愛させてよΩ様

ななな

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1章

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僕の学校での目標は
一つ、運命の番を見つける。
二つ、貴族のお友達を作ること。
三つ、学校で優秀な成績を収めること。
この三つだ。
まずは、二つ目の貴族のお友達を作る。
すでにいる友達は三大公爵家の残りの公爵家のロイとルークこの二人は腐れ縁だ。
でも、二人じゃ寂しいしもう少し友達が欲しい。
残りの二つは卒業までに出来ればいいのでお友達を作るのが最優先だ。
学校は明日からで今から緊張する。
寝ないといけないのに心臓がうるさすぎて寝られる自信がない。
でも、僕にはロイとルークがいるし最悪殿下がいる。
クラスは学力順で決まってるし、別々になることもないだろう。
殿下は首席で僕が二位だからだ。
王族と同じ教育を受けてるからまあ当たり前だ。
殿下と一緒だと番探しが上手く行きそうにないけど、殿下の婚約者として勉強は出来ないと家の印象が悪くなるし出来るだけ試験を頑張る他なかったのだ。
ロイとルークも三十位以内に居たし、同じクラスだろう。
だから、心配する必要はない。
大丈夫。
そう思いながら眠りに着いた。

「リオン様、朝でございます。起きてください」
執事のその声で起きた。
なんだか寝た気がしないし、緊張も昨日より断然大きい。
朝ご飯なんて食べられそうに無い。
「兄様、殿下が迎えにくるんだからゆっくりしてられないよ」
...殿下が迎え?
「迎えに来るの?なんで?」
「それは兄様が婚約者だからじゃないの?これから毎日一緒に登校するんでしょ」
「そんな話...」
...したね。
手紙で学校に一緒に行こうって書いてあったんだった。
完璧に忘れてた。緊張しすぎて記憶の彼方に飛んでいってた。
え?どうするのこれ...心の準備とか出来てないけど。
本当に来るの?
まあ、殿下とは初めて会う訳じゃないし大丈夫......本当に大丈夫かな。
手紙でさえ書くことを絞り出してるのに。
会って話すだなんてまともに出来るだろうか。
とりあえず、天気の話でもしとけば五分は保つはず...。
学校までは馬車で20~30分だから、後もう少し話題を作れば大丈夫...。
「リオン様、もうそろそろ王太子殿下がお見えになるそうです」
「え?もう?」
天気の話で30分いけるかな...いや、やるしかない。
殿下を待たせるわけにはいかないから、早く外で待ってないと。
外に出て余裕があったら、また話題を考えよう。
執事から鞄を受け取って正門前にある噴水前で待つ。
天気は晴れ...晴れなら話すこと沢山ある。
あとは......今日は入学式で緊張するとか?
殿下は緊張しないか。
あ、でも殿下は首席だから入学式の代表挨拶があるはず、その話題もいけるのでは...。
あともう少し話題があれば完璧だ。
ガラガラ___。
馬車の音が聞こえた。
あと、一個でいいんだ。あと一個...。
そう思えば思うほどに何も出てこない。
どうしよう...どうしよう。
もう、目の前に馬車の扉が来ている。
「おはよう。リオ」
「おはようございます。アルベルト殿下」
あぁ...結局思いつかなかった。
そう思いながら、差し伸べられた手を取り馬車に乗った。
殿下の手が前より大きく感じてなんだか少し緊張した。

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