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8 挨拶
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葉介が用意してくれたたくさんの服は、驚いたことに全て莉里架が好きなブランドのものだった。しかも最近雑誌で見てチェックしていた新作のワンピースまで入っていて、妙な気分になった。
とはいえ、ワンピースに袖を通し、鏡の前に立つと顔がにやけてしまう。
まるで私の好みを知っているかのようなチョイスでびっくりなんだけど……まぁそんなことあるわけないかーーそう思ったところで、あることに気付く。
弟に持ってきてもらうように頼んだということは、私が葉介の部屋に泊まったということがバレバレなんじゃ……。いや、付き合っていればお泊まりはありかもしれないけど、こんなにいろいろ買わせているような女って、あまりいい印象を抱かれない気がするーー不安になった莉里架は、リビングにいる葉介の元へとダッシュした。
部屋に飛び込んできた莉里架を見て、葉介は穏やかに微笑むと、
「うん、すごく似合ってるよ」
と照れたように口にする。
「あっ、ありがとう……じゃなくて! 今日の夕方に葉介のご家族に挨拶をするって言っていたけど、その……葉介はご家族には私のことをなんで伝えてるの?」
「まだ特に何も言っていないよ。プロポーズをして受け入れてもらえたから、善は急げで早めに挨拶をしたいって言っただけ」
「ぷ、プロポーズ⁉︎」
声が驚きで上擦った瞬間、葉介はクスクス笑いながらポケットに手を差し入れると、莉里架の左手を取って、薬指に指輪をはめた。
「莉里架の実家の会社を救うために結婚をする……でも俺はそんなことは関係なく、莉里架を愛することを誓うよ」
可愛らしいダイヤの指輪は、莉里架の指にぴったりとはまり、輝きを放っている。
「やっぱり指輪がないと信じてもらえないかと思って」
しかし莉里架は指輪を見ながら、眉間に皺を寄せた。
「おかしい。指輪のサイズがこんなにもぴったりなことってある?」
葉介は目を見開き、驚いたように口を開く。
「確かにすごい偶然だね」
「しかも、洋服の好みまで知っているみたいだったし」
「なんとなく、莉里架が好きそうな感じがしたんだよ」
よく考えてみれば、あまりにも偶然が重なりすぎではないだろうか。昨夜突然あの場所に現れたことも、今になれば怪しさしかない。
「さっ、そろそろ支度を整えないと、約束の時間に間に合わないよ」
「えっ……もうそんな時間?」
「大丈夫。俺たちは夫婦になるんだから、そんな話はいつでも出来るよ」
そう言われてしまえば、身支度を優先するほかはない。納得はいかなかったが、仕方なく頷く。
「あとでちゃんと話をするからね!」
「えぇ、もちろん」
怪しいと思うのに、あの笑顔を見ると何故か流されてしまうーー莉里架は頬を膨らませながら、渋々寝室へと戻った。
とはいえ、ワンピースに袖を通し、鏡の前に立つと顔がにやけてしまう。
まるで私の好みを知っているかのようなチョイスでびっくりなんだけど……まぁそんなことあるわけないかーーそう思ったところで、あることに気付く。
弟に持ってきてもらうように頼んだということは、私が葉介の部屋に泊まったということがバレバレなんじゃ……。いや、付き合っていればお泊まりはありかもしれないけど、こんなにいろいろ買わせているような女って、あまりいい印象を抱かれない気がするーー不安になった莉里架は、リビングにいる葉介の元へとダッシュした。
部屋に飛び込んできた莉里架を見て、葉介は穏やかに微笑むと、
「うん、すごく似合ってるよ」
と照れたように口にする。
「あっ、ありがとう……じゃなくて! 今日の夕方に葉介のご家族に挨拶をするって言っていたけど、その……葉介はご家族には私のことをなんで伝えてるの?」
「まだ特に何も言っていないよ。プロポーズをして受け入れてもらえたから、善は急げで早めに挨拶をしたいって言っただけ」
「ぷ、プロポーズ⁉︎」
声が驚きで上擦った瞬間、葉介はクスクス笑いながらポケットに手を差し入れると、莉里架の左手を取って、薬指に指輪をはめた。
「莉里架の実家の会社を救うために結婚をする……でも俺はそんなことは関係なく、莉里架を愛することを誓うよ」
可愛らしいダイヤの指輪は、莉里架の指にぴったりとはまり、輝きを放っている。
「やっぱり指輪がないと信じてもらえないかと思って」
しかし莉里架は指輪を見ながら、眉間に皺を寄せた。
「おかしい。指輪のサイズがこんなにもぴったりなことってある?」
葉介は目を見開き、驚いたように口を開く。
「確かにすごい偶然だね」
「しかも、洋服の好みまで知っているみたいだったし」
「なんとなく、莉里架が好きそうな感じがしたんだよ」
よく考えてみれば、あまりにも偶然が重なりすぎではないだろうか。昨夜突然あの場所に現れたことも、今になれば怪しさしかない。
「さっ、そろそろ支度を整えないと、約束の時間に間に合わないよ」
「えっ……もうそんな時間?」
「大丈夫。俺たちは夫婦になるんだから、そんな話はいつでも出来るよ」
そう言われてしまえば、身支度を優先するほかはない。納得はいかなかったが、仕方なく頷く。
「あとでちゃんと話をするからね!」
「えぇ、もちろん」
怪しいと思うのに、あの笑顔を見ると何故か流されてしまうーー莉里架は頬を膨らませながら、渋々寝室へと戻った。
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