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第ニ十一話 恋愛禁止契約なのに、心だけ違反してます
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ヴァルガス公爵が捨て台詞として残した『重婚による婚姻無効』の主張。 それは法的には確かに厄介な爆弾だった。 だが、私の夫である「氷の宰相」アシュ・ヴァレンシュタインにかかれば、そんな爆弾は処理対象の粗大ゴミでしかなかった。
「……というわけで、公爵の主張する『洗脳による意思欠如』を逆手に取り、『王太子の法的行為能力の停止』を申請した」
翌日の宰相府執務室。 アシュ様は、朝食のトーストをかじりながら、淡々と報告してくれた。
「王太子が洗脳されていたというなら、彼が行った婚約破棄だけでなく、その期間中の全ての政治的決裁も無効または再審議となる。それを王家が認めるわけがない。王家の権威が地に落ちるからな」
「なるほど。王家としては『婚約破棄は有効(=殿下の意思)』として処理せざるを得ない、というわけですね」
「その通りだ。公爵の屁理屈は、政治的力学によって握りつぶされる。……私の計算通りだ」
アシュ様はコーヒーを飲み干し、「完璧だ」と呟いた。 頼もしすぎる。 法律という名の武器を持たせたら、この人の右に出る者はいない。
これで私たちの結婚を脅かす外敵はいなくなった。 平和な日常と、最強のパートナーシップが戻ってくるはずだった。
――そう、はずだったのだ。
私が直面している最大の問題は、今や法律でも教会でもない。 目の前にいる、この銀髪の美貌の男と、私自身の『心』だった。
私は手元にある『無愛契約婚・契約書』の写しを、そっと開いた。 そこには、私たちが署名した時のまま、第五条が太文字で鎮座している。
『甲(アシュ)と乙(リディア)は、互いに恋愛感情を持たないものとする』
契約締結時、私はこれを「最高に安全な条件」だと思った。 愛なんていらない。裏切られない信頼関係があればいい。そう思っていた。
でも。
「……リディア? どうした、手が止まっているぞ」
アシュ様がふと顔を上げ、私を見た。 窓からの朝日が、彼の整った顔立ちを照らし出している。 長い睫毛。知的な瞳。 私を気遣ってくれる、不器用だけど温かい声。
ドクン。
胸の奥が、甘く疼いた。 かっこいい。 悔しいけれど、どうしようもなく素敵だと思ってしまう。
昨日の法廷で「君を手放さない」と言われた瞬間から、私の理性は崩壊寸前だった。 これはもう、認めざるを得ない。 私は、アシュ・ヴァレンシュタインという人間に、完全に『惚れて』しまっている。
つまり。 私は今、現在進行形で『契約違反』を犯しているのだ!
(ど、どうしましょう……!)
私は内心で頭を抱えた。 この契約書には罰則規定はないけれど、もしアシュ様にバレたら? 「恋愛感情は非合理的だ」と切り捨てられる? それとも「契約不履行」として、離婚を突きつけられる?
何より厄介なのは、私たちの薬指にある『真実の誓約印(ヴェリタス・シジル)』だ。 嘘がつけない。 つまり、私が「あなたのことなんて、ビジネスパートナーとしか思っていません」と言おうとしても、口が動かなくなるか、勝手に本音が飛び出す可能性があるのだ。
「……いや、なんでもありません。ただ、アシュ様のお仕事が早くて……素晴らしいなと」
私は精一杯の作り笑いで誤魔化した。 「素晴らしい」は事実だから、セーフだ。印も光らない。
「そうか。君に褒められると、通常の三割増しでモチベーションが向上する。不思議な現象だ」
アシュ様がサラッと言った。 ブハッ! 私はコーヒーを吹き出しそうになった。 やめて! その無自覚な天然タラシ発言、私の心臓(ライフ)を削りに来てるわ!
「あ、あの、アシュ様。一つ確認なのですが」
私は恐る恐る尋ねた。
「もし……万が一、契約条項に違反した場合、どうなるのでしたっけ?」
「違反? どの条項だ?」
「ええと、例えば……第五条とか」
アシュ様のペンが止まった。 空気が凍りつく。
「……恋愛感情の禁止、か」
アシュ様は眼鏡を外し、眉間を揉んだ。
「その条項が破られた場合、契約の前提である『合理的判断』が損なわれるリスクがある。……通常であれば、契約の見直し、あるいは破棄が妥当だろう」
契約破棄。 その言葉に、血の気が引いた。 やっぱり、そうなるわよね。彼にとって私は『政治的な盾』であり、『冷静な相棒』であることが存在価値なのだから。
「……ですが」
アシュ様が言葉を濁した。
「ですが?」
「いや。……忘れてくれ。仮定の話をしても非生産的だ」
彼は急に視線を逸らし、書類の山に没頭し始めた。 なんだろう、その反応。 まあいいわ。とにかく、私の恋心は絶対に隠し通さなきゃいけない。 『嘘がつけない』なら、『黙秘』と『すり替え』で乗り切るのよ、リディア!
◇
その日の午後。 私たちは、公爵逮捕後の事後処理のために王宮の回廊を歩いていた。 すれ違う貴族たちが、私たちを見てひそひそと噂話をしている。
「見ろ、最強のご夫婦だ」 「公爵を倒したって本当か?」 「氷の宰相が、奥様には甘いらしいぞ」
そんな声が聞こえるたびに、アシュ様は不機嫌そうに眉を寄せ、無意識なのか私の腰を引き寄せてガードを固める。 その距離が、以前よりも明らかに近くなっている。
「……近すぎませんか、アシュ様」
「護衛だ。公爵の残党がいるかもしれない」
「もう残党狩りも終わりましたわよ?」
「……私の精神安定上の措置だ」
ボソッと言われた本音に、私は顔を赤くして黙るしかなかった。 もう、いちいち心臓に悪い。
その時、向こうから見覚えのある女性たちが歩いてきた。 かつて私をいじめていた令嬢グループだ。 彼女たちは私を見ると、媚びへつらうような笑顔で近寄ってきた。
「まあ! リディア様! ご結婚おめでとうございます!」 「私たち、最初からリディア様が勝つと思っていましたのよ!」 「今度、お茶会にいらしてくださらない?」
現金なものだ。 王太子妃候補から外れた時は蜘蛛の子を散らすように逃げたくせに、宰相夫人になった途端にこれだ。
以前の私なら、「ごきげんよう(二度と顔を見せるな)」と皮肉の一つも言っただろう。 でも今の私は『嘘がつけない』。 下手に口を開くと、「あなたたちのような風見鶏とお茶を飲むくらいなら、泥水を啜ったほうがマシですわ」とか言ってしまいそうだ。
私が返答に窮していると、アシュ様がすっと前に出た。
「……私の妻は多忙だ。貴殿らのような、生産性のない会話に付き合っている暇はない」
冷徹な一刀両断。 令嬢たちが凍りつく。
「それに」
アシュ様は私を背に庇い、鋭い視線を向けた。
「妻が以前、貴殿らから不当な扱いを受けていた記録は残っている。……和解を望むなら、まずは過去の清算(慰謝料)から始めるのが筋ではないか?」
ひいぃっ! 令嬢たちは悲鳴を上げ、脱兎のごとく逃げ出した。 さすが氷の宰相。害虫駆除の手際が完璧だ。
「……助かりました、アシュ様」
「気にするな。君の時間を守るのは、私の利益だ」
アシュ様はそう言って、私の方を向いた。 その時。
ドクン。
まただ。 彼と目が合った瞬間、胸が苦しくなるほどの愛おしさが込み上げてきた。 ありがとう。 大好き。 あなたといられて幸せ。
そんな言葉が喉元まで出かかり――。
「……アシュ様」
「なんだ?」
「その……ネクタイが、曲がっていますわ」
私は必死に話題をすり替えた。 危なかった。もう少しで「愛しています」と言いそうになった。
私は震える手で、彼のエスコートタイを直そうと手を伸ばした。 その手が、彼の首筋に触れる。
ビクッ。 アシュ様の体が強張った。
「……リディア」
彼が私の手首を掴んだ。 その瞳が、熱っぽく揺れている。
「君に触れられると……思考回路がショートしそうだ」
「え?」
「心拍数が異常だ。体温も上昇している。これは……病気か? それとも呪いか?」
アシュ様は真剣に悩んでいる。 いや、それ、多分ただの動悸です。 というか、あなたも私と同じ症状なんですか?
その時。 チリッ。
アシュ様の左手の薬指にある『真実の誓約印』が、赤く明滅した。 赤い光。 それは通常、『嘘』や『契約違反』の警告色だ。
「……ッ!?」
アシュ様がハッとして手を離し、自分の指輪を押さえた。
「なんだ、今の反応は……」
彼が驚愕している。 私も息を呑んだ。 まさか。 アシュ様も、私に対して『契約違反』な感情――つまり『恋愛感情』を抱いている? それで、無意識に「愛していない(契約通りだ)」と思おうとして、心が嘘をついていると判定された?
「……い、いや。きっと疲労による魔力暴走だ」
アシュ様は早口で言い訳をした。 でも、指輪はまだ赤くチカチカしている。
「今日はもう帰ろう。……少し、距離を置いたほうがいいかもしれない」
彼は逃げるように早足で歩き出した。 その耳が、見たこともないほど真っ赤に染まっているのを、私は見逃さなかった。
取り残された私は、呆然と立ち尽くし、やがてぷっと吹き出した。
「……ふふっ。距離を置く、ですか」
無理ですわよ、アシュ様。 だって私たち、もうお互いに『大好き』が溢れてしまって、指輪(嘘発見器)が悲鳴を上げているんですもの。
この『無愛契約婚』。 どうやら、当初の予定とはまったく違う形で、崩壊(ハッピーエンド)に向かっているようですわね。
でも、まだ認めない。 彼が自分の口から「愛している」と言うまで、私はこの恋の駆け引き(チキンレース)、降りるつもりはありませんから!
「……というわけで、公爵の主張する『洗脳による意思欠如』を逆手に取り、『王太子の法的行為能力の停止』を申請した」
翌日の宰相府執務室。 アシュ様は、朝食のトーストをかじりながら、淡々と報告してくれた。
「王太子が洗脳されていたというなら、彼が行った婚約破棄だけでなく、その期間中の全ての政治的決裁も無効または再審議となる。それを王家が認めるわけがない。王家の権威が地に落ちるからな」
「なるほど。王家としては『婚約破棄は有効(=殿下の意思)』として処理せざるを得ない、というわけですね」
「その通りだ。公爵の屁理屈は、政治的力学によって握りつぶされる。……私の計算通りだ」
アシュ様はコーヒーを飲み干し、「完璧だ」と呟いた。 頼もしすぎる。 法律という名の武器を持たせたら、この人の右に出る者はいない。
これで私たちの結婚を脅かす外敵はいなくなった。 平和な日常と、最強のパートナーシップが戻ってくるはずだった。
――そう、はずだったのだ。
私が直面している最大の問題は、今や法律でも教会でもない。 目の前にいる、この銀髪の美貌の男と、私自身の『心』だった。
私は手元にある『無愛契約婚・契約書』の写しを、そっと開いた。 そこには、私たちが署名した時のまま、第五条が太文字で鎮座している。
『甲(アシュ)と乙(リディア)は、互いに恋愛感情を持たないものとする』
契約締結時、私はこれを「最高に安全な条件」だと思った。 愛なんていらない。裏切られない信頼関係があればいい。そう思っていた。
でも。
「……リディア? どうした、手が止まっているぞ」
アシュ様がふと顔を上げ、私を見た。 窓からの朝日が、彼の整った顔立ちを照らし出している。 長い睫毛。知的な瞳。 私を気遣ってくれる、不器用だけど温かい声。
ドクン。
胸の奥が、甘く疼いた。 かっこいい。 悔しいけれど、どうしようもなく素敵だと思ってしまう。
昨日の法廷で「君を手放さない」と言われた瞬間から、私の理性は崩壊寸前だった。 これはもう、認めざるを得ない。 私は、アシュ・ヴァレンシュタインという人間に、完全に『惚れて』しまっている。
つまり。 私は今、現在進行形で『契約違反』を犯しているのだ!
(ど、どうしましょう……!)
私は内心で頭を抱えた。 この契約書には罰則規定はないけれど、もしアシュ様にバレたら? 「恋愛感情は非合理的だ」と切り捨てられる? それとも「契約不履行」として、離婚を突きつけられる?
何より厄介なのは、私たちの薬指にある『真実の誓約印(ヴェリタス・シジル)』だ。 嘘がつけない。 つまり、私が「あなたのことなんて、ビジネスパートナーとしか思っていません」と言おうとしても、口が動かなくなるか、勝手に本音が飛び出す可能性があるのだ。
「……いや、なんでもありません。ただ、アシュ様のお仕事が早くて……素晴らしいなと」
私は精一杯の作り笑いで誤魔化した。 「素晴らしい」は事実だから、セーフだ。印も光らない。
「そうか。君に褒められると、通常の三割増しでモチベーションが向上する。不思議な現象だ」
アシュ様がサラッと言った。 ブハッ! 私はコーヒーを吹き出しそうになった。 やめて! その無自覚な天然タラシ発言、私の心臓(ライフ)を削りに来てるわ!
「あ、あの、アシュ様。一つ確認なのですが」
私は恐る恐る尋ねた。
「もし……万が一、契約条項に違反した場合、どうなるのでしたっけ?」
「違反? どの条項だ?」
「ええと、例えば……第五条とか」
アシュ様のペンが止まった。 空気が凍りつく。
「……恋愛感情の禁止、か」
アシュ様は眼鏡を外し、眉間を揉んだ。
「その条項が破られた場合、契約の前提である『合理的判断』が損なわれるリスクがある。……通常であれば、契約の見直し、あるいは破棄が妥当だろう」
契約破棄。 その言葉に、血の気が引いた。 やっぱり、そうなるわよね。彼にとって私は『政治的な盾』であり、『冷静な相棒』であることが存在価値なのだから。
「……ですが」
アシュ様が言葉を濁した。
「ですが?」
「いや。……忘れてくれ。仮定の話をしても非生産的だ」
彼は急に視線を逸らし、書類の山に没頭し始めた。 なんだろう、その反応。 まあいいわ。とにかく、私の恋心は絶対に隠し通さなきゃいけない。 『嘘がつけない』なら、『黙秘』と『すり替え』で乗り切るのよ、リディア!
◇
その日の午後。 私たちは、公爵逮捕後の事後処理のために王宮の回廊を歩いていた。 すれ違う貴族たちが、私たちを見てひそひそと噂話をしている。
「見ろ、最強のご夫婦だ」 「公爵を倒したって本当か?」 「氷の宰相が、奥様には甘いらしいぞ」
そんな声が聞こえるたびに、アシュ様は不機嫌そうに眉を寄せ、無意識なのか私の腰を引き寄せてガードを固める。 その距離が、以前よりも明らかに近くなっている。
「……近すぎませんか、アシュ様」
「護衛だ。公爵の残党がいるかもしれない」
「もう残党狩りも終わりましたわよ?」
「……私の精神安定上の措置だ」
ボソッと言われた本音に、私は顔を赤くして黙るしかなかった。 もう、いちいち心臓に悪い。
その時、向こうから見覚えのある女性たちが歩いてきた。 かつて私をいじめていた令嬢グループだ。 彼女たちは私を見ると、媚びへつらうような笑顔で近寄ってきた。
「まあ! リディア様! ご結婚おめでとうございます!」 「私たち、最初からリディア様が勝つと思っていましたのよ!」 「今度、お茶会にいらしてくださらない?」
現金なものだ。 王太子妃候補から外れた時は蜘蛛の子を散らすように逃げたくせに、宰相夫人になった途端にこれだ。
以前の私なら、「ごきげんよう(二度と顔を見せるな)」と皮肉の一つも言っただろう。 でも今の私は『嘘がつけない』。 下手に口を開くと、「あなたたちのような風見鶏とお茶を飲むくらいなら、泥水を啜ったほうがマシですわ」とか言ってしまいそうだ。
私が返答に窮していると、アシュ様がすっと前に出た。
「……私の妻は多忙だ。貴殿らのような、生産性のない会話に付き合っている暇はない」
冷徹な一刀両断。 令嬢たちが凍りつく。
「それに」
アシュ様は私を背に庇い、鋭い視線を向けた。
「妻が以前、貴殿らから不当な扱いを受けていた記録は残っている。……和解を望むなら、まずは過去の清算(慰謝料)から始めるのが筋ではないか?」
ひいぃっ! 令嬢たちは悲鳴を上げ、脱兎のごとく逃げ出した。 さすが氷の宰相。害虫駆除の手際が完璧だ。
「……助かりました、アシュ様」
「気にするな。君の時間を守るのは、私の利益だ」
アシュ様はそう言って、私の方を向いた。 その時。
ドクン。
まただ。 彼と目が合った瞬間、胸が苦しくなるほどの愛おしさが込み上げてきた。 ありがとう。 大好き。 あなたといられて幸せ。
そんな言葉が喉元まで出かかり――。
「……アシュ様」
「なんだ?」
「その……ネクタイが、曲がっていますわ」
私は必死に話題をすり替えた。 危なかった。もう少しで「愛しています」と言いそうになった。
私は震える手で、彼のエスコートタイを直そうと手を伸ばした。 その手が、彼の首筋に触れる。
ビクッ。 アシュ様の体が強張った。
「……リディア」
彼が私の手首を掴んだ。 その瞳が、熱っぽく揺れている。
「君に触れられると……思考回路がショートしそうだ」
「え?」
「心拍数が異常だ。体温も上昇している。これは……病気か? それとも呪いか?」
アシュ様は真剣に悩んでいる。 いや、それ、多分ただの動悸です。 というか、あなたも私と同じ症状なんですか?
その時。 チリッ。
アシュ様の左手の薬指にある『真実の誓約印』が、赤く明滅した。 赤い光。 それは通常、『嘘』や『契約違反』の警告色だ。
「……ッ!?」
アシュ様がハッとして手を離し、自分の指輪を押さえた。
「なんだ、今の反応は……」
彼が驚愕している。 私も息を呑んだ。 まさか。 アシュ様も、私に対して『契約違反』な感情――つまり『恋愛感情』を抱いている? それで、無意識に「愛していない(契約通りだ)」と思おうとして、心が嘘をついていると判定された?
「……い、いや。きっと疲労による魔力暴走だ」
アシュ様は早口で言い訳をした。 でも、指輪はまだ赤くチカチカしている。
「今日はもう帰ろう。……少し、距離を置いたほうがいいかもしれない」
彼は逃げるように早足で歩き出した。 その耳が、見たこともないほど真っ赤に染まっているのを、私は見逃さなかった。
取り残された私は、呆然と立ち尽くし、やがてぷっと吹き出した。
「……ふふっ。距離を置く、ですか」
無理ですわよ、アシュ様。 だって私たち、もうお互いに『大好き』が溢れてしまって、指輪(嘘発見器)が悲鳴を上げているんですもの。
この『無愛契約婚』。 どうやら、当初の予定とはまったく違う形で、崩壊(ハッピーエンド)に向かっているようですわね。
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