97 / 105
連載
第147話 勇者、番人と戦う
しおりを挟む
「さーって、この奥にお宝があるのか」
俺は暗い洞窟の中を進む。
かすかに輝く光苔のおかげで、暗い道でも迷うことなく進む事が出来る。
何故こんな場所に居るか?
ここは一体何処なのか?
そう疑問に思うだろう。
その疑問は、俺の進む先に見える光が答えてくれた。
そこは光に満ち溢れていた。
これまで暗い洞窟から一転し、大きく広がった空間。
その中の大半を多い尽くす水。
そう、ここは湖だ。
だが外に出た訳ではない。
ここは未だ洞窟の中、つまりは地底湖のほとり。
ならば何故光に満ちているのか?
それは簡単だ。
洞窟の天井から降り注いでくる大量の水が光っていたからだ。
「これが霊域の霊水か……」
そう、この場所こそは帝となる者しか入れないという霊峰の中の霊域だった。
俺は帝の屋敷に会った日誌から、この場所を知り単独で霊水の採取に来ていたのだ。
何故一人で来たのかって?
それは……
ザザァッ
とその時、地底湖の水が盛り上がる。
「出てきたな」
湖の水をかき分け現れたのは、巨大な8匹の蛇だった。
いや、8匹ではない。
その蛇は根元で繋がっていたのだ。
「8頭蛇オロチ!」
俺の言葉に反応するかのように、オロチの首が3本俺に襲い掛かってくる。
巨大な牙に噛み付かれたら俺の体に大穴が開くのは間違いない。
即座に魔力による身体強化を行い回避行動を取る。
しかし残り4つの頭が動いて俺を追撃してくる。
残りひとつの頭は攻撃せずに真っ赤な瞳を俺にロックオンしている。
「こっちの動きを俯瞰で見る役って訳か」
見た目の割りに知恵が回る。
これがヒノモトに救った魔物オロチの実力って訳か。
オロチ、この魔物はある日突然霊域に姿を現した。
本来霊域には魔物は入れない。
入れないというか入りたがらないのだ。
かつてバラサの町で魔族によって魔物避けの結界が破壊される事件があった。
魔物避けの結界とは魔物が嫌がる波動を出して寄せ付けない効果を発揮する術だ。
霊域もまたそれと似たような効果で魔物を寄せ付けない。
だがこの魔物オロチは霊域に入り込んだ。
何故オロチが入る事が出来たのかは分からない。
分かるのかオロチが霊域に住み着いてしまったという事だけだ。
本来なら軍隊を派遣して退治するのが道理なのだが、この場所は帝にしか入る事のできない霊域。
たとえ魔物退治の為でも只人を入らせるわけには行かないのだ。
そんな訳で帝はこの霊域に魔物が住み着くのを止める事が出来なかった、と日記には書いてあった。
そしてそれが俺が一人でここに来た理由でもあった。
危険な魔物が居る場所に戦闘タイプでない仲間を連れてくるわけにも行かないからな。
「しかし、ここで闘っていいのかねぇ?」
ここは仮にも霊域だ。
となればここを魔物の血で汚したら霊域の神聖性が失われてしまうかもしれない。
「しゃーない、まずは追い出すか」
俺はオロチを追い出す事を決め、その為の魔法を発動する。
「サンダーランス!」
毎度おなじみサンダーランス先生の出番である。
雷系の魔法なので相手を感電させて無力化するのに最適な魔法。
しかもここは水場なのでモアベター。
しかし相手は巨体。
一発の魔法では耐えられる危険がある為、俺はサンダーランスを複数発動させて湖にぶち込んだ。
霊水で満たされた湖が雷の槍が発する熱で蒸発し霊水の湯気が沸き起こる。
そして数秒後湯気が霧散した後には、全ての頭が地面に倒れ伏したオロチの姿があった。
「そんじゃチャッチャと追い出しますか!」
俺は魔法の袋から【風のマント】というマジックアアイテムを取り出す。
コイツは身につけた人間の周囲に強力な風の結界を纏わせるので水中に潜っても自分の周りに空気の球を作って呼吸させる事が出来るのだ。
そして飛行魔法で宙に浮かぶと、オロチの頭のひとつを持ち上げて天井の滝めがけて突入する。
ドドドドドドドッと凄まじい音が響く滝の中に突っ込むと水圧で激しい衝撃が襲ってくるが、風のマントのお陰で水に濡れる事は無い。
飛行魔法を操作する為の魔力を更に込めて全力で滝をさかのぼっていく。
鯉ならずオロチの滝登りだ。
◆
滝を登り続けると、不意に空が見えた。
同時に体が軽くなり、まるで体がすっぽ抜けるかの様に上に飛び出す。
滝を抜けたのだ。
俺は引っ張ってきたオロチの体を地面に向けて放り投げる。
「そーれっ!!」
吹き飛ばされたオロチはそのまま地面へ激突し、自重で土の中にめり込みながら滑っていく。
そして数十m程進むと、ようやく動きを止めた。
「死んだかな?」
と思ったのだが、その体がピクリと動き、8つの頭が持ち上がる。
やはり頭が八つあるくらいなので生命力も高いみたいだ。
「そんじゃここからは第二ラウンドかな」
俺は魔法の袋から刃の長い長剣を取り出す。
斬魔剣【槍刀】、槍のように長い剣という名のソレは、巨大な魔物を退治する為に作られた剣だった。
【偉大なる剣帝】を真なる魔王に破壊されたのでコイツの出番と相成ったわけである。
「えー? 私の出番ではないのですかー?」
「聖剣差別ですよー」
腰の神剣と聖剣からクレームが飛ぶ。
正直やかましい。
ああ、【偉大なる剣帝】は文句を言わない良い子だったんだなぁ。
などと馬鹿な事を考えている間に、オロチのほうも準備が整ったみたいだ。
8対の赤い瞳が怒りに燃えている。
今度はそれぞれの頭が様子見しながら攻撃などしない。
全ての頭がいっせいに俺に襲い掛かってきた。
最初の頭の攻撃にあわせるように体が前進し、のこり7つの頭が俺を全周から多い尽くす様に襲ってくる。
その陣形の為、俺の周囲が影に覆われて一気に暗くなる。
俺は【槍刀】に魔力を通し、真正面から襲ってくる頭を紙一重でかわしつつロール回転しながらオロチの首に刃を突き刺す。
そして俺が一回転し終えると、オロチの首がボトリと落ちた。
落ちた首の分包囲網に穴が開く。
俺は即座にその穴から外へと脱出した。
「これで残り7……つぅ!?」
と思った俺だったが、こちらに視線を向けた8対の頭に驚愕する。
「減ってない!??」
そう、俺が切り落とした筈のオロチの頭は減っていなかった。
切り落とした頭部は地面に落ちている。
だが胴体のほうに切り落とされた根元が無いのだ。
全ての首から頭部が生えている。
つまり、この魔物は……
「切っても切っても頭が生えてくるタイプか」
まるでギリシャ神話のヒドラの様である。
あの魔物も切るたびに首が生えてくるタイプだったっけ。
「ヒドラはたしか傷口を焼かないと駄目だったっけか」
あと小説やゲームとかだと同時に切り落とさないと何度でも生えるパターンもあったな。
「さてどっちの答えが正解やら」
傷口を焼くのが正解か、同時に切るのが正解か。
「面倒だし、両方で行くか」
俺は【槍刀】に魔法をかける。
「メルティングウエポン!!」
上位火属性補助魔法によって青白い炎を【槍刀】が纏う。
そして俺は飛行魔法で高速移動しオロチの真横、その首の根元が一直線に並ぶ位置で体を宙に止める。
「テリャァァァァァ!!」
超高温の炎を纏った長大な剣がオロチの首を次々に吹き飛ばしながら傷口を焼きつくしていく。
悲鳴を上げるまもなく吹き飛ぶオロチの頭部。
数瞬後、オロチの胴体は全ての首と泣き別れになった。
そしてその傷口から新たな頭部を再生する事はなく、ズシンと重い音を立ててオロチの胴体は倒れ伏したのだった。
ちとオーバーキルだったか……
「ともあれ、これで霊水はゲットだぜ! あとはサリア達と合流してエリクサーを製作だ!!」
シルファリア、もう少し待ってろよ!
俺は暗い洞窟の中を進む。
かすかに輝く光苔のおかげで、暗い道でも迷うことなく進む事が出来る。
何故こんな場所に居るか?
ここは一体何処なのか?
そう疑問に思うだろう。
その疑問は、俺の進む先に見える光が答えてくれた。
そこは光に満ち溢れていた。
これまで暗い洞窟から一転し、大きく広がった空間。
その中の大半を多い尽くす水。
そう、ここは湖だ。
だが外に出た訳ではない。
ここは未だ洞窟の中、つまりは地底湖のほとり。
ならば何故光に満ちているのか?
それは簡単だ。
洞窟の天井から降り注いでくる大量の水が光っていたからだ。
「これが霊域の霊水か……」
そう、この場所こそは帝となる者しか入れないという霊峰の中の霊域だった。
俺は帝の屋敷に会った日誌から、この場所を知り単独で霊水の採取に来ていたのだ。
何故一人で来たのかって?
それは……
ザザァッ
とその時、地底湖の水が盛り上がる。
「出てきたな」
湖の水をかき分け現れたのは、巨大な8匹の蛇だった。
いや、8匹ではない。
その蛇は根元で繋がっていたのだ。
「8頭蛇オロチ!」
俺の言葉に反応するかのように、オロチの首が3本俺に襲い掛かってくる。
巨大な牙に噛み付かれたら俺の体に大穴が開くのは間違いない。
即座に魔力による身体強化を行い回避行動を取る。
しかし残り4つの頭が動いて俺を追撃してくる。
残りひとつの頭は攻撃せずに真っ赤な瞳を俺にロックオンしている。
「こっちの動きを俯瞰で見る役って訳か」
見た目の割りに知恵が回る。
これがヒノモトに救った魔物オロチの実力って訳か。
オロチ、この魔物はある日突然霊域に姿を現した。
本来霊域には魔物は入れない。
入れないというか入りたがらないのだ。
かつてバラサの町で魔族によって魔物避けの結界が破壊される事件があった。
魔物避けの結界とは魔物が嫌がる波動を出して寄せ付けない効果を発揮する術だ。
霊域もまたそれと似たような効果で魔物を寄せ付けない。
だがこの魔物オロチは霊域に入り込んだ。
何故オロチが入る事が出来たのかは分からない。
分かるのかオロチが霊域に住み着いてしまったという事だけだ。
本来なら軍隊を派遣して退治するのが道理なのだが、この場所は帝にしか入る事のできない霊域。
たとえ魔物退治の為でも只人を入らせるわけには行かないのだ。
そんな訳で帝はこの霊域に魔物が住み着くのを止める事が出来なかった、と日記には書いてあった。
そしてそれが俺が一人でここに来た理由でもあった。
危険な魔物が居る場所に戦闘タイプでない仲間を連れてくるわけにも行かないからな。
「しかし、ここで闘っていいのかねぇ?」
ここは仮にも霊域だ。
となればここを魔物の血で汚したら霊域の神聖性が失われてしまうかもしれない。
「しゃーない、まずは追い出すか」
俺はオロチを追い出す事を決め、その為の魔法を発動する。
「サンダーランス!」
毎度おなじみサンダーランス先生の出番である。
雷系の魔法なので相手を感電させて無力化するのに最適な魔法。
しかもここは水場なのでモアベター。
しかし相手は巨体。
一発の魔法では耐えられる危険がある為、俺はサンダーランスを複数発動させて湖にぶち込んだ。
霊水で満たされた湖が雷の槍が発する熱で蒸発し霊水の湯気が沸き起こる。
そして数秒後湯気が霧散した後には、全ての頭が地面に倒れ伏したオロチの姿があった。
「そんじゃチャッチャと追い出しますか!」
俺は魔法の袋から【風のマント】というマジックアアイテムを取り出す。
コイツは身につけた人間の周囲に強力な風の結界を纏わせるので水中に潜っても自分の周りに空気の球を作って呼吸させる事が出来るのだ。
そして飛行魔法で宙に浮かぶと、オロチの頭のひとつを持ち上げて天井の滝めがけて突入する。
ドドドドドドドッと凄まじい音が響く滝の中に突っ込むと水圧で激しい衝撃が襲ってくるが、風のマントのお陰で水に濡れる事は無い。
飛行魔法を操作する為の魔力を更に込めて全力で滝をさかのぼっていく。
鯉ならずオロチの滝登りだ。
◆
滝を登り続けると、不意に空が見えた。
同時に体が軽くなり、まるで体がすっぽ抜けるかの様に上に飛び出す。
滝を抜けたのだ。
俺は引っ張ってきたオロチの体を地面に向けて放り投げる。
「そーれっ!!」
吹き飛ばされたオロチはそのまま地面へ激突し、自重で土の中にめり込みながら滑っていく。
そして数十m程進むと、ようやく動きを止めた。
「死んだかな?」
と思ったのだが、その体がピクリと動き、8つの頭が持ち上がる。
やはり頭が八つあるくらいなので生命力も高いみたいだ。
「そんじゃここからは第二ラウンドかな」
俺は魔法の袋から刃の長い長剣を取り出す。
斬魔剣【槍刀】、槍のように長い剣という名のソレは、巨大な魔物を退治する為に作られた剣だった。
【偉大なる剣帝】を真なる魔王に破壊されたのでコイツの出番と相成ったわけである。
「えー? 私の出番ではないのですかー?」
「聖剣差別ですよー」
腰の神剣と聖剣からクレームが飛ぶ。
正直やかましい。
ああ、【偉大なる剣帝】は文句を言わない良い子だったんだなぁ。
などと馬鹿な事を考えている間に、オロチのほうも準備が整ったみたいだ。
8対の赤い瞳が怒りに燃えている。
今度はそれぞれの頭が様子見しながら攻撃などしない。
全ての頭がいっせいに俺に襲い掛かってきた。
最初の頭の攻撃にあわせるように体が前進し、のこり7つの頭が俺を全周から多い尽くす様に襲ってくる。
その陣形の為、俺の周囲が影に覆われて一気に暗くなる。
俺は【槍刀】に魔力を通し、真正面から襲ってくる頭を紙一重でかわしつつロール回転しながらオロチの首に刃を突き刺す。
そして俺が一回転し終えると、オロチの首がボトリと落ちた。
落ちた首の分包囲網に穴が開く。
俺は即座にその穴から外へと脱出した。
「これで残り7……つぅ!?」
と思った俺だったが、こちらに視線を向けた8対の頭に驚愕する。
「減ってない!??」
そう、俺が切り落とした筈のオロチの頭は減っていなかった。
切り落とした頭部は地面に落ちている。
だが胴体のほうに切り落とされた根元が無いのだ。
全ての首から頭部が生えている。
つまり、この魔物は……
「切っても切っても頭が生えてくるタイプか」
まるでギリシャ神話のヒドラの様である。
あの魔物も切るたびに首が生えてくるタイプだったっけ。
「ヒドラはたしか傷口を焼かないと駄目だったっけか」
あと小説やゲームとかだと同時に切り落とさないと何度でも生えるパターンもあったな。
「さてどっちの答えが正解やら」
傷口を焼くのが正解か、同時に切るのが正解か。
「面倒だし、両方で行くか」
俺は【槍刀】に魔法をかける。
「メルティングウエポン!!」
上位火属性補助魔法によって青白い炎を【槍刀】が纏う。
そして俺は飛行魔法で高速移動しオロチの真横、その首の根元が一直線に並ぶ位置で体を宙に止める。
「テリャァァァァァ!!」
超高温の炎を纏った長大な剣がオロチの首を次々に吹き飛ばしながら傷口を焼きつくしていく。
悲鳴を上げるまもなく吹き飛ぶオロチの頭部。
数瞬後、オロチの胴体は全ての首と泣き別れになった。
そしてその傷口から新たな頭部を再生する事はなく、ズシンと重い音を立ててオロチの胴体は倒れ伏したのだった。
ちとオーバーキルだったか……
「ともあれ、これで霊水はゲットだぜ! あとはサリア達と合流してエリクサーを製作だ!!」
シルファリア、もう少し待ってろよ!
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
神様、ちょっとチートがすぎませんか?
ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】
未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。
本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!
おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!
僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。
しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。
自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。
へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/
---------------
※カクヨムとなろうにも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。