12 / 68
12 さようならアラン
しおりを挟む
ララを見たら食べるのに忙しいようで、パラパラと手を振っています。
早く行けとでも言っているのでしょうか。
「レディ・ローゼリア。私にファーストダンスの栄誉をお与えください」
「喜んで」
エヴァン様は滑らかな動きで、私の手を取ってホールの中央へと進みます。
ちょうど曲がワルツに変わったので、ホッとしました。
ワルツなら少しだけ自信があるのです。
「緊張してる?」
「勿論です。エヴァン様と踊れるなんて思ってもいませんでした」
「嬉しいことを言ってくれるね。ローゼリア、今日のドレスも良く似合っている。とても奇麗だよ。それを選んだのは私なんだ。私の瞳の色を纏わせたかった」
「ひゃっっ」
エヴァン様が急に凄いことを言うので、変な声が出てしまいました。
エヴァン様は一瞬驚いた顔をした後、とても嬉しそうに微笑まれました。
「ロゼ、足元を見てはいけないよ。私を見てごらん?そうだ、上手だね」
エヴァン様はリードが本当にお上手です。
ダンスってこんなに楽しいのですね。
「あと一年だね。最終専攻は決めたの?」
「はい、やはり治療教育に進もうかと思っています」
「素晴らしいね。私の友人にその道の権威がいるんだ。今度紹介しよう」
「はい、よろしくお願いします」
あっという間に曲が終わってしまいました。
互いに礼をしていたら、急にエヴァン様が私の手を引きました。
「何か用かな?」
振り返るとアランが立っていました。
エヴァン様は私の後頭部を抱えるようにして、アランが見えない様に抱き寄せました。
「ローゼリア、少し話がしたい。時間をくれないか」
「断るよ。ローゼリアは病み上がりだからね、ストレッサーは近寄らないでくれ」
「僕はローゼリアに話しています」
「ローゼリアとは話させない。下がりなさい」
「でも」
「ほら、君の大事な手癖の悪い雌猫ちゃんがこっちをチラチラ見ているぜ?」
「雌猫って…王女殿下にはローゼリアと話し合うことは言っています」
「それはそちらの都合だろう?こちらにも都合はあるんだ。相変わらず自分本位な奴だな」
「邪魔しないでください」
エヴァン様は私の髪を一筋掬ってキスをしながら言いました。
「私の可愛いロゼ?こいつをまた殴ってもいい?」
「ダメですわ。エヴァン様の手が心配です」
「そうだね、じゃあ護衛騎士を呼ぼうか?」
「私から話すこては何もないですが、最後ですから少しなら話を聞きます」
「わかった。ここではみんなの邪魔になるし、バルコニーに行こうか」
「はい」
エヴァン様はアランを置き去りにして、私をバルコニーに連れて行きました。
窓ガラスを見ると、一瞬怯んだ様子を見せたアランが後をついてきます。
その後ろにはとても怖い顔をした護衛騎士のお姉様の姿もありました。
この状況でついてくるってアランも相当な覚悟をしているのでしょうね。
「寒くないかい?」
「大丈夫です」
「ずっとこうしているから安心しなさい」
エヴァン様は私を再び抱き寄せましたが、今度はアランの顔が見えました。
「ローゼリア、倒れたと聞いたけど体調はどう?何度か見舞いに行ったが会えなくて。それと婚約のことなんだけど、白紙になった。僕は廃嫡になったよ。勘当されたんだ。ハイド子爵家とワンド伯爵家はローゼリアに継がせるそうだ」
私は驚いて声も出ませんでした。
そんなこと私は望んでいませんし、むしろ両方アランに継いでほしいのですが。
「当然の結果だね。話はそれだけかい?」
「だから、申し訳ないけど父と母を頼む」
「断る」
エヴァン様が即答しました。
アランがぐっと拳を握り、歯を食いしばっています。
「君の軽率な行動が招いた結果だ。なぜローゼリアが負わなくてはならない?」
「ローゼリアしか…頼れる人がいないから…僕は…」
「君は何をバカなことを言っているんだ?そうやって自分だけ逃げるつもりかい?」
「あなたには関係ないでしょう!」
「いいや、大ありだ。ロゼは私の婚約者になるからね」
「えっ!ローゼリア?」
アランも驚いていましたが、私も心臓が口から出るほど驚きました。
「本当だ。君は婚約を白紙にする書類にサインをした。国がそれを受け入れた。国王が証明しているんだ。二度と覆ることはない。そして私たちの婚約の書類にも国王のサインが入る。それ以上でも以下でもない」
「そうか…ローゼリア。おめでとう…厚かましいことを言ってしまったみたいだね。忘れてくれ。僕たちはもう会うことも無いだろう。最後に君を傷つけたことに対する謝罪をさせてくれないか」
私はあの日以来初めてアランに言葉を発しました。
「謝罪は結構です。もう終わったのよ。さようならアラン。王女殿下とお幸せに」
「…ローゼリアの幸せを…心から願っているよ」
アランはじっとその場に佇んでいましたが、深くお辞儀をして去って行きました。
これで本当にお別れです。
親達が良かれと思って敷いてくれたレールが途切れたのです。
「よく頑張ったね、ロゼ。本当に良く頑張った。ますます惚れた。キスしても良い?」
「な!なんてことを!それにアランを遠ざけるためだといっても婚約者だなんて!」
「あれ?嫌だった?ロゼも私と同じ気持ちだと思ってたのに」
「揶揄わないで下さい!」
「本気だよ?」
エヴァン様は美しい笑顔で私に迫ってきます。
「何してるの?」
私たちを探していたのでしょう、ララがバルコニーにきましたが、護衛騎士のお姉さまがララの手を引いて会場に戻って行きました。
その気遣い余計ですから!
早く行けとでも言っているのでしょうか。
「レディ・ローゼリア。私にファーストダンスの栄誉をお与えください」
「喜んで」
エヴァン様は滑らかな動きで、私の手を取ってホールの中央へと進みます。
ちょうど曲がワルツに変わったので、ホッとしました。
ワルツなら少しだけ自信があるのです。
「緊張してる?」
「勿論です。エヴァン様と踊れるなんて思ってもいませんでした」
「嬉しいことを言ってくれるね。ローゼリア、今日のドレスも良く似合っている。とても奇麗だよ。それを選んだのは私なんだ。私の瞳の色を纏わせたかった」
「ひゃっっ」
エヴァン様が急に凄いことを言うので、変な声が出てしまいました。
エヴァン様は一瞬驚いた顔をした後、とても嬉しそうに微笑まれました。
「ロゼ、足元を見てはいけないよ。私を見てごらん?そうだ、上手だね」
エヴァン様はリードが本当にお上手です。
ダンスってこんなに楽しいのですね。
「あと一年だね。最終専攻は決めたの?」
「はい、やはり治療教育に進もうかと思っています」
「素晴らしいね。私の友人にその道の権威がいるんだ。今度紹介しよう」
「はい、よろしくお願いします」
あっという間に曲が終わってしまいました。
互いに礼をしていたら、急にエヴァン様が私の手を引きました。
「何か用かな?」
振り返るとアランが立っていました。
エヴァン様は私の後頭部を抱えるようにして、アランが見えない様に抱き寄せました。
「ローゼリア、少し話がしたい。時間をくれないか」
「断るよ。ローゼリアは病み上がりだからね、ストレッサーは近寄らないでくれ」
「僕はローゼリアに話しています」
「ローゼリアとは話させない。下がりなさい」
「でも」
「ほら、君の大事な手癖の悪い雌猫ちゃんがこっちをチラチラ見ているぜ?」
「雌猫って…王女殿下にはローゼリアと話し合うことは言っています」
「それはそちらの都合だろう?こちらにも都合はあるんだ。相変わらず自分本位な奴だな」
「邪魔しないでください」
エヴァン様は私の髪を一筋掬ってキスをしながら言いました。
「私の可愛いロゼ?こいつをまた殴ってもいい?」
「ダメですわ。エヴァン様の手が心配です」
「そうだね、じゃあ護衛騎士を呼ぼうか?」
「私から話すこては何もないですが、最後ですから少しなら話を聞きます」
「わかった。ここではみんなの邪魔になるし、バルコニーに行こうか」
「はい」
エヴァン様はアランを置き去りにして、私をバルコニーに連れて行きました。
窓ガラスを見ると、一瞬怯んだ様子を見せたアランが後をついてきます。
その後ろにはとても怖い顔をした護衛騎士のお姉様の姿もありました。
この状況でついてくるってアランも相当な覚悟をしているのでしょうね。
「寒くないかい?」
「大丈夫です」
「ずっとこうしているから安心しなさい」
エヴァン様は私を再び抱き寄せましたが、今度はアランの顔が見えました。
「ローゼリア、倒れたと聞いたけど体調はどう?何度か見舞いに行ったが会えなくて。それと婚約のことなんだけど、白紙になった。僕は廃嫡になったよ。勘当されたんだ。ハイド子爵家とワンド伯爵家はローゼリアに継がせるそうだ」
私は驚いて声も出ませんでした。
そんなこと私は望んでいませんし、むしろ両方アランに継いでほしいのですが。
「当然の結果だね。話はそれだけかい?」
「だから、申し訳ないけど父と母を頼む」
「断る」
エヴァン様が即答しました。
アランがぐっと拳を握り、歯を食いしばっています。
「君の軽率な行動が招いた結果だ。なぜローゼリアが負わなくてはならない?」
「ローゼリアしか…頼れる人がいないから…僕は…」
「君は何をバカなことを言っているんだ?そうやって自分だけ逃げるつもりかい?」
「あなたには関係ないでしょう!」
「いいや、大ありだ。ロゼは私の婚約者になるからね」
「えっ!ローゼリア?」
アランも驚いていましたが、私も心臓が口から出るほど驚きました。
「本当だ。君は婚約を白紙にする書類にサインをした。国がそれを受け入れた。国王が証明しているんだ。二度と覆ることはない。そして私たちの婚約の書類にも国王のサインが入る。それ以上でも以下でもない」
「そうか…ローゼリア。おめでとう…厚かましいことを言ってしまったみたいだね。忘れてくれ。僕たちはもう会うことも無いだろう。最後に君を傷つけたことに対する謝罪をさせてくれないか」
私はあの日以来初めてアランに言葉を発しました。
「謝罪は結構です。もう終わったのよ。さようならアラン。王女殿下とお幸せに」
「…ローゼリアの幸せを…心から願っているよ」
アランはじっとその場に佇んでいましたが、深くお辞儀をして去って行きました。
これで本当にお別れです。
親達が良かれと思って敷いてくれたレールが途切れたのです。
「よく頑張ったね、ロゼ。本当に良く頑張った。ますます惚れた。キスしても良い?」
「な!なんてことを!それにアランを遠ざけるためだといっても婚約者だなんて!」
「あれ?嫌だった?ロゼも私と同じ気持ちだと思ってたのに」
「揶揄わないで下さい!」
「本気だよ?」
エヴァン様は美しい笑顔で私に迫ってきます。
「何してるの?」
私たちを探していたのでしょう、ララがバルコニーにきましたが、護衛騎士のお姉さまがララの手を引いて会場に戻って行きました。
その気遣い余計ですから!
221
あなたにおすすめの小説
言いたいことはそれだけですか。では始めましょう
井藤 美樹
恋愛
常々、社交を苦手としていましたが、今回ばかりは仕方なく出席しておりましたの。婚約者と一緒にね。
その席で、突然始まった婚約破棄という名の茶番劇。
頭がお花畑の方々の発言が続きます。
すると、なぜが、私の名前が……
もちろん、火の粉はその場で消しましたよ。
ついでに、独立宣言もしちゃいました。
主人公、めちゃくちゃ口悪いです。
成り立てホヤホヤのミネリア王女殿下の溺愛&奮闘記。ちょっとだけ、冒険譚もあります。
【完結】婚約者?勘違いも程々にして下さいませ
リリス
恋愛
公爵令嬢ヤスミーンには侯爵家三男のエグモントと言う婚約者がいた。
先日不慮の事故によりヤスミーンの両親が他界し女公爵として相続を前にエグモントと結婚式を三ヶ月後に控え前倒しで共に住む事となる。
エグモントが公爵家へ引越しした当日何故か彼の隣で、彼の腕に絡みつく様に引っ付いている女が一匹?
「僕の幼馴染で従妹なんだ。身体も弱くて余り外にも出られないんだ。今度僕が公爵になるって言えばね、是が非とも住んでいる所を見てみたいって言うから連れてきたんだよ。いいよねヤスミーンは僕の妻で公爵夫人なのだもん。公爵夫人ともなれば心は海の様に広い人でなければいけないよ」
はて、そこでヤスミーンは思案する。
何時から私が公爵夫人でエグモンドが公爵なのだろうかと。
また病気がちと言う従妹はヤスミーンの許可も取らず堂々と公爵邸で好き勝手に暮らし始める。
最初の間ヤスミーンは静かにその様子を見守っていた。
するとある変化が……。
ゆるふわ設定ざまああり?です。
良いものは全部ヒトのもの
猫枕
恋愛
会うたびにミリアム容姿のことを貶しまくる婚約者のクロード。
ある日我慢の限界に達したミリアムはクロードを顔面グーパンして婚約破棄となる。
翌日からは学園でブスゴリラと渾名されるようになる。
一人っ子のミリアムは婿養子を探さなければならない。
『またすぐ別の婚約者候補が現れて、私の顔を見た瞬間にがっかりされるんだろうな』
憂鬱な気分のミリアムに両親は無理に結婚しなくても好きに生きていい、と言う。
自分の望む人生のあり方を模索しはじめるミリアムであったが。
完結 女性に興味が無い侯爵様 私は自由に生きます。
ヴァンドール
恋愛
私は絵を描いて暮らせるならそれだけで幸せ!
そんな私に好都合な相手が。
女性に興味が無く仕事一筋で冷徹と噂の侯爵様との縁談が。 ただ面倒くさい従妹という令嬢がもれなく付いてきました。
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
婚約破棄された私は、号泣しながらケーキを食べた~限界に達したので、これからは自分の幸せのために生きることにしました~
キョウキョウ
恋愛
幼い頃から辛くて苦しい妃教育に耐えてきたオリヴィア。厳しい授業と課題に、何度も心が折れそうになった。特に辛かったのは、王妃にふさわしい体型維持のために食事制限を命じられたこと。
とても頑張った。お腹いっぱいに食べたいのを我慢して、必死で痩せて、体型を整えて。でも、その努力は無駄になった。
婚約相手のマルク王子から、無慈悲に告げられた別れの言葉。唐突に、婚約を破棄すると言われたオリヴィア。
アイリーンという令嬢をイジメたという、いわれのない罪で責められて限界に達した。もう無理。これ以上は耐えられない。
そしてオリヴィアは、会場のテーブルに置いてあったデザートのケーキを手づかみで食べた。食べながら泣いた。空腹の辛さから解放された気持ちよさと、ケーキの美味しさに涙が出たのだった。
※本作品は、少し前に連載していた試作の完成版です。大まかな展開や設定は、ほぼ変わりません。加筆修正して、完成版として連載します。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
大好きなあなたを忘れる方法
山田ランチ
恋愛
あらすじ
王子と婚約関係にある侯爵令嬢のメリベルは、訳あってずっと秘密の婚約者のままにされていた。学園へ入学してすぐ、メリベルの魔廻が(魔術を使う為の魔素を貯めておく器官)が限界を向かえようとしている事に気が付いた大魔術師は、魔廻を小さくする事を提案する。その方法は、魔素が好むという悲しい記憶を失くしていくものだった。悲しい記憶を引っ張り出しては消していくという日々を過ごすうち、徐々に王子との記憶を失くしていくメリベル。そんな中、魔廻を奪う謎の者達に大魔術師とメリベルが襲われてしまう。
魔廻を奪おうとする者達は何者なのか。王子との婚約が隠されている訳と、重大な秘密を抱える大魔術師の正体が、メリベルの記憶に導かれ、やがて世界の始まりへと繋がっていく。
登場人物
・メリベル・アークトュラス 17歳、アークトゥラス侯爵の一人娘。ジャスパーの婚約者。
・ジャスパー・オリオン 17歳、第一王子。メリベルの婚約者。
・イーライ 学園の園芸員。
クレイシー・クレリック 17歳、クレリック侯爵の一人娘。
・リーヴァイ・ブルーマー 18歳、ブルーマー子爵家の嫡男でジャスパーの側近。
・アイザック・スチュアート 17歳、スチュアート侯爵の嫡男でジャスパーの側近。
・ノア・ワード 18歳、ワード騎士団長の息子でジャスパーの従騎士。
・シア・ガイザー 17歳、ガイザー男爵の娘でメリベルの友人。
・マイロ 17歳、メリベルの友人。
魔素→世界に漂っている物質。触れれば精神を侵され、生き物は主に凶暴化し魔獣となる。
魔廻→体内にある魔廻(まかい)と呼ばれる器官、魔素を取り込み貯める事が出来る。魔術師はこの器官がある事が必須。
ソル神とルナ神→太陽と月の男女神が魔素で満ちた混沌の大地に現れ、世界を二つに分けて浄化した。ソル神は昼間を、ルナ神は夜を受け持った。
【完結】すり替えられた公爵令嬢
鈴蘭
恋愛
帝国から嫁いで来た正妻キャサリンと離縁したあと、キャサリンとの間に出来た娘を捨てて、元婚約者アマンダとの間に出来た娘を嫡子として第一王子の婚約者に差し出したオルターナ公爵。
しかし王家は帝国との繋がりを求め、キャサリンの血を引く娘を欲していた。
妹が入れ替わった事に気付いた兄のルーカスは、事実を親友でもある第一王子のアルフレッドに告げるが、幼い二人にはどうする事も出来ず時間だけが流れて行く。
本来なら庶子として育つ筈だったマルゲリーターは公爵と後妻に溺愛されており、自身の中に高貴な血が流れていると信じて疑いもしていない、我儘で自分勝手な公女として育っていた。
完璧だと思われていた娘の入れ替えは、捨てた娘が学園に入学して来た事で、綻びを見せて行く。
視点がコロコロかわるので、ナレーション形式にしてみました。
お話が長いので、主要な登場人物を紹介します。
ロイズ王国
エレイン・フルール男爵令嬢 15歳
ルーカス・オルターナ公爵令息 17歳
アルフレッド・ロイズ第一王子 17歳
マルゲリーター・オルターナ公爵令嬢 15歳
マルゲリーターの母 アマンダ・オルターナ
エレインたちの父親 シルベス・オルターナ
パトリシア・アンバタサー エレインのクラスメイト
アルフレッドの側近
カシュー・イーシヤ 18歳
ダニエル・ウイロー 16歳
マシュー・イーシヤ 15歳
帝国
エレインとルーカスの母 キャサリン帝国の侯爵令嬢(前皇帝の姪)
キャサリンの再婚相手 アンドレイ(キャサリンの従兄妹)
隣国ルタオー王国
バーバラ王女
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる