異世界転生はもう飽きた。100回転生した結果、レベル10兆になった俺が神を殺す話

閃幽零

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これから、悪について語ろう

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かつてを生きた不死者の中には、それが『事実だ』と『知る』者も当然いる。

 しかし、そのパーセンテージは、やっぱり少ないため、時の流れによって、

 『主はおられた。カッコよく世界を御救いくださったのだ』

 という声は、現実主義者たちの冷めた反論によって封殺されてしまう(大声で『神は死んだ!』と叫ぶような者は流石にいないが。というか、神法に触れるので出来ない)。




 実際、聖典の内容が壮大すぎたのが悪かった。

 主役の成した伝説が、あまりにもカッコよすぎるのだ。




 ぶっちゃけ、ありえないのだ、あんな歴史があっただなんて。




 聖典の内容は、後世の視点で言えば、『盛られている』としか思えなかった。

 『言い過ぎ(笑)』は、当然のように、『はいはい、分かった、分かった』という感情に繋がる。

 簡単に言えば、




 ――センは、英雄過ぎた。



















 ――ここらで、死について、少し。




 『不死』に至るには、ある程度の存在値が必要となる。

 センの視点でいえば、『比較的簡単に獲得できるゴールドスペシャル』だが、それは、別次元の成長チートを持つセンにとってはという話。

 『完全な不老不死』を得るために必要な存在値は最低でも500。

 『不死』だけなら、200前後でも、やり方しだいで手に入る。

 中には、100前後で不死に至る者もいる(高卒の検事ばりの低確率だが。ちなみに、リッチのように、『成長超遅い』し『紙装甲』だし、『生命の喜び』を失っているが、その代わりに不死という、パターンもある)。




 つまり、不死者の割合というのは、それなりに多い。

 平均存在値50オーバーの第2~第9アルファ(総人口2000億くらい)では、500万人に一人という割合で、不死者が存在する。




 ただ、不死は寿命が延びるだけで、防御力等が下がることもある(死のリスクを上げることで、不死を得るパターンもある)ので、事故でぽっくりと死ぬ場合も多々ある。

 そのため、『センが活躍した時代』から生きている者の数は、実はそれほど多くない。




 センが活躍した時代から、『今』に至るまで、当然、『何の問題も起こらなかった訳』ではない。

 ゼノリカが凄すぎるため、どれほど厄介な問題がおきても、まあまあの速度で解決してしまうというだけで、常に被害がゼロだった訳ではない。




 ――不死という性質を持つ。

 だから、『最初から最後までずっと生きている』――という訳ではない。



















 ――パメラノは、遠くを見つめながら、




「わしは、『鮮血時代』に、主と共に、『世界を穢す悪』という概念そのものと戦った。その後の、『異物』や『偽神』との闘いでは、力の差がありすぎて、何もできんかったがの。もちろん、ちょっとした支援ぐらいはさせていただいたが、あんなもの、決して誇れる実績ではない……」




 神を支えた過去を、しかし、決して実績ではないと嘆く。

 その意味は――




「ふふ……しかし、あれから、もう8000年以上経つとはのう……」
















 ※ 時間の流れは、世界ごとに違うが、第1アルファが異常に遅いというだけで、他の世界では、そこまで時間の進みに違いはない(あっても、10年~100年ほどの違い。すべてにおいて、第1アルファは、ただただ異常)。

 ちなみに、ゼンとシグレがいた、あの第1アルファは※※※……



















「時の流れは、本当に速いのう」







 そこで、『実は英雄譚大好き(恥ずかしいので普段は黙っている。偉いさんになりすぎたせいで、ドラゴンボ○ルのアニメ大好き! とは声高には言えない、みたいな感じ)なバロール』が、目をキラっとさせて、前のめりになり、




「鮮血時代! 死の70年ですね! 最初で最後の、異世界大戦! やはり、凄まじい闘いだったのですか?」




 何度かパメラノから直接聞きたいとは思ったのだが、立場の違い(ルール的には無いのだが、バロールの『中』ではある)もあるし、直線的な『恥ずかしい』等の諸々の問題もあって、今までは聞けなかった。




 ゆえに、これ幸いと、




「恥ずかしながら、私は、聖典に書かれている内容、つまり、『主によって戦争が終わった』という結果しか知らないものでして……」




 聖典には『こうなって』、『こうなって』、『こうなったから』、世界は救われました。

 としっかり書かれているが、やはり、どこか教科書的で、

 なんというか、『生』ではないのだ。

 作者の感情が込められすぎていて、逆にカラ回っており、ゆえに目がすべる。

 教科書的であることと、『感情がこめられすぎている』という二つは、相反するようで、実は繋がっている(『走れメロス』や『こゝろ』がいかに名作だろうと、授業中に、『教師の無駄にくどい解説つき』でつきつけられると、なんかアレな感じ的なアレ)。
















 バロールの問いかけに対し、パメラノは、しみじみと、













「凄まじいなどという安易な言葉で表せられる地獄ではなかった……」
















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