に邪魔だと思ったので後ろで彼らがレジで購入しているところを見ていたが、商品の金額が僕が普段買っている洋服よりも0が一つ多くて思わず二度見してしまった。
この店では皆、当たり前のようにお金を支払ってるので、初心者であることをさとられぬよう、表情に出さぬように平静を装った。
彼らの会計が終了し、店を出てすぐ柿原が言った。
「2人ともこの後暇?」
「暇だよ。樹もだよね?」
「そうだね」
大場は最近僕の休日は何も無いと思っているようでそれを面白がってるように感じる。実際することは何も無いけれど。
「したら、あそこのマック行かね?」
「いいね。行こ行こ」
僕らはさっきのお店の近くのマックに入り各々注文して4人がけに座る席に柿原と大場が隣り合い、その向かい側に僕が座った。
周りを見渡してみると同じマックでも客層が全く違うように感じる。繁華街の最も賑わっているマックは外の賑わいを店内に閉じ込めたかのような感じだけど、ここのマックはそこよりは少し落ち着いた雰囲気だった。
「なんかこのメンツって珍しくね?」
確かに柿原の言った通り珍しい気がする。大場と柿原が教室で話してるところはたまに見るくらいであまり2人が一緒にいるイメージがない。きっと、あの服屋のような共通の趣味がなければ今こうやって交わることはなかっただろう。
「大場君と柿原君が一緒にいるのは珍しいかもね」
「だろ?だから、記念に3人で写真取ろうぜ」
珍しいから写真を撮るという思考過程はよくわからなかったが、柿原はインカメラにしてスマホを構えて写真を撮り「写真送るわー」と言って柿原はまたスマホを操作し始めた。
「てか、天野っちのLINE持ってないわー。交換しよ」
柿原のペースで会話が進んでいき、結局LINEまで交換することになった。あと、2人が珍しい組み合わせだと思ってたけど、いつの間にか2人ともLINEを持っていたことに少し驚いた。
「天野クラスLINEにいないから登録してなかったんだなー」
柿原の口から初めて聞く単語に思わず聞き返した。
「クラスLINE?」
「そうだよ。あれ?周招待してないの?」
ストローに口をつけようとしていた大場が一旦中断して思い出したように白い歯を見せた。
「ごめんごめん。すっかり、忘れてた」
「おいおい、天野がハブられてるみたいで可愛そうだろ」
うちのクラスでLINEグループが存在していたことを初めて知った。入りたいわけでも入りたくないわけでもないけどいつから存在していたのかふと気になった。
「そのグループっていつからあったの?」
「4月に宮橋が作ったんだよ。でも、最近まであんまり動いなかったけどな」
「最近まで?」
「そう。そろそろ修学旅行あるじゃん?その連絡みたいなのがたまに着てたぐらい」
「あーあったね。てか、樹ごめんめっちゃ大事な連絡だったよね。てっきりいると思ってたから」
「いやいや、大丈夫だよ。本当に」
むしろ入っていなくてよかったと思った。もし謹慎中に何か良からぬことが書かれていたら知らなくて済んだからだ。
「てか、修学旅行かぁ。楽しみだわー」
「京都なんだよね」
「僕、中学の時も京都だったよ」
「マジ?かわいそうだな。俺は奈良だったけど。天野はどこ行ったの?」
柿原の方を向いていた大場が反射的に僕の方を向いた。
「僕はその時体調崩してて行けなかったんだよね」
大場の目で制されたので余計なことは言わないでおいた。
「そっかぁ、そりゃしゃあないな。林間学校も行ってないの?」
大場が何か心配そうに僕の方を見つめている。彼らにはそのことについて話していないからだ。
「林間学校は行ったよ。確か栃木だったかな」
これは本当だ。中学2年生の時は人数が余ったグループに無理やり入れられ感情を殺しながら2泊3日を消費した記憶は鮮明に残っている。
「あー俺も栃木だった。ここら辺に住んでるやつはみんな栃木だよな」
大場が息を吐いて安堵している様子だ。
「修学旅行でカップル誕生したりしてな」
柿原は楽しそうにニヤニヤと笑い、マックシェイクを啜りゆっくりとストローから登るチョコレート色が柿原の口に運ばれていた。直感だけど柿原はこういう話題が好きそうな気がする。
「確かに、修学旅行中ならありそう」
「お前らはどうなの?気になってる人とか彼女とかいんの?」
「僕は今いないかな」
意外と大場が僕より速く答えていた。
僕も言うまでも無いと思ったけど一応答えた。
「僕も」
「マジか。周とかモテそうじゃん。告られたりするだろ?」
「するけど。今はいいかなって…」
告白されていたのか。いつの間にそんな事が起こっていたのだろうか。
大場がモテるのは知ってるし、最近では僕も大場といることは多くなったけど知らぬ間にそういう出来事があったらしい。
こういう会話は僕らの中ではあまりしないから今はじめて知った。
「今?じゃあ最後に彼女いたのいつ?」
大場は「うーん」と考え込んでストローで飲み物をかき混ぜながら記憶を掘り起こしているようだった。
「2年に上る前だから‥半年以上前かな」
それを聞いた柿原がなにか思い出したように拳を手のひらの上にぽんと落とした。
「西岡ちゃんか!え?同じクラスじゃん」
西岡さん?誰のことだ?同じクラスなのか?今のクラスになってだいぶ経つのに今更「西岡さんて誰?」と訊くのは申し訳ないような気がしたので僕の持っている記憶の引き出しを一つずつ開けるように懸命に探した。
そして、一人思い出した。
自分で言うのもおかしいだけど、西岡さくらさんはクラスではあまり目立たないタイプの人で確か僕は文化祭の時に一言だけ挨拶をしただけでそれ以外は会話した記憶がない。
今までクラスのみんなを拒絶してきたことや最近では僕のクラス内での人間関係が局所的で休み時間の行動範囲が自席周辺で完結していることも悪いが完全に忘れてしまっていた。
でも、それ以上に大場が西岡さんと付き合っていたことに驚いた。もちろんはじめて知ったけど両者のタイプとして意外な組み合わせだからだ。でも、誰が誰と付き合うかは人それぞれなので、僕が勝手に抱いているイメージに過ぎないかもしれないけど。
「柿原なんで知ってんの?周りに付き合ってることは殆どバレてなかったはずなんだけど…」
柿原はふふふと不敵な笑みを浮かべて「人脈人脈」と手に持っていたスマホを手首で揺らした。
「こえー」
すると、柿原は何か思い出した様子で大場のことを上目遣いして見た。
「俺、西岡ちゃんとこの前遊び行っちゃったんだけど俺のこと呪ったりしない?」
「しないよ別に。ていうか、遊び行ったんだ」
「舞香と宮橋の4人でディズニー行ってきた。理奈も来るつもりだったんだけどバイトで来れないって言うから舞香が西岡ちゃん呼んだんだよ」
「明島と西岡さんって仲いいの?」
「仲いいんじゃない?なんかこの前一緒に勉強してたらしいよ」
さっきから2人は僕が全く知らない世界の話をしているようで全く会話についていけてなかった。
だから、同じクラスにいるはずなのに何か違う世界が存在しているようで、その世界を柔軟に横断している柿原を素直にすごいと思った。
一つだけ知っている話題があるとすればあの時、明島が一緒に勉強すると言っていた友達は烏丸さんだけじゃなくて西岡さんも入っていたらしい。柿原も女子たちもそうだけど僕が見ている世界の外でどんどんと人脈を広げて新しい世界を拡大しているように思える。
「でもさ…」
また柿原はニヤニヤと不敵な笑みを浮かべて大場の顔を覗き込むようにして言った。
「なんで2人は別れたの?」
大場は白い肌を赤らめる…と思ったけど意外と淡々としていた。
「いいだろそんなこと。てか、僕の話ばっかりじゃなくて柿原はどうなんだよ」
「俺?」
この場に柿原という名前の人物は一人しかいないのに柿原はわざとらしく自分を指差した。
「俺は今彼女はいないけど最近の出来事で言えば天野っちが暗躍してたことかな」
「暗躍?それどういう事?」
「後輩ちゃんのために裏で頑張ってたもんな」
柿原は今まで大場に向けていた笑みを今度は僕に飛ばしてきて、また僕は作った笑顔で返して僕の話はスキップしてくれることを期待した。
「何があったの?」
「実は…」
しかし、僕の努力も虚しく柿原は僕と中川で行ってきた事を全て包み隠すことなく大場に伝えた。そう、包み隠すことなく。
「えー!そんな事あったんだ」
大場は綺麗な瞳を大きく見開いていた。
「なんか樹って僕らの知らないところでいろんな事やってるよね。いつの間にか小学生助けてるし、そんで生徒会に呼び出されてるし、いつの間にか謹慎になってるし」
それは僕も彼らに対して同じことを考えてたけど余計なことだと思って喉まで上がってきていた声を飲みこんで、違う言葉を持ち上げた。
「迷惑かけてごめんね」
「天野っちがうちのクラスで一番チャラいよな」
「柿原君ほどではないと思うけど…」
「ところでさ…」
大場は今まで柿原が大場に向けていた笑みと同じような笑みを浮かべてやり返すように柿原のことを見た。
「その柿原の好きな人って誰?」
見逃したまま僕の話が継続されるのかと持ったけどそうでもないらしい。
中川から連絡を受けたときはあまり気にしてなかったけど今までの話の流れ的に僕もなんとなく気になった。
「舞香だよ」
「「え!」」
即答だった。だから余計に驚いた。
「言うんだ…」
思わず僕が言葉をこぼしてしまった。
「え?言うでしょ何がだめなの?」
柿原はキョトンとした顔をしている。好きな人というのは友達同士でもあまり言わないものだというのが僕の固定概念として存在していたから、当たり前のように言っている柿原と僕は根本的に思考が違うように感じた。
「明島だったんだ‥あーだから遊び行ってたの?」
「そう」
さっきまでの笑みは跡形もなく消え去り、大場は腕を組んで今までの話しを思い出しているようだった。
意外だった。柿原は明島のことが好きだったのか。
人の恋愛事情を今日ほど聞いたことがなく、そのせいかもしれないけどさっきの衝撃が頭から離れないでいる。
「てか、天野も俺らの話聞いてばっかりでお前の恋愛事情を教えろよ」
「いや、僕は何もないけど」
本当に何もない。そうなった理由を話すと空気が重くなりそうだ。
「じゃあ、ずっと気になってたんだけどその伊達メガネ何?なんかこだわり?」
一瞬、背中に電気が走ったような感覚がした。
また大場が僕の方を反射的に振り返り、しばらく沈黙が続いた。
「なんでお前ら黙ってんだよ。周は天野のメガネ似合うと思う?」
「まあ、似合うんじゃない」
「そうかぁ?天野っち、眼鏡似合わないからそれやめたほうが良いよ」
どうやら柿原は本当の理由を気づいてはいないようだ。
でも、柿原は本気で僕がおしゃれで伊達メガネをしてると思っているのだろうか。なんだかますます柿原のことがよくわからなくなってきたような気がする。
「そろそろ帰るかー。2人とも家までどのくらいかかんの?」
「僕は倉西駅から上り方面に20分くらいかな」
「僕は徒歩で15分くらい」
「ちか!羨ましいわー俺なんか下りに50分も掛かんだぞ。今度天野っちの家遊び行こ!」
柿原は鼻歌を歌いながらトレーを持って立ち上がりゴミ箱に分別して捨てた。
「あれ?樹、そっちプラスチックだよ。紙コップは隣じゃない?」
「え?ああ、ごめんごめん」
今日は偶然彼らに出会って話を聞いたけど、同じ空間に居ても全く違う世界が繰り広げられていて僕が見ている彼らとは違う一面を見たような気がした。それと、僕はいつも一緒にいるけど彼らを知らなすぎるとも思った。
平日ではあまり見かけないような私服を着た大人のカップルがいたり、私服を着た高校生や中学生であったり、店の勧誘をしてくる若い男性やスーツを着た何やら怪しげな雰囲気の大人など、すれ違う人は皆それぞれで一人一人の土曜日がそこには存在していた。
そして、今日その賑わいの中に僕もいた。
僕は普段から休日は家に引きこもっているが今日は珍しく外出して、倉西駅西口の繁華街をウロウロしていた。というのも、母から買い物を頼まれて仕方なく引き受けて、その帰りになんとなく繁華街を歩いていただけだけど。
用も済んで人混みにくたびれた僕はそろそろ帰ろうかと繁華街の駅に出る方向に向かって向きを変えたときだった。
「あれ?樹じゃん」
肌の色と同じ色のバニラアイスをなめている大場と目が合った。
大場の私服姿は宮橋の家に行った時に見ていたので、今度は僕の脳がすぐに目の前いる人物が大場だと認識していた。
「あ、大場君」
この人の多さなら確率的に言って知り合いに合うことは無いだろうと油断していた僕は驚いてしまい、宮橋妹に会ったときのようにまた「あ、」から言い始めてしまった。
「樹が休日に外出するなんて珍しいね。買い物?」
「うん。親に頼まれて買い物してたんだ。大場君も?」
「僕も買い物だよ。これから服買いに行く」
「そっか…」
偶然友達と出会ったときのテンプレートのような会話をした後、友達と休日バッタリ出くわした場合のテンプレート後の会話方法を心得ていなかった僕は、その後はどう対応したら良いのか急にわからなくなって、その後の言葉が出てこなかった。
しばらく僕が沈黙していると大場が空気を察したようで一瞬視線を逸らした後、何か思いついたように僕に視線を戻した。
「そうだ。樹も一緒に行こうよ」
「え?僕も?」
「だって…暇でしょ?」
「…まあそうだけど」
事実、家に帰っても特にやることはないので結局付き合うことにした。
「あ、ここ、ここ」
あれから10分ほど歩いて大場が店の前で立ち止まった。その店は繁華街の喧騒から少し離れて落ち着いた雰囲気の通りに鎮座しており、店の外観はコンクリート打ちっぱなしのシンプルなデザインで、僕が今まで知っている服を買う店の外観とはまるで違っていた。
店の名前も何か英語で書かれているけど僕が中学、高校で目にしてきた英単語には存在しないものであることは確かだった。
店内も外観同様にコンクリートの灰色が陳列される服の存在を引き立たせるようでコンクリート打ちっぱなしがおしゃれに思えるなんて初めての体験で、何か違う世界に迷い込んだような感覚だった。
その後、その店で1時間位だろうか、大場の買い物に付き合いレジに並んでいるときだった。
「天野っちと周じゃん」
後ろから明らかに僕らを知っている声が聞こえたし、僕のことをそう呼ぶ人間は僕の知る限りただ一人だった。
「お、柿原」
「よお、2人で遊んでんの?」
「そう、さっき偶然樹に会ったんだよ」
「なるほどね。天野っちはあんまり服興味なさそうだからこの店にいるの意外だと思ったわ」
「僕はたしかに興味ないね…」
いつも通りと言うか、柿原は僕の肩を組んで耳元で囁いた。
「でも、好きな子が出来たらお前もおしゃれに目覚めるかもよ」
「そうかな、はは」
以前の自分のように貼り付けたような笑顔を作って対処した。なにか笑顔を作った時の頬の筋肉の感覚が久しぶりの感じがした。
2人で並列するのも他のお客に邪魔だと思ったので後ろで彼らがレジで購入しているところを見ていたが、商品の金額が僕が普段買っている洋服よりも0が一つ多くて思わず二度見してしまった。
この店では皆、当たり前のようにお金を支払ってるので、初心者であることをさとられぬよう、表情に出さぬように平静を装った。
彼らの会計が終了し、店を出てすぐ柿原が言った。
「2人ともこの後暇?」
「暇だよ。樹もだよね?」
「そうだね」
大場は最近僕の休日は何も無いと思っているようでそれを面白がってるように感じる。実際することは何も無いけれど。
「したら、あそこのマック行かね?」
「いいね。行こ行こ」
僕らはさっきのお店の近くのマックに入り各々注文して4人がけに座る席に柿原と大場が隣り合い、その向かい側に僕が座った。
周りを見渡してみると同じマックでも客層が全く違うように感じる。繁華街の最も賑わっているマックは外の賑わいを店内に閉じ込めたかのような感じだけど、ここのマックはそこよりは少し落ち着いた雰囲気だった。
「なんかこのメンツって珍しくね?」
確かに柿原の言った通り珍しい気がする。大場と柿原が教室で話してるところはたまに見るくらいであまり2人が一緒にいるイメージがない。きっと、あの服屋のような共通の趣味がなければ今こうやって交わることはなかっただろう。
「大場君と柿原君が一緒にいるのは珍しいかもね」
「だろ?だから、記念に3人で写真取ろうぜ」
珍しいから写真を撮るという思考過程はよくわからなかったが、柿原はインカメラにしてスマホを構えて写真を撮り「写真送るわー」と言って柿原はまたスマホを操作し始めた。
「てか、天野っちのLINE持ってないわー。交換しよ」
柿原のペースで会話が進んでいき、結局LINEまで交換することになった。あと、2人が珍しい組み合わせだと思ってたけど、いつの間にか2人ともLINEを持っていたことに少し驚いた。
「天野クラスLINEにいないから登録してなかったんだなー」
柿原の口から初めて聞く単語に思わず聞き返した。
「クラスLINE?」
「そうだよ。あれ?周招待してないの?」
ストローに口をつけようとしていた大場が一旦中断して思い出したように白い歯を見せた。
「ごめんごめん。すっかり、忘れてた」
「おいおい、天野がハブられてるみたいで可愛そうだろ」
うちのクラスでLINEグループが存在していたことを初めて知った。入りたいわけでも入りたくないわけでもないけどいつから存在していたのかふと気になった。
「そのグループっていつからあったの?」
「4月に宮橋が作ったんだよ。でも、最近まであんまり動いなかったけどな」
「最近まで?」
「そう。そろそろ修学旅行あるじゃん?その連絡みたいなのがたまに着てたぐらい」
「あーあったね。てか、樹ごめんめっちゃ大事な連絡だったよね。てっきりいると思ってたから」
「いやいや、大丈夫だよ。本当に」
むしろ入っていなくてよかったと思った。もし謹慎中に何か良からぬことが書かれていたら知らなくて済んだからだ。
「てか、修学旅行かぁ。楽しみだわー」
「京都なんだよね」
「僕、中学の時も京都だったよ」
「マジ?かわいそうだな。俺は奈良だったけど。天野はどこ行ったの?」
柿原の方を向いていた大場が反射的に僕の方を向いた。
「僕はその時体調崩してて行けなかったんだよね」
大場の目で制されたので余計なことは言わないでおいた。
「そっかぁ、そりゃしゃあないな。林間学校も行ってないの?」
大場が何か心配そうに僕の方を見つめている。彼らにはそのことについて話していないからだ。
「林間学校は行ったよ。確か栃木だったかな」
これは本当だ。中学2年生の時は人数が余ったグループに無理やり入れられ感情を殺しながら2泊3日を消費した記憶は鮮明に残っている。
「あー俺も栃木だった。ここら辺に住んでるやつはみんな栃木だよな」
大場が息を吐いて安堵している様子だ。
「修学旅行でカップル誕生したりしてな」
柿原は楽しそうにニヤニヤと笑い、マックシェイクを啜りゆっくりとストローから登るチョコレート色が柿原の口に運ばれていた。直感だけど柿原はこういう話題が好きそうな気がする。
「確かに、修学旅行中ならありそう」
「お前らはどうなの?気になってる人とか彼女とかいんの?」
「僕は今いないかな」
意外と大場が僕より速く答えていた。
僕も言うまでも無いと思ったけど一応答えた。
「僕も」
「マジか。周とかモテそうじゃん。告られたりするだろ?」
「するけど。今はいいかなって…」
告白されていたのか。いつの間にそんな事が起こっていたのだろうか。
大場がモテるのは知ってるし、最近では僕も大場といることは多くなったけど知らぬ間にそういう出来事があったらしい。
こういう会話は僕らの中ではあまりしないから今はじめて知った。
「今?じゃあ最後に彼女いたのいつ?」
大場は「うーん」と考え込んでストローで飲み物をかき混ぜながら記憶を掘り起こしているようだった。
「2年に上る前だから‥半年以上前かな」
それを聞いた柿原がなにか思い出したように拳を手のひらの上にぽんと落とした。
「西岡ちゃんか!え?同じクラスじゃん」
西岡さん?誰のことだ?同じクラスなのか?今のクラスになってだいぶ経つのに今更「西岡さんて誰?」と訊くのは申し訳ないような気がしたので僕の持っている記憶の引き出しを一つずつ開けるように懸命に探した。
そして、一人思い出した。
自分で言うのもおかしいだけど、西岡さくらさんはクラスではあまり目立たないタイプの人で確か僕は文化祭の時に一言だけ挨拶をしただけでそれ以外は会話した記憶がない。
今までクラスのみんなを拒絶してきたことや最近では僕のクラス内での人間関係が局所的で休み時間の行動範囲が自席周辺で完結していることも悪いが完全に忘れてしまっていた。
でも、それ以上に大場が西岡さんと付き合っていたことに驚いた。もちろんはじめて知ったけど両者のタイプとして意外な組み合わせだからだ。でも、誰が誰と付き合うかは人それぞれなので、僕が勝手に抱いているイメージに過ぎないかもしれないけど。
「柿原なんで知ってんの?周りに付き合ってることは殆どバレてなかったはずなんだけど…」
柿原はふふふと不敵な笑みを浮かべて「人脈人脈」と手に持っていたスマホを手首で揺らした。
「こえー」
すると、柿原は何か思い出した様子で大場のことを上目遣いして見た。
「俺、西岡ちゃんとこの前遊び行っちゃったんだけど俺のこと呪ったりしない?」
「しないよ別に。ていうか、遊び行ったんだ」
「舞香と宮橋の4人でディズニー行ってきた。理奈も来るつもりだったんだけどバイトで来れないって言うから舞香が西岡ちゃん呼んだんだよ」
「明島と西岡さんって仲いいの?」
「仲いいんじゃない?なんかこの前一緒に勉強してたらしいよ」
さっきから2人は僕が全く知らない世界の話をしているようで全く会話についていけてなかった。
だから、同じクラスにいるはずなのに何か違う世界が存在しているようで、その世界を柔軟に横断している柿原を素直にすごいと思った。
一つだけ知っている話題があるとすればあの時、明島が一緒に勉強すると言っていた友達は烏丸さんだけじゃなくて西岡さんも入っていたらしい。柿原も女子たちもそうだけど僕が見ている世界の外でどんどんと人脈を広げて新しい世界を拡大しているように思える。
「でもさ…」
また柿原はニヤニヤと不敵な笑みを浮かべて大場の顔を覗き込むようにして言った。
「なんで2人は別れたの?」
大場は白い肌を赤らめる…と思ったけど意外と淡々としていた。
「いいだろそんなこと。てか、僕の話ばっかりじゃなくて柿原はどうなんだよ」
「俺?」
この場に柿原という名前の人物は一人しかいないのに柿原はわざとらしく自分を指差した。
「俺は今彼女はいないけど最近の出来事で言えば天野っちが暗躍してたことかな」
「暗躍?それどういう事?」
「後輩ちゃんのために裏で頑張ってたもんな」
柿原は今まで大場に向けていた笑みを今度は僕に飛ばしてきて、また僕は作った笑顔で返して僕の話はスキップしてくれることを期待した。
「何があったの?」
「実は…」
しかし、僕の努力も虚しく柿原は僕と中川で行ってきた事を全て包み隠すことなく大場に伝えた。そう、包み隠すことなく。
「えー!そんな事あったんだ」
大場は綺麗な瞳を大きく見開いていた。
「なんか樹って僕らの知らないところでいろんな事やってるよね。いつの間にか小学生助けてるし、そんで生徒会に呼び出されてるし、いつの間にか謹慎になってるし」
それは僕も彼らに対して同じことを考えてたけど余計なことだと思って喉まで上がってきていた声を飲みこんで、違う言葉を持ち上げた。
「迷惑かけてごめんね」
「天野っちがうちのクラスで一番チャラいよな」
「柿原君ほどではないと思うけど…」
「ところでさ…」
大場は今まで柿原が大場に向けていた笑みと同じような笑みを浮かべてやり返すように柿原のことを見た。
「その柿原の好きな人って誰?」
見逃したまま僕の話が継続されるのかと持ったけどそうでもないらしい。
中川から連絡を受けたときはあまり気にしてなかったけど今までの話の流れ的に僕もなんとなく気になった。
「舞香だよ」
「「え!」」
即答だった。だから余計に驚いた。
「言うんだ…」
思わず僕が言葉をこぼしてしまった。
「え?言うでしょ何がだめなの?」
柿原はキョトンとした顔をしている。好きな人というのは友達同士でもあまり言わないものだというのが僕の固定概念として存在していたから、当たり前のように言っている柿原と僕は根本的に思考が違うように感じた。
「明島だったんだ‥あーだから遊び行ってたの?」
「そう」
さっきまでの笑みは跡形もなく消え去り、大場は腕を組んで今までの話しを思い出しているようだった。
意外だった。柿原は明島のことが好きだったのか。
人の恋愛事情を今日ほど聞いたことがなく、そのせいかもしれないけどさっきの衝撃が頭から離れないでいる。
「てか、天野も俺らの話聞いてばっかりでお前の恋愛事情を教えろよ」
「いや、僕は何もないけど」
本当に何もない。そうなった理由を話すと空気が重くなりそうだ。
「じゃあ、ずっと気になってたんだけどその伊達メガネ何?なんかこだわり?」
一瞬、背中に電気が走ったような感覚がした。
また大場が僕の方を反射的に振り返り、しばらく沈黙が続いた。
「なんでお前ら黙ってんだよ。周は天野のメガネ似合うと思う?」
「まあ、似合うんじゃない」
「そうかぁ?天野っち、眼鏡似合わないからそれやめたほうが良いよ」
どうやら柿原は本当の理由を気づいてはいないようだ。
でも、柿原は本気で僕がおしゃれで伊達メガネをしてると思っているのだろうか。なんだかますます柿原のことがよくわからなくなってきたような気がする。
「そろそろ帰るかー。2人とも家までどのくらいかかんの?」
「僕は倉西駅から上り方面に20分くらいかな」
「僕は徒歩で15分くらい」
「ちか!羨ましいわー俺なんか下りに50分も掛かんだぞ。今度天野っちの家遊び行こ!」
柿原は鼻歌を歌いながらトレーを持って立ち上がりゴミ箱に分別して捨てた。
「あれ?樹、そっちプラスチックだよ。紙コップは隣じゃない?」
「え?ああ、ごめんごめん」
今日は偶然彼らに出会って話を聞いたけど、同じ空間に居ても全く違う世界が繰り広げられていて僕が見ている彼らとは違う一面を見たような気がした。それと、僕はいつも一緒にいるけど彼らを知らなすぎるとも思った。
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そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
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